小話.煌3
扉を開ければ、このモヤモヤした何かが分かるんじゃないかと思った。
槐とヒナタが居ると度々ざわつく何か。
だけど三人で居ると落ち着く居心地さ。
三人で良いじゃないか。
三人で――――――。
光の粒が弾ける中で、槐と視線が絡み、音がない言葉が口から紡がれている。
あぁ、そうだ……あの夢は……。
「僕、気になってる人がいるんだ。初めてなんだよ、こんなの……ねぇ――――協力してくれない?」
「へぇ~女子なんかうっとおしいとか言ってたお前がな~! 良いぜ! 協力してやるよ!」
「本当にいいの? ――――約束だよ」
あの約束は今も有効なんだろう。
何だよ、それ……三人どころか俺、進めないじゃん。こんなに、気になっちまってんのに――――朔の言ってた事が本当になっちまった。
それに、俺は自分の役割を思い出し始めている。
封印の解放を止めに来た朧。
俺はこいつを知っている……こいつが、俺と槐の力に関係しているからだ。
全てはヒナタを助けようとした所から、俺達の物語は始まっている。
あの夢は今までの記憶そのもので、最後の叫び声は……俺。
ヒナタが黒い影に連れていかれそうになった所を、走りながら叫んで、槐と一緒に引き剥がしたまではよかったけど、代わりに俺達がのまれた。
暗い空間に投げ出され、そこに居たのが朧。
何もない中で色々聞いて……すぐに決断しなきゃならなかったけど、槐は即決して元の世界を捨てた。
「僕がやる」
「――無理……だな。お前はあの世界に適性がない」
槐の決意に黙っていられなかった。
だから、俺は――――――。
「じゃあ、俺もやる。俺になら、あるんだろ? ただ、コイツ並な強い気持ちはない……二人なら、有りだろ」
お互いに足りない部分を補って、俺達は二人で封印の楔になった。
一つは記憶を代償に、二人が揃わないと開かない扉の番人。
もう一つは存在を象徴するモノを使って封印した。
そうだ、俺は――――――――――“煌”じゃない。




