1-4-3 迥蒔コルリの発表『ねこのおてて』
「…………」
にこにこ。
「…………」
てれてれ。
……もう2分以上過ぎてるのに、コルリちゃんは一向にしゃべる気配がない。
ええと、これ――大丈夫なのかな。本も持ったまま下げちゃってるし……。
……すごく空気がずっしりしてる。後ろ見てないけど、みんなハラハラしてるのかも。
「ええと……コルリちゃん」
お兄さん!
「はあいっ」
あ、しゃべってくれた! 2分ぶり!
「ええと――みんなに本のタイトル、教えてくれるかな?」
「――、…………」
……なにこのマイナスイオン!!?
「かわいい……!」「かわいい……」「かわいいなあ……」「ふふふ……」
すごい、ハラハラした感じが一瞬でお花畑になっちゃった……!
たしかに今の「あっ、そうだった! えへへ」みたいなコルリちゃん、すごくかわいかったけど!
「えーっとねー……」
あ、なんか言いたそう。がんばれ……!
「すううぅぅ……」
そうそう。息吸って、大きな声でね。……本の向き確認してるだけでかわいいなあ。
「…………〈ねこのおてて〉!」
『『『『『『『『『『ズキューーーーーーーン!!!!!』』』』』』』』』』
え。
……なに今の音、空耳!!?
「う゛っ」「ひゃあぁぁ……」「はわぁ……!」「んんん~~~!!!!」「ふふふっ」
気のせいじゃない――!!?
すごい、後ろのほう――みんなホネヌキにされてる! いや、オレもだいぶ危なかったけど! 「〈満開の笑顔〉ってこういうのかー」って! すごいニコニコしてて! ……あ、まだ口のはしっこがっ! すごい、まったく下がらないっ! にやけちゃうっ!
……えーと、ちなみに司瑞と観上は――?
「おおーっ……!」
「ふーん?」
いくらなんでも強すぎない!?
「――ええとコルリちゃん、これってどんな本かな?」
……そうだ、まだこれ途中だった! 忘れるトコだった!
「あのねっ!」
……お兄さんのほう向いちゃったけど、いいのかな?
「ねこのおててがたくさんのってるの!」
そのまんまだ!?
「それじゃあ、例えばどんな〈おてて〉が載ってるのかな? 前見てね、みんなに教えてあげて」
あ、こっち向いてくれた。
「えーとねっ、……かわいいおててが、いっぱいのってますっ! 白いのもちゃいろいのもあるし、グーのおててもパーのおててもあるし、あとクリームパンみたいなおいしそうなのとか、まるくてね、ふくふくのおててとかー、にくきゅうものっててね、えっとね、それと……」
・・・
・・
・
「それそれ〜!」
コルリちゃんがマタタビの枝を魔法の杖みたいに振り回すと――。
「にゃーん」「にゃーん!」「にゃーん……」
どこからともなく、ネコたちがいっぱい集まってくる。
コルリちゃんはネコたちをだっこして、一匹一匹、ネコたちの〈おてて〉をにぎにぎふにふに。
「あなたのおててはまんまるだね! あなたのおててはちっちゃくてかわいー!」
それを見てみんながニコニコ。
ネコたちもなんだか気持ちよさそう――。
・・・
・・
・
「本庄」
「に゛ゃっ」
いたい。ほっぺが片方、すごく。
「……ぼーっとしてると全部終わっちゃうよ?」
「あ、ありがとう……」
観上の優しさの半分、たぶん〈痛み〉な気がする。
……気を取り直して、ちゃんと最後まで聞こう。姿勢も直して――っと。
「あとねー……。……あ、これもすき!」
えーと……本をめくって中身を確認してるのかな?
……ていうか見せてくれないんだ!? 写真の本っぽいのに!
「あ、このしっぽがまるーんってしてるのもいいなー」
まるーん……?
……気になる。どんな〈おてて〉が載ってるんだろう。どれもすごくかわいいんだろうなってことはわかる。全然見えないけど。見せてくれないけど。
「んーと……」
[00:00]
あ。
「はい、拍手してね。それじゃあ、コルリちゃんに質問ある人――?」
紹介している本:ねこのおてて
編著:パイ インターナショナル
https://pie.co.jp/search/detail.php?ID=4858
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ぅゎょぅι゛ょっょぃ。
文中に入らなかったけどコルリちゃんは小学1年か2年、前に偶然ビブリオバトルの様子を目にして「自分もやりたい!」と思ったんだそうな。(後で触れられるかもしれないけど入れるの忘れる可能性があるので先んじて書いとく)
ところで初稿3月31日らしいんだけど寝かせすぎでは? ネコだけにってか?!





