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第二十二話 政治
数日後、神谷は再び城山に呼び出された。
上司・城山本部長は、扉を閉めた執務室の中で、唐突に言った。
「神谷」
その声は、いつもの柔和な上司のそれではなかった。
「我々警察官僚がやってるのは、“政治”なんだよ」
神谷は、思わず言葉を失った。
「正義だの、法の下の平等だの――そんな理想を掲げたって、現実は動かん。
この国の中枢を動かすには、時に“正義”よりも、“駆け引き”が先に来る。
それが今の日本だ。いや、世界だ」
城山は机の引き出しから、銀色の細長いスティックを取り出した。
電子タバコだった。
火は点けず、ゆっくりと吸い込む仕草だけをした。
芳香だけが室内に漂った。
神谷は、思わず唇を噛んだ。
言いたいことはあった。
だが、今それを言えば、すべてが壊れる気がした。
言葉の先にある怒りと葛藤を、
ただ静かに押し殺すしかなかった。
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それからしばらくの間、室内は沈黙に包まれた。
唯一、電子タバコの淡い光が、机の上に瞬いていた。




