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『銀河最高峰の魔法科学国家、日本の東京にゲートを開いてしまう ~専守防衛(無敵)の精神で、現代兵器もダンジョンもすべて優しく無力化いたします~』  作者: 藤台団二
第1章:ゲート開通と「お節介」なファーストコンタクト

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第2話:こんなに危険で健気な国があるなんて

第2話をお届けします。今回は、ザーランド王国の調査団がついに日本の地上へと極秘降下するエピソードです。

案内役となる自衛隊の天野晴斗一尉の視点を交えながら、ルシードたちが日本の「あまりにも貧弱で危険な環境」に直面し、お門違いな同情と健気さへの感動をさらに深めていく様子を、肉厚なボリュームで描写しました。ザーランド側の圧倒的な余裕と、地球側の必死さのコントラストが見どころです。

新宿上空に黄金の「絶対防衛シールド」が展開されてから、わずか数時間後。


東京は、有史以来最大の緊張状態に陥っていた。政府は臨時閣議を開き、自衛隊は即応態勢を敷いたものの、相手の「傷つけずに戦闘機を押し戻す」という異次元のテクノロジーを前に、事実上、手も足も出ない状態だった。


そんな中、防衛省の地下特設会議室に、一人の男が呼び出されていた。


陸上自衛隊・異世界事案対策部隊の一等陸尉、天野晴斗あまの はるとである。


「天野一尉。先ほど、上空の『ゲート』から、敵側の外交団を名乗る生命体が非公式にコンタクトしてきた。彼らは平和的な対話を求めており、これから直接、地上に降下してくる。

……君にはその案内役、および監視を命ずる」


「……了解しました」


冷や汗で湿った制服の襟を正しながら、晴斗はただ一人、新宿御苑の鬱蒼とした木々の間に立っていた。一般客が完全に避難させられ、静まり返った広大な芝生広場。そこが、異世界人との極秘の合流地点だった。


約束の時間である午後4時。

突如として、晴斗の目の前の空間が、きらきらとした幾何学的な光の粒子へと弾けた。


音もなく現れたのは、二人組の人影だった。


一人は、仕立ての美しすぎる白い外套を身にまとった、端正な容姿の青年――ルシード。

もう一人は、どこか頼りなげに周囲をキョロキョロと見回している、可憐な甲冑姿の少女――ミリア。


(……これが、異世界の知的生命体。化け物じみたテクノロジーの主か……!?)


晴斗は緊張のあまり息を止め、いつでも腰の拳銃に手を伸ばせる姿勢を取った。しかし、光の粒子が収まった瞬間、ルシードが真っ先に見せた反応は、敵意でも傲慢さでもなかった。


「はじめまして、私はルシード……っ!? う、うう……。なんという、なんという過酷な大気なのであるか……!」


ルシードは突如、美しい顔を歪めて口元を抑え、激しく咳き込み始めた。


「ル、ルシード様! 大丈夫ですか!? 簡易環境シールドを展開しますか!?」


「いや、待てミリア。我々は外交団である。相手の星の環境に、最初からシールドで引きこもるなど失礼にあたる。……しかし、これは想像以上だ。大気中に漂う、この大量の微粒子は……化石燃料の燃え残り(排気ガス)か? それに、空間を飛び交う無数の不規則な電磁波……。脳波に悪影響を及ぼすレベルであるぞ……!」


ルシードはハンカチで口を抑えながら、悲痛なまでの目で晴斗を見つめた。


「君が案内役の天野一尉だね。……すまない、取り乱した。言語返還気が急場だったもので、多少違和感があれば許してくれである。しかし、驚いた。地球の人間は、これほどまでに有害な汚染物質と、狂った電磁波が交差する過酷な環境の中で、魔法の保護障壁もなしに『生身』で生きているというのか……!?」


