勇者パーティの顛末
勇者パーティは、一人を欠いて王都に戻ってきた。
出迎えたイレーナは、憤怒の形相で悔し涙を流した。
あまりの口惜しさから、その後二日ほど寝込んだらしい。
今回は自分の人選だ。
悔しさも飲み込むしかない。
チェルシーは後ろ髪をひかれつつ、帰還した。
自分も男に戻れるなら、魔法をかけて欲しかった。
しかし自分までお師匠様を裏切ったら、大変なことになるだろう。
聖女の訓練が、騎士の鍛錬並みに厳しいものに変わるかもしれない。
少しでもイレーナ様のお心を安んじて差し上げなければ。
これからの聖女見習のためにも。
ウルスラとエリスは、もう今後一切勇者パーティには参加しないと宣言した。
無駄足ばかりさせられて、馬鹿らしくてやってられないと言う。
確かにその通りだとイレーナも納得し、今後は違うメンバーを探すことにした。
イレーナは何度打ちのめされても、めげない。
執念深いたちなのである。
愛弟子のチェルシーを伴い、王国中を討伐メンバー探しに回っている。
腰痛は、怒りのあまり吹っ飛んだらしい。
一方、魔王城はと言えば、
「人族の国から来るものは、ろくでもないものばかりだ。
結界を今まで以上に強化しよう。
ちゃんとバックアップ電源も用意して。」
女に戻してもらえたレオナード改めレオノーラは、元気よく魔王城で働いている。
下働きも苦にならない。
魔族にも角さえ気にしなければ、レオノーラ好みのいい男がいるのである。
ときどき魔王城唯一の人族、アルクというおっさんが声をかけてくるけど、年寄りは論外。
ここは鍛錬もないし、本当に幸せだわ。
この惑星アサーテが一時滅亡の危機にあったことを誰も知らない。
今日も人々は惑星管理官の見えない努力のおかげで、平和に暮らしている。




