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第33話「ドラゴンは幽霊が食べれる?美味しい?」

 リアナさんにはやっぱり目の前のドラゴンが全然見えないけど、鏡には俺とドラゴンの姿が映っていた。俺たちの前に、巨大なドラゴンが大きく口を開いていた。地上から見えた時点で、これほど大きなドラゴンだと想像できたはずだが、やっぱり目の前で見る迫力は想像以上だった。ドラゴンに食べられそうなリアナさんをどうやって助けるか必死に考えたが、頭が真っ白になっていた。


「よくも我が主の宝物を盗もうとしたな!」

 幸い、口を開けたのは言葉を話すためだったみたいだけど、この言葉を聞く限り、リアナさんが食われる可能性はまだ十分にあった。


 リアナさんは恐怖のあまり、鏡から目を離せないまま固まっていた。


「あの、ワーム様でしょうか?」 俺は丁寧に尋ねてみた。リアナさんは鏡から目を離し、俺の方を見ていた。


「その呼び方でも呼ばれたことがあるが?」 ドラゴンはまだ怒っている様子で答えた。


「ワーム様の宝を盗むつもりなんてありませんでした。ただ、不思議なことに俺の姿が映っていたので、調べたかっただけです。もう戻します!」


 ドラゴンはじっと俺の方を見つめながら、ゆっくりと顔を近づけてきた。


(幽霊でも食べられるのかな?)


「ふふ、よく見てみれば、幽霊ではないか?!よくも意識を保っているものだな!それに服装もまた珍しい。今時の人間のファッションかな?」 結構ウケたようで、楽しそうに笑っていた。


「悠真さん、ドラゴンと話せますの?」 リアナさんは首を傾げた。


「お前は悠真と呼ばれているのか?我の落ち度だった。話すのが久しぶりだったため、普段、人間には我の姿や声が感知できないことを忘れていた」 リアナさんの顔を見る限り、彼女には今のドラゴンの言葉もまだ聞こえていないようだった。


「幽霊にしか聞こえない声みたいですけど…ワーム様、リアナさんにも聞こえるように話していただけないでしょうか?」


「こっちの女はリアナって名前か。可愛くって食べちゃいたくなるね」


(これはドラゴンジョークなのか?)なぜか、まだ命の危機が全然去った気がしなかった。リアナさんも今の言葉は聞こえたらしく、困った表情で無理やり微笑んでいた。


「先ほどの会話から、私がこの鏡を盗むのではないかとお疑いになっていたものと承知しております。ですが、私たちはワーム様とお話ししたくて、ここに来たのです。もう元の場所に戻しますね」 リアナさんは鏡を元の場所に戻そうと、また隙間に入ろうとしていた。


「それなら我は後で戻すとしよう!話があるなら、喜んで聞こう!その間、鏡を使って構わん!もう何百年も会話していない。我が姿を見せれば、遠くにいる人間に見られる可能性があるからな。だから、鏡を使って話すがよい」 リアナさんはドラゴンの言葉を聞いて、少し安心した表情になったが、まだ緊張していた様子だった。

「それで、話というのは何だ?この悠真という幽霊についての話かな?」


「はい。悠真さんについてお尋ねしたいことがあります。悠真さんは異世界でお亡くなり、幽霊としてこの世界に来たと聞いています。蘇生してあげたいのですが、お身体が異世界にあるためか、それが叶わないのです。」 その説明を聞いて、ドラゴンはまた俺の方に顔を近づけた。ゆっくりと俺を見つめた。匂いなんてないはずなのに、ワーム様の鼻がクンクンと動いていた。


「なるほど。異世界か。本当に珍しいものだな」


「ワーム様は異世界からお越しになったと、神話で伺っております。何か方法があれば、悠真さんのお身体をこちらへお呼び寄せることは可能でしょうか?」


「お前が我の生贄になってくれるというなら、悠真を蘇生してやってもいいが?」 ドラゴンはリアナさんにそう言った後、彼女の絶望した顔を眺めていた。


「それ以外の方法はないですか?」 彼女が尋ねた。本当にその条件を受け入れるつもりのようだった。


「俺はその条件なら、蘇生なんて断る!!誰かを犠牲にしてまで生き返りたくない!それで生き返ったって、俺はこの世界で独りぼっちになるし!」 勢いで断った。


「ほほほ、人間は本当に冗談が分からない生き物だ。我には蘇生の力などない。覚悟を試してみただけだ。」 ドラゴンはお茶目な感じで俺たちにウインクしてた。


「俺の覚悟か、それともリアナさんの方だったか?」


「どうでしょうね…」 ドラゴンは意味ありげに答えた。

「でも、一時的な合格としましょう。」 それを聞いて、リアナさんの顔が少し柔らかくなっていた。


「それで、お力をお貸しいただけますでしょうか?」


「そうだな、お前たちに道を示そう。とりあえず、一緒に移動するとしよう」 そう言ってワーム様は炎を吐き出した。その炎が俺たちの周りに魔法陣を描いていた。その炎の魔法陣が一瞬で激しく燃え上がったと思ったら、次の瞬間には消えていた。周りを見渡すと、俺とリアナさんとワーム様は、道以外には何もない場所に立っていた。


「ここは聖なる地。我一人では世界を渡ることはできん。ここでお前たちは、その力を手に入れることができる。試練というよりは儀式だが、試練に近いものだ」

 ドラゴンは俺たちに向かってニヤニヤした。

「うまくいかなければ、二人とも消滅してしまうかもね」


第33話、いかがでしたか?


応援よろしくお願いします!


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