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68 聖夜の幸せと修学旅行

今日はクリスマスイヴ。

恋人たちの夜が訪れる。

毎年なら家族で過ごす俺と冬花も今は手に入れた家に住み、カグツチを加えて3人でクリスマスパーティーをしていた。


「はいこれ。今年はセーターを編んだんだよ。」


そう言って綺麗にたたまれた白いセーターを渡してくれる。

するとその横から同じようにカグツチがプレゼントを差し出した。


「わ、私も冬花に習いながらマフラーを編んでみたんだ。よければ使ってくれ。」


俺は笑顔でそれを受け取りそれぞれを抱きしめながら口付けをした。


「ありがとう。大事に使わせてもらう。」


そして俺も二人へのプレゼントを取り出しそれを二人に渡した。

それは小さな小箱で中にはお揃いのリングが入っている。

そして蓋を開けるとまずは冬花の前に膝を付き彼女の左手を取った。


「冬花、絶対生き残って死ぬまで一緒に居ような。」

「うん、蒼君。この家でずっと一緒だよ。」


互いに言葉を交わすと俺は冬花の左の薬指に指輪をはめた。

そして、次にカグツチの前に膝を付くと彼女の左手を取る。


「カグツチ、俺は絶対にお前の元に冬花と一緒に帰って来る。その時はまたみんなで暮らそうな。」

「当然だ。二人とも死んだら許さないからな。」


そして二人は喜びの笑顔を浮かべながら俺へと抱き着いた。

ちなみにこの3人はスキンシップはかなり激しいがいまだに性行為は行っていない。

あれから4か月近くになるが未来の俺の言葉との差異があるのはどうやら冬花があの戦いを無事に乗り越えたためだろう。

しかし、夏に聞いた冬花の決意の期限は既に迫っている。

そのため俺は今日のこの日にかなりの期待を膨らませていた。


それは当然、冬花も同じである。

そしてこの時を冬花もカグツチも待ち望み、と言うより狙っていたのだ。


冬花とカグツチは台所に蒼士が入れない事を理由に今夜のパーティーの料理にこっそり精の付く物を混ぜて準備万端である。


「冬花、このハンバーグの肉はどうする。」

「そうだね。合挽がいいかな。牛3豚3スッポン3だね。」


「ニンニクはどうするのだ?」

「最近は匂いのしない物があるからそれを使って。あとマカは少なめにね。」


こんな感じで次第に進んで行く計画だがある意味それは不要であった。

何故なら蒼士が受け継いだスキルの中にはなぜか絶倫と房中術があったのだ。


そして全ての準備が終わると3人は料理を食べ始める。

すると当然のように効力が気になる二人の少女は蒼士にチラチラと視線を向けた。

その事に蒼士は当然気付いていたが材料を知らない彼はきっと料理の味が気になるのだろうと考え「美味しいよ」と笑顔で答えた。

もちろん鑑定も持っているが二人の料理にそれを無断で使った事は一度も無い。

それにいざとなれば毒耐性があるので食べものなら何でも食べられる。


そしてその夜、俺は部屋でいつもより入念に準備をしていた。

当然カグツチはともかく、俺と冬花は未成年なため避妊具は重要である。

そして、胸の高まりを押さえ待っていると扉をノックする音が聞こえた。

その音に『来た!』と胸は高鳴り深呼吸をしてから扉を開ける。

するとそこには可愛らしいサンタが何と二人もおり、頬を染めた上目づかいで見詰めて来た。


「「来ちゃった。」」


その二人の声に俺の鼓動は大きく跳ねた。

恐らく夕食が効力を現し始めたのだろう。

俺は二人を部屋に招き入れるとすぐに冬花を押し倒した。

当然その傍にはカグツチがおりその行為を最初から最後まで見ている。

しかし、それを気にする事無く、と言うか見せつける様に行い、互いに終わると二人はカグツチの手を取った。

そして二人でカグツチを導き最後まで行くとその日は3人で川の字になって眠りについた。


そしてその朝。寒さに目を覚ました冬花は蒼士の寝顔を見て軽いキスをすると起き上がり朝食の準備に向かった。

するとそれに気付いたカグツチも蒼士に軽くキスをして向かって行く。

そしてそれと同時に起き出した俺はベットに付いた初めての証を見ながら笑顔で溜息を付いた。

そして服を着ると愛しの二人の元へと向かって行く。


そして朝食を取り終え3人は町へと繰り出した。

冬花もカグツチも可愛らしい冬服に着替え、俺は昨日のプレゼントを着用し家を出る。

そして年末へ向けての買い溜めを行い家路についた。


そして3人はこれまでの遅れを取り戻す様に互いにベットを共にした。

特に冬花とカグツチは競い合う様に求めたため、なぜ未来の自分があのようなスキルを持っていたのか理解した。


そして年始は揃っての初詣。

二人の少女は振袖に袖を通し俺と並んで神社へと向かった。


そこでは甘酒が振舞われておりみんなで飲んで家に帰った。

