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小話.朔4~満開~
色取り取りであろう、蕾の開かぬ花達。
それはまるで、あらゆる可能性を秘めた未来そのもののようだ。
しかし、どれもこれも咲くことがない花。
私は歩みを進め、一番奥に咲く薄いオレンジ色の大華に近付く。
この中で唯一満開の、花。
本来は咲くことはなかった――――いえ、咲くことは許されなかった花…………。
過去の私が必死に蕾の状態で凍らせ、二度と花開く事はなかったはずだった。
しかし、どうしてもどこかで諦め切れない自分がいたようで、その次に見つけた輝く蕾を開いてしまう。
一度開き始めた花は止まらない。
その花が、必死に凍らせたあの花だと気付いても、もう無理だったんです。
失われたはずの感情は、自分でも驚く程止まらない。
伸ばした手が花に触れようとした時、何処からか鋭い視線を感じた。
――――朔。
花の向こうに昴様がいる。
暗くて表情は見えないが、私がその花に触れる事を拒絶しているのが感じとれた。
分かっています。
今は、これ以上は望めない。
全てが終わり、そして私を選んでくれたなら、今度こそ貴女と並んで生きていきたい……。
――――秘めたる大華、君に捧ぐ。
第二章・朔 完
これにて、朔の章完結です!
ありがとうございました!




