第6話 初めての戦闘②
「一旦、引こう!距離をとるんだ!」
ロープでゴブリンを健治から引き離し、正樹が言った。
4人は一斉に第一倉庫の方へ向かう。
「裕也、ゴブリンのこん棒収納してくれないか?」
第一倉庫へ走りながら正樹が裕也へ頼む。
「やってみる」
裕也がゴブリンへ振り向き、「収納」と唱える。
「出来ない?距離の問題なのか、あいつが持っている状況だと駄目なのかも」
「分かった。取り敢えず、スライムのスピードは遅いみたいだから、先にゴブリンをやろう!第一倉庫におびき寄せて、スライムと分断しよう」
「「「了解」」」
4人は第一倉庫のドアへ入る。
「裕也、入ってきたらドア閉めてくれ!」
「あいよ」
「健治はさっきと同じで注意を引いてくれ」
「おう」
「京子は俺と一緒にロープ持ってね」
「おけ」
「来るぞ!」
ギャギャ!
ゴブリンが倉庫に入ってくる。
「閉めろ!」
・・・ドス!
先ほどと同様に作戦通りに倒す。
「よし!うまくいった、けどこん棒も消えちまったな。」
今回は収納を行わずに、ロープで倒れたところを剣でとどめを刺したのだ。
小石だけが残り、こん棒はゴブリンとともに消えた。
「裕也、さっき収納したこん棒って取り出せる?」
「こん棒!」
カラン
こん棒が出てくる。
「出来た。まだ正確なルールみたいなのは分かんないや。けど収納されてたのは分かってたから、今後検証必要だね」
「そうだね。敵が持っている武器はダメで、落としたものならいけるってだけでも十分使えるよ」
正樹と裕也が検証を済ませる。
「後は、外のスライムだけだね。液体とか飛ばされたら嫌だなぁ」
京子が外を気にする。
「よし、このブルーシートで囲んでから、剣で仕留めよう」
正樹が備品置き場からブルーシートを持ってくる。
「じゃあ、ドア開けるよ」
裕也がドアノブを掴む。
「居た!少し離れてるとこに居る」
「よし、外でやろう」
正樹の言葉で4人とも外へ出る。
「最初にこのブルーシートで跳ねないように抑え込もう」
「「「了解」」」
4人は片手に武器(道具)、片手にブルーシートを持ち、スライムを両側から抑え込みに行く。
バサ!
「よし成功!」
「ねぇ、スライムのところ見て!」
京子が叫ぶ。
ジュウ・・・
ブルーシートの真ん中が溶け始める。
「スライム定番の溶解液みたいなやつか!健治、剣で突き刺せ!」
「任せろ!」
正樹が健治に指示をする。
ザン!ザン!
2回ほど刺したところで、スライムが動かなくなる。
ブルーシートの真ん中の穴が開いていたところから黒い煙があがる。
「やったみたいだね」
「やったね!」
裕也がホッとし、京子が喜ぶ。
=告知、スキルを習得しました=
「え?」
「ん?」
「お?」
裕也を除く3人が同時に声を上げる。
「女性っぽい声聞こえた?」
「「「うん」」」
「なんて?」
「スキルを習得しましたって」
正樹が答える。
「ステータスオープンって言ってみて!」
「「「ステータスオープン!」」」
【名前】 山岸 健治
【レベル】 1
【経験値】 3/20
【体力】 14
【魔力】 1
【攻撃力】 4+5(錆びた剣)
【守備力】 4
【知力】 2
【器用】 4
【敏捷】 1
【スキル】剣術士1、錬金術1
・剣術士
片手剣、盾の扱いに長けている。
・錬金術
錬金術が使用可能。
レベル1:鉄までの錬成が可能。
【名前】 武田 正樹
【レベル】 1
【経験値】 3/20
【体力】 10
【魔力】 6
【攻撃力】 3
【守備力】 2
【知力】 4
【器用】 2
【敏捷】 2
【スキル】賢者の心得1、鑑定
・賢者の心得
幅広い魔法を習得することが出来る。
レベル1:ヒール(対象一人を10回復)/キュア(対象一人の毒を治す)
・鑑定
様々なものを鑑定することが出来る。
【名前】 河合 京子
【レベル】 1
【経験値】 3/20
【体力】 10
【魔力】 5
【攻撃力】 3
【守備力】 2
【知力】 3
【器用】 3
【敏捷】 3
【スキル】弓術士1、火魔法1
・弓術士
弓の扱いに長けている。
・火魔法
火魔法が使用可能。
レベル1:ファイアボール