地区大会が遂にスタート!!!
待ちに待った、地区大会当日を、
中乃崎中駅伝部は迎えた。
今日の、天気は快晴で、雲1つも無い天気だ。
10月とは言え、少し暑くなる事が予想される。
朝、早くから学校に集合すると、
バスで、開催場所まで、向かう事になった。
男女で駅伝部は76人いるので、
バスは2台だ。
メンバーは同じバスに乗っている。
本番当日と言う事もあって、
少し緊張感が漂うが、
話をしたり、音楽を聴いて、リラックスするメンバーが、
いる等、それぞれと言った感じだ。
リキの隣には、小田が座っている。
「なぁ、小田、緊張してるか?」
そりゃ緊張はしてるよ。でもな、やってやろうって気分よ。
1区の金口先輩なら、得意のストーカー戦法で、
確実に上位で襷を繋いでくれるはず。
そこで俺の2区の区間で差を詰めて、
一気に先頭に出てやる。
「流石だな小田。今までやった事を出そう。
俺も全力でサポートする」
おうよ!
―――リキは小田が頼もしく見えた。
―――出発してから15分程経った後、
監督の金子から紙が配られた。
「今日のレース展開、プランはその紙に書いておいた。
まず、男子は1区の金口で流れを作り、
2区で先頭との距離も詰める。
3区以降もウチは力があるのでどんどん攻め、
アンカー宮森は先頭でゴールしするのが理想だ」
「女子は1区のエース清水が先頭で襷を繋ぎ、
そこから粘り、アンカーの葵で離して、
先頭でゴールして貰いたい」
「全国を狙うからには、ここで優勝は絶対にしないとな」
はい!!!
―――雰囲気は最高だ。
―――そして中乃崎中駅伝部を乗せた、
バスは開催場所に到着した。
「ここが開催場所だ。
男子は3km、女子は1区とアンカーが3km、他は2kmだ」
―――アップダウンは殆ど無く走りやすいコースだ。
「じゃあ、荷物を持って、会場へ行くぞ」
―――会場へ行き荷物を運び、場所を確保した。
「現在の時刻は7時14分。女子のスタートは9時からだ。
男子は女子の最下位のチームがゴールして、
20分後がスタート時間になる」
―――メンバーはユニフォームにゼッケンを付け、
準備万端。後は1時間前位にアップを済ませ、
いよいよスタートだ。
「リキ、ちょっといいか?」
はい。監督。
リキにはトランシーバーの仕事をやって貰う。
1kmの通過地点に立って貰って、
レースの状況を報告して貰う。
「はい。分かりました」
―――メンバー外の者も役割が与えられ、
チーム一丸で戦う、それも駅伝の1つ。
―――そしてアップも終わり、
スタート15分前になった。
「それじゃあ。行ってきます」
―――3年主将の清水がそう言い、
スタート地点に向かった。
―――沢山の学校が3列程作りながら並んでいる。
―――そしていよいよ。5、4、3、2、1……
―――オンユアマーク!パーン!!!
―――レースが始まり、一斉にスタートした。
スタートから清水が飛び出したが、
人も多く、中々抜け出せない。
しかし徐々に人混みが落ち付いてくると、
先頭手段に清水は着いた。
「私の3kmのベストは、9分55秒。1区のランナーで、
10分を切ってるのは私だけ。
前半から行く」
―――500m位を走った後に
先頭手段から清水は抜け出した。
―――誰も清水には着いていけない。
―――そして1km地点。
リキがタイムを呼び上げる。
3分10、11、12、
3分12秒!!!
―――リキの大きな声に清水は頷いた。
―――1kmを過ぎてからは、少しだけスピードを落とし、
ラスト1kmに備える。
―――2kmの通過は6分32秒。
「ラスト1kmここから上げる」
―――清水は懸命に腕を振り、
2走に独走で襷を渡した。
―――タイムは9分48秒。
「腕時計を見て、7秒の自己ベスト更新に、
清水はガッツポーズをした」
―――結局、清水は2位から20秒も離す好走。
―――その後も中乃崎中は先頭を守り、
5区のアンカーの葵に襷は繋がれた。
―――2位とは、51秒差。
「よしっ!この繋いでくれた襷を先頭でゴールさせる。
そして、今の差をもっと広げてやる」
―――葵は前半から飛ばした。
「今日は体も軽い、良い調子。どんどん行っちゃおう」
―――葵は1kmを3分10秒で通過した。
葵、ちょっと早いけど!この調子!
このまま行け!
―――葵はリキの言葉に笑顔で頷いた。
「少し早過ぎたな。でもこのままでいい。腕を振れ」
―――気持ちとは裏腹にスピードは落ちてきたが、
ラスト1km。
「ヤバイ。腕が重い。振っても振っても重さを感じる。
でも、ここからが成長するチャンス」
―――しかしスピードはどんどん落ちて行った。
「こんなはずじゃ無いのに……」
―――思考がどんどんネガティブになる。
「なんで」
―――自分を否定したくなる。
「やっぱり本番じゃ結果を出せないの!?」
―――そんな時だった。
葵、下を向くな!前を向け!!!
ゴールまで後少しだぞ。
―――聞こえてきたのはリキの声だった。
―――アンカーの葵が通過してから、
ゴール地点の近くに待機していたのだ。
「よしっ!」
―――少しだけ、葵の表情が明るくなると、
葵は懸命に腕を振った。
「動け足。動け。動け。そして腕を振れ。振れ。振れ。」
―――葵は懸命に腕を振った。
「後、少し、あそこがゴール」
―――そして葵は先頭でゴールをした。
―――ゴールの直後にメンバーがやってきて抱き合った。
葵、お疲れ様。
「ごめんなさい。清水先輩。不甲斐ない走りで」
―――葵は泣きそうになった。
そんな事ない。確かにタイムは良くなかったかも
知れないけど、前半から積極的に行った事は、
今後に繋がるはずだよ。
県大会でリベンジしてやろうよ。
「はい!!!」
―――葵の3kmのタイムは、10分52秒だった。
―――女子は無事優勝で県大会出場決定。
―――そして、次は男子のレースが始まる……!




