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黄昏の箱庭  作者: 天音凛
第三章・煌~対なる扉、想いの狭間で君を待つ~
89/133

小話.煌3

 扉を開ければ、このモヤモヤした何かが分かるんじゃないかと思った。

 槐とヒナタが居ると度々ざわつく何か。

 だけど三人で居ると落ち着く居心地さ。


 三人で良いじゃないか。

 三人で――――――。


 光の粒が弾ける中で、槐と視線が絡み、音がない言葉が口から紡がれている。

 あぁ、そうだ……あの夢は……。


「僕、気になってる人がいるんだ。初めてなんだよ、こんなの……ねぇ――――協力してくれない?」

「へぇ~女子なんかうっとおしいとか言ってたお前がな~! 良いぜ! 協力してやるよ!」

「本当にいいの? ――――約束だよ」


 あの約束は今も有効なんだろう。


 何だよ、それ……三人どころか俺、進めないじゃん。こんなに、気になっちまってんのに――――朔の言ってた事が本当になっちまった。


 それに、俺は自分の役割を思い出し始めている。

 封印の解放を止めに来た朧。

 俺はこいつを知っている……こいつが、俺と槐の力に関係しているからだ。

 全てはヒナタを助けようとした所から、俺達の物語は始まっている。

 あの夢は今までの記憶そのもので、最後の叫び声は……俺。

 ヒナタが黒い影に連れていかれそうになった所を、走りながら叫んで、槐と一緒に引き剥がしたまではよかったけど、代わりに俺達がのまれた。

 暗い空間に投げ出され、そこに居たのが朧。

 何もない中で色々聞いて……すぐに決断しなきゃならなかったけど、槐は即決して元の世界を捨てた。


「僕がやる」

「――無理……だな。お前はあの世界に適性がない」


 槐の決意に黙っていられなかった。

 だから、俺は――――――。


「じゃあ、俺もやる。俺になら、あるんだろ? ただ、コイツ並な強い気持ちはない……二人なら、有りだろ」


 お互いに足りない部分を補って、俺達は二人で封印の楔になった。

 一つは記憶を代償に、二人が揃わないと開かない扉の番人。

 もう一つは存在を象徴するモノを使って封印した。


 そうだ、俺は――――――――――“煌”じゃない。




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