紫色の魔物騎士
更新遅れましたm(_ _)m
二章二十三話更新!!
淳也は目の前の光景を見て、自分が泊まるはずだった宿に向かった。すると多くの騎士達が村人達を守るために、近づいて来る魔物達を剣で斬ったり、槍で貫いたりしていた。
優樹菜の『騎士道物語(story of knight road)』か…相当切羽詰まってるな
そこで淳也は、見知った騎士を見つけたので優樹菜の居場所を聞いた。
「アーサー、優樹菜はどこだ?」
淳也の声に振り向いたのは、黄金の甲冑を着た金髪碧眼の美丈夫だった。
『淳也殿か、主は中心で傷を負った者の手当てをしておられる』
「そうか…じゃあ俺は」
「淳也さん!!」
魔物達の中に突っ込もうとした淳也は、ルウェイの叫び声に引き止められた。そして、その姿を見て淳也はルウェイに駆け寄った。ルウェイは、顔をぐちゃぐちゃにして泣いていた。
「どうした、ルウェイ」
「カエシスが…カエシスが…うぐっ…うぇ…」
「落ち着け、カエシスがどうしたんだ」
ルウェイはある方向に指を指した。そこでは習ったばかりの魔力操作でドーム状のシールドを張って小さい子供達を守っていた。
「なぜ優樹菜は騎士を向かわせないんだ、アーサー!!」
『主には今、余裕が無いのだ。他の魔術師もこれだけ魔物の数が多いと、救出に向かえぬ。まして調査隊だ、魔導騎士クラスとはいえ攻撃に特化していぬ者を向かわせてもあの人数を守り抜くのは酷だ』
淳也はそれを聞いた瞬間に駆け出した。カエシスの所までの道程にいた魔物は焼き払って。この時、淳也は雷速で移動出来なかった。魔物の数が多すぎたのだ。焼き払っても焼き払っても、すぐに空けた道が閉じてしまう。ましてや広範囲魔術などを使っては、カエシスをも巻き込み本末転倒である。
「クソッ、数が多い…!!」
パキッ…
淳也の耳に聞きたくない音が響いた。カエシスのシールドにヒビが入り、次の瞬間砕け散ったのだ。魔物の顎がカエサルに迫り、そして……
☆☆☆
淳也はカエシスを優樹菜に任せた後、騎士団が囲む円の外に出た。
「こんなに肝が冷えたのは久しぶりだ…」
魔力が枯渇しかけて倒れたのが、命を救ったな…
魔物はこの世界の王都がある場所から来ているようだった。
「王都とやらが陥落したか?でも何チャラ騎士が集まってる、ってルウェイは言ってたよな…」
淳也は歩きながら独り言を言っている。
「王都の方角が分かったんだから、一人で行くか…いや」
歩きを止めると淳也は、魔物の隊長格であると思われる紫色の甲冑を着た、騎士に似ているが甲冑の隙間は黒く変色した魔物の前に立った。
「よぉ、お前がこいつら仕切ってる奴か?」
「いかにも、我こそは魔王軍第七大隊の小隊長、ベリアルである」
ベリアルと名乗った魔物は腰にある剣を抜き放ちながら言った。剣の色も紫色である。
「そうか、なら殺しても文句はねぇな…俺は今、弟子がお前の部下に殺られそうになって不愉快なんだ」
「余程の自信があると見る…まあ、良い。我を倒せばここの魔物は塵になる…」
「へぇ、そうなのか。ご親切にどーも…」
淳也は手元に魔力の刀を二本創り、右半身を後ろに引いて構えた。それを見たベリアルという魔物も剣を目の横に構えた。
☆☆☆
ルウェイは淳也が戦うのを見て不安が一気に募った。淳也の強さはスパイダー殲滅の時に見ているが、やはりベリアル相手では、と思ってしまう。
な、何か…何かしなきゃ!!
とはいえルウェイは魔力操作しか知らない。以前淳也に珍しい魔力の色だとは言われたが、どうしようもない。ルウェイが焦っているところに全員の治療を終えた優樹菜が歩いて来た。優樹菜はルウェイの顔を見て笑いながら行った。
「大丈夫よ。あいつはルウェイが思っているほど弱くないわ」
「でもベリアルの能力は恐ろしいんです!!」
ルウェイの必死の顔を見て何かを感じ取った優樹菜は理由を聞いた。
「ベリアルは魔物の上位種で固有呪法という能力を持っていて、ウィザードに対する絶対的な能力を持っている事で知られています」
「その能力って?」
一泊置いた後、ルウェイはその能力名を言った。
「魔力無効果能力です」
優樹菜がそれを聞いて淳也を見たのと、淳也が魔力の剣ごと袈裟切りされたのは同時だった。
☆☆☆
「かはっ!!」
淳也は切られる瞬間に身体を捻りダメージを軽減した。しかし傷口からは血がドクドクと流れている。
「どうした人間。最初の威勢はどこにいった?」
「ハッ!!これからだっつの」
今のは魔術無効化か?どんでもないのを持ってやがるな…
「事象形成、『誓約・極光の神槍』」
淳也の手に虹色の投擲槍が現れる。それを見たベリアルは再び剣を構えた。そしてまた淳也とベリアルの乱舞が始まった。
楽しんで頂けたら幸いです( ̄∇ ̄)




