反省会
―――監督さん、バスが到着しましたよ。
バスの運転手のおじさんが、優しく金子に声をかけた。
「うーん……あれ、寝てしまってましたな」
「おーい。皆、着いたぞ起きろー!」
―――金子の大きな声に、駅伝部員は目を覚ました。
「今から、格技場で反省会やるぞ」
―――眠そうな目をこすりながら、
駅伝部員は格技場に向かった。
「よしっ!集まったな。早速、反省会を行う」
「それじゃあ今から配る、紙に、
5分間で記入をしてくれ」
―――その紙は、ノート1枚程のサイズで、
良かった事・悪かった事・今日の感想の、
3つの欄があった。
「配り終わったので今から5分間、書いてくれ」
―――駅伝部員は一切に、書き始めた。
「私の良かった事は、前半から積極的に行った事、
でも、それでへばってしまったので、
入りの1kmのペースはもう少し抑えた方が良いと思った。
前半から力も入っていたし、
リラックスして力を抜きながら走るべきだった」
―――葵の振り返りは具体的だった。
このように、自分の良かった事や、悪かった事を、
振り返る事によって、
課題や長所を、探すのが狙いである。
「よーし!5分経ったぞ!それじゃ回収!」
えー。もう時間か……
全然書けなかった。
―――そんな声がちらほら聞こえる。
「それじゃあ、この紙を参考に、
明日から、1人、1人、面談を行なっていきます。
今まで、皆と、1対1で話した事も殆ど無かったし、
もっとお互いの事を知っていきたい。
お互いが色々意見したり、考える事で、
チームとしてもっと成長すると思うんだ」
「そしてこれからはミーティングも増やしていく。
もっと優勝する為に、具体的に取り組む必要があるし、
もう一段階強くならないと、
浜平中には敵わないと思う。
県大会までの1カ月でもっと成長していこう。
絶対、優勝するぞ!」
おぉっ!!!
「それでは今日は本当にお疲れ様でした。
明日と明後日は疲労を抜く為に、練習は休みで、
先程も言ったように面談を行う。
放課後また宜しく頼む。
面談の順番は明日の朝、紙で宮森に渡すので、
宮森から受け取ってくれ」
はい!
「それじゃあ解散」
―――リキはすぐ動き出して校門を出た。
「今日は疲れた。帰ってすぐに寝たい……」
―――リキは小走りで帰っていたが、
後ろからも足音が聞こえた。
リキ……君!
―――足音の正体は葵だった。
「どうしたの?」
いやさ。あの……。
今日の私の走りどうだった?
「正直に答えた方が良い?」
うん。
「最初から飛ばし過ぎ。1kmの通過が3分10秒だったけど、
1kmのベストと同じ位のタイムで走ったら、
そりゃへばると思うよ」
だよね……
あのさ。私と秘密の特訓しない?
「秘密の特訓?」




