第12話 本番の始まり
「思ったより難易度は高くなかったね」
「実際の戦闘なんて不慣れだから、もっと苦戦すると思ってたな」
初めてのダンジョン探索を終えた裕也と健治が話す。
「そうだね。アーチェリーやってて本当に良かった!」
京子も持っていたアーチェリーを掲げる。
「この調子で明日も攻略していこう。但し、安全第一だからね!無理せずに!」
「「「おーけー」」」
「じゃあ、明日も朝集合でよろしく!」
4人は解散した。
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「ただいまー」
「「おかえりー」」
裕次郎と由美が裕也を迎える。
「どうだったんだ?」
「予想通りダンジョンだった。ゴブリンとスライムがいたよ。今のとこ苦戦もせずにレベルとスキルを成長させることが出来た」
「ほう、やれるもんなんだな」
「周りはどう?ゴブリンとかの被害とか?」
「ぼちぼち、騒がられ始めてるわよ。テレビでも特集されてたわ」
「地上での被害が増えてるんだね」
「自衛隊も動いてるみたいで、この連休はなるべく外に出ないようにってさ」
「このままモンスターが増えてくと、どうなってくんだろうな・・・この世の中」
「親父、お袋、明日もダンジョン行こうと思ってる。でね、やっぱり、経験値を得ることによって、ステータス、スキルを成長させることが出来る。この先、生きてく上で必須になってくと思うから、一緒に行こう」
「お、行ってもいいのか?」
「うん、親父にも強くなってほしいしね!」
「いつにする」
「明日も俺たちで行ってくるから、状況次第だけど、明後日とかかなぁ」
「よし、俺も周りに話してみるわ。みんな心配になってるころだしな」
裕次郎が参戦も決まり、やる気になっている。
夕食を食べながら、今日のダンジョンでの戦闘方法や、新しいスキルの説明、必要なものなどを裕次郎と由美に話した。
そして、世間がモンスター出現により、騒がしくなってきた2日目。
二回目のダンジョン挑戦が始まる。
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「おはよう、今日もよろしくね!」
「「「頑張ろう!」」」
4人が集まった。
「まず、武器配布しまーす」
裕也が昨日入手し、使用していた剣、槍などをアイテムボックスから取り出す。
「いよいよ、地上のモンスターも多くなってきたみたい。明日からは親父とかにも、参加してもらおうと思ってるんだけど、いいかな?」
「いいと思う。いつモンスターに襲われるか分かんないし、これからどれくらい増えるかも分からないもんね。一度は戦闘を経験して、スキル入手した方が生存率も変わってくるし」
裕也の相談に正樹が答える。
「私の妹も連れてきていい?アーチェリーやってたし、何してるか話したらやる気になってるのよね」
京子には綾子という妹がいた。妹もアーチェリーの実力者で、界隈では姉妹で有名であった。
「遠距離で戦えるのは序盤では最強だと思うから、是非連れてきてよ」
「分かったー、明日来れるか聞いてみるー」
京子が携帯で、メールを打っている。
「俺の周り誰か来てくれるかなー?おっさんばっかなんだよなぁ・・・」
「まぁ、まだ無理に誘う必要ないと思うよ、危ないし、ある程度戦えるような人じゃないとね」
「そうだよなぁ、無理して誘う必要ないよな」
「うん、親父も周りに聞いてみるって言ってたから、明日は、親父と京子の妹と、数人って認識でいよう」
「大人数での戦闘パターンも考えておくわ。多分、俺らの中でちょっと分かれるかも」
「おーけー、宜しく頼むー」
4人は明日の打ち合わせを軽くすませ、いよいよ、ダンジョン3階層を目指す。
昨日同様、ゴブリンやスライムを相手にしつつ、無難に戦闘をこなしていく。
「昨日よりも早く倒せるねー」
「連携の良し悪しとかあるんだろうけど、ステータスも上がってるから楽勝だな」
京子と健治がモンスターを倒しながら話している。
「気をつけろよー、そういうときが一番油断するんだから。もしかしたら蘇生に関する、魔法やアイテムとかあるかもしれないけど、現状は何もないんだからねー」
「「はーい」」
2人は正樹に注意され、苦い顔をしている。
「よし、3階層の階段だ。気を引き締めて行こう!」
4人は3階層へ続く階段を降りる。
3階層は今までの迷路のようなものではなく、天井も高く、荒野のようなエリアへと変わった。
「うわー、どんなモンスター出てくるんだろ?」
京子が天井を見上げて言った。
「いる!」
健治が気付く。
前方から、骸骨が歩いてくる。
「スケルトンか!思ったより序盤にでてくるんだな」
正樹が鑑定を行い、モンスターを特定。
「剣と盾持ってる・・・ゴブリンのこん棒と比べて迫力あるな」
「ね、けど、最初の駐車場で見たゴブリンは剣持ってたはずから、この先剣持ちのゴブリンも出てくるはずだよ」
「裕也、バインドお願い」
「オーケー、バインド!」
スケルトンが魔法の鎖により、拘束される。
「ナイス、仕留める!」
健治が剣で頭部を叩く。
バキ!
スケルトンの頭部が破壊され、倒れる。
黒い煙とともに消え、魔石だけが残った。
「意外と硬かった!京子の矢通らないかも。」
「えー?どーやって戦ったらいい?」
京子が正樹に困惑した表情で聞く。
「物理に強かったら魔法に弱いパターンもあるし、色々試してみようか?」
ガチャ、ガチャ
その時3体のスケルトンが近づいてきた。
「やば!多い!」
健治が叫ぶ。
「京子!右のやつにファイヤボール!裕也、左のやつにバインド!俺は真ん中やる!」
京子がファイアーボール、正樹がサンダーボルトを放ち、裕也がバインドで拘束する。
「あ!」
京子のファイアーボールが盾ではじかれる。
正樹の魔法で真ん中のスケルトンは動けなくなっている。
「よし!あいつは俺に任せろ」
健治が向かってくるスケルトンに立ちはだかる。
「京子と裕也は真ん中に物理で攻撃してみて」
「「おっけー」」
健治は盾でうまく攻撃を受け、剣で腕を砕き、頭部にとどめをさす。
「終わり!」
「こっちも終わったよー」
「こっちもー、サンダーボルトだったら一発っぽい」
「弓矢は刺さんなかったー。ちょっとショック」
「槍は刺さるから、盾をうまくかわせればなんとかなりそう」
4人は感触を確かめあう。
「ちょっと、ゴブリンとスライムとは難易度違うね。魔法も使っていかなきゃ戦えなさそう。
なるべく、細かく指示は出してくけど、危なかったら自分で危険回避してね」
「チュートリアルは2階層で終わりってことだね。こっからが本番か」
「マッピングも難しそうだから、4人で視野を広くとって、なるべく後手にならないように進んでいこう」
「「「おーけー」」」
複数のスケルトンとの戦闘で4人は容易な戦闘だけではないことを再認識した。
そして、この3階層にはスケルトン以外のモンスターもいる。
この先、より複雑な戦闘を繰り広げていくことになるのであった。




