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学生魔術師物語  作者: マンボウ
魔神復活編
10/32

プロローグ

二章開幕です!!

 魔術で創られた空間に、一人の少年と一人の少女がいた。

 「お前に魔術を教えて一年になるが、これほど才能がないとは……」

 少年、滝川淳也が呆れの混じった声で言った。それに言い返したのは、全身ボロボロの少女、後藤有紗である。

 「う、うるさいわね……固有魔術が使えないだけで。あんたの方こそ、どれくらいの間で固有魔術を習得したのよ。」

 「3日間で一通りの魔術は習得した。固有魔術は四日間位かな。」

 「………」

 有紗は呆れて何も言い返せなかった。

 「ま、少なくともお前みたいに十日もかかってねぇよ(笑)」

 淳也に笑いながら言われて腹が立ったのか、有紗は淳也に雷撃魔術を連発した。

 しかし、

 「ほいっと。」

 淳也の腕の一振りで掻き消されてしまった。

 「ったく、八つ当たりしてないで早く固有魔術が発現するまで、集中しろ。固有魔術と一人の王の推薦がなきゃ、魔導騎士には、なれないんだから。」

 淳也が愚痴を言っていると、空間が歪み一人の金髪翠眼の少女、長谷川優樹菜が入って来た。

 「よー、頑張ってる?」

 淳也は優樹菜が入って来たのを見ると、消滅魔力で創られた槍を十本放った。

 ドスドスドスドスドスッ…………!!

 「何故いきなり!?」

 優樹菜が疑問符を浮かべると、淳也は言った。

 「一年前、お前に破壊された携帯の弁償がまだなんだが。」

 「そんな事、気にしなくていいじゃない。」

 有紗がそう言うと、

 「そうよ!!いきなり消滅魔力の槍は、酷いんじゃない!?」

 優樹菜も便乗して言った。

 「で、固有魔術は発現した?」

 淳也は話を逸らされて、ため息をつきながら言った。

 「まだだ。なんでこんなに発現が遅いんだ?」

 「う~ん、私の時は六日間で発現したし、何かヒントが………あっ!!」

 淳也は黙考していたが、優樹菜の叫び声?により一時黙考を中止した。

 「どうした?」

 「うん、そういえば礼司がね、結界に関係があるんじゃないかって、言ってたのを思い出して……」

 ……………そうかっ!!

 「おいっ、後藤!!」

 「何よ……」

 「頭の中に結界を壊すイメージをしてくれ!!」

 わかったわよ、と有紗が言い目を閉じた瞬間、三人がいた空間がガラス細工の様に砕け散った。

 「あれ?風景変わってるけど、これって……」

 そこは大きな日本庭園の中だった。有紗は目を開けて首を傾げている。

 「おいおい、この空間創ったの優樹菜の固有魔術だぞ……それを砕きやがった……」

 「凄いじゃない!!」

 優樹菜は有紗に抱きついていた。しかし、

 「やっと見つけた。」

 その声により緩んでいた空気が引き締まった。

 「そこの木の裏にいるのはわかってる。さっさと出てこい。」

 淳也が一本の木に向けて言うと、木の裏から一人の少女が出て来た。

 「私は幻魔教団のエリカ・マレウスと言います。後藤有紗さん、あなたをお迎えに上がりました。」

 幻魔教団か……

 「後藤、知り合いか?」

 淳也が有紗の方を向いて聞いた。

 「そんな人知らないよ。」

 有紗は困惑していた。

 「幻魔教団は有紗さん、あなたのその結界破りの力が欲しいのです。」

 やはり……結界破り?

 「お前ら、今度は何を企んで」

 「そんな事は後でいいから、あいつを捕まえよう。」

 淳也の言葉を遮り、優樹菜が駆けた。しかし、

 「本当は拉致するつもりでしたが、今回は引き上げます。王二人に私だけでは適いません。」

 そう言うとエリカ・マレウスと名乗った少女は、雷速で逃げて行った。優樹菜はそれを追おうとしたが、淳也が止めた。

 「待て、先に円卓に行き、報告するのが先だ。」

 それに優樹菜は、しぶしぶといった様子で同意した。

 「幻魔教団、何を企んでやがる。」

 淳也の独白は近くにいる二人にさえ、聞こえなかった。

 

誤字や脱字があれば、教えてくれると助かります!

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