「は……? え、あ、はい。これが普通の空気ですが……」


晴斗は完全に呆気に取られた。

今、この東京の空気は、彼らにとって「毒ガス地帯」か何かに見えているらしい。


「ああ、なんてこと……であるのだ」


ルシードの隣で、聖騎士のミリアが大きな瞳に涙を浮かべて晴斗を見つめていた。


魔法障壁シールドも張らず、交通事故の危険や大気汚染の恐怖に、毎日生身で晒されながら生きているなんて……。天野さんとやら、お辛くないのですか? 私たちなら、一秒だって耐えられません! それなのに、あなた方はこんなに立派に、健気に文明を維持して、笑顔で生きているなんて……私、感動しましたでーす……!」


「いや、あの、私たちはこれが日常というか、特に辛いと思ったことは……」


「無理をしないでくれ、天野一尉」


ルシードが晴斗の肩に、そっと優しく手を置いた。その手からは、じんわりと温かい、心身の疲労を解きほぐすような未知のエネルギー(魔力)が流れ込んできて、晴斗の長年の肩こりが一瞬で消滅した。


「君たちの強がりは、その健気な瞳を見れば分かる。これほど貧弱な生体環境でありながら、君たちは先ほど、あの鉄の塊(F-15J)に乗って、命がけで我が国の門へ立ち向かってきた。己の命の軽さを理解していながら、郷土を守るために命を賭ける……その不屈の精神に、我がザーランド王国は深い敬意を表するである」


ルシードの目は、完全に「過酷な環境で健気に生きる可哀想な未開人」を見るそれだった。圧倒的な善意と、果てしない勘違い。しかし、そこに悪意や見下すようなニュアンスが微塵も含まれていないからこそ、晴斗は調子を狂わされてしまう。


「あ、ありがとうございます……? とりあえず、政府の高官たちが待つ国会議事堂へご案内します。移動は、車を用意していますが……」


「車、か。あの化石燃料を爆発させて走る、いつ爆発してもおかしくない原始的な移動鉄籠であるね。分かった、君たちが普段使っているものなら、我々も喜んで同乗させてもらおう。ミリア、念のため、この車両の周囲に『核爆発耐性・防衛シールド』を極秘で付与しておきなさい。天野一尉たちの命が、万が一にも事故で散らないようにね」


「了解しまし~た! 出力0.1%で、このお車を完全無敵化しまっす!」


ミリアがパチンと指を鳴らすと、用意されていた黒い高級セダンの周囲の空気が、一瞬だけ黄金色に揺らめいた。


晴斗は胃のあたりがキリキリと痛むのを感じた。これから、この「お人好しすぎる銀河最強の超文明」を、腹黒い政治家たちが待つ永田町へ連れて行かなければならないのだ。


「(……神様、どうかこのズレた宇宙人たちが、日本の政治家たちに騙されて怒り出しませんように……)」


晴斗は心の中でそう深く祈りながら、完全に無敵の装甲車と化したセダンのドアを開けるのだった。

第2話をお読みいただき、ありがとうございました!

日本の日常環境(排気ガスや電磁波)を「地獄のような過酷な環境」と捉え、生身で生きる地球人に涙を流して感動するルシードとミリア。そして、勝手に車を核耐性バリアで無敵化されて胃を痛める天野一尉のコントラストを描かせていただきました。どうぞよろしく


次回、第3話ではいよいよ日本政府との本格的な会合がスタートします。ルシードたちが、日本の『憲法九条(戦争放棄)』の存在を知ったとき、彼らのお人好しな親日感情はついに臨界点を突破することになります。


もし今回の展開も面白い、続きが読みたいと感じていただけましたら、ぜひ感想の書き込みや作品への評価(ブックマーク・ポイント評価など)をお願いいたします! 皆様のご声援が、次の執筆の大きな力になります。

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異世界転移(※ゲートもの)・ 異世界 ・現代 ・ローファンタジー ・魔法科学 ・超文明・ 圧倒的格差・ 専守防衛 ・ほのぼの ・内政/交渉・ 自衛隊 ・ダンジョン ・ネット通販/グルメ・ 主人公最強(国家)・ ざまぁ(技術格差による無自覚無双)
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