ちなみにおみくじは誰も引かなかった。

既に3人の中では引かなくても気分は大吉である。

そのため他人(神々)の仕組んだ物に左右されたく無かったのだ。


そして平和な月日が流れ初夏となり、3人は修学旅行へとやって来ていた。

場所は京都。

修学旅行では定番な場所である。

しかし、それは普通の人の場合。

神々の世界にどっぷりつかっている俺と冬花には京都は別の意味合いがある。

ここには神社や寺が多い。

また、しっかりと祀られている為ともかく神が多いのだ。

そして、彼らは俺と冬花、特にカグツチとは顔見知りである。

そのため目が合うと遠慮なく話しかけて来た。


「ようカグツチ元気にしてたか?最近綺麗さに磨きがかかったって聞いたがホントだな。」


するとカグツチは途端に顔を耳まで赤くして隣に居る俺の服をちょこんと摘まむ。

それを見た周りの者が嫉妬に燃えるがそこはもう慣れた事である。

しかし、ここで神を無視するわけにはいかず俺たちは3人でその神を拉致し物陰へ移動した。


「頼むから一般人の前で話しかけないでくれ。他の人にはあんたが見えないんだから俺達が変にみられるだろ。」


するとその神は「ははは、悪い悪い。」と、だけ言って去って行った。


しかし、それも既に10件を超えればさすがに周りからの目が痛い。

クラスには既に3人でペアリングを付けている事が知れ渡っている。

そのため物陰で何をやっているのだと要らぬ疑いを掛けられているのだ。

担任に至っては。


「源君、秋月さん、出雲さん、私は日ごろ細かい事は気にしません。でも、ここには他の方の目があるので不純異性交遊はなるべく避けてください。」


と、ここに来る前から注意されているのだ。

しかも言葉から分かる通り、既にこれについての信用がない。


(おかしい。学校では真面目な一生徒なんだが。)


そんな事をしていては修学旅行を楽しむ暇もなく気が付けば一日が終わっていた。

今はそれぞれの部屋に入り朝食の前の着替えをしている。

そこで同室になった友人の加藤が声を掛ける。


「蒼士。」

「ん?」

「最近どうよ?」

「まあボチボチだな。」


そんな取り留めのない会話をしていると加藤は突然切り込んで来た。


「そうか~ボチボチか~。そういや最近、秋月さん綺麗になったよな~。そういや出雲さんもか~。」

「そ、そうだな・・・。」


しかし、加藤は最近と言っている二人が綺麗になり、感じが変わったのは去年の終わり。

すなわち俺と一夜を共にしてからである。

あれから二人は少女らしさが薄まり女性らしくなり始めた。

カグツチに至っては体が少し成長し顔立ちも柔らかくなっている。

それは劇的な変化であり、何も知らない者から見れば異常な事である。

しかし、ここでも神の何らかの力が働いているのか、それを異常と捉えられる者はいなかった。

ただ、その二人の傍に俺は常に居り、以前以上の愛情を注がれているため嫉妬の目が更に激しくなっているのは言うまでもない。


そんな中、加藤だけは以前と変わらない対応をしてくれる数少ない友人であった。

そして加藤がこのような行動を取れるのには当然訳がある。

それは高校に入学して夏休みを直前に控えた頃。

彼の誠実さに引かれたのか一人の少女が彼の前に現れた。

名を白崎シラサキ 明美アケミ

身長150後半の タレ目の女の子である。

そして付き合い始めて1年半、彼はその子にぞっこんであった。

その子は同じ学年なため当然この修学旅行にも参加している。

しかも、この学園で1位と2位が冬花とカグツチなら、その子は確実に3位と言えるほど可愛い。


そのため彼は俺の友であり、良き理解者でもあった。

そして、以前に向いていた嫉妬の目が俺に集中する事で助かっている人物でもある。

それに加藤はどうやら頼みがあるようだ。


「すまん蒼士。明日の自由行動。俺とアイツだけで京都を周りたいんだ。」


加藤はそう言って手を拝むように合わせて頼み込んでくる。

それに対して俺は一瞬も考える事は無く加藤の肩に手を置いてサムズアップをして答えた。

その途端加藤は大喜びで跳ねまわり満面の笑顔でお礼を言った。

しかし、これはこちらからしても願ってもない事である。

これなら周りに最小限、気を使えば楽しく京都を周れる。


その後、加藤は携帯を取り出し、俺は魔法を使いそれぞれの相手に連絡を入れた。

当然互いの相手は喜び明日の予定が確定する。


そしてその夜。

俺は気を張り巡らせていた。

それはこの旅館にいる男子生徒が風呂場を覗く計画を立てているという情報を加藤が入手してきたからだ。

そのため俺はフロントで館内地図を手に入れるとそれを瞬時に暗記し現在は離れた自分の部屋で監視にあたっていた。


「・・・・・!動いたか。」


俺は不自然に動く気配を掴み取りそちらに意識を集中する。

すると見回りの教師と思しき者を回避して進む集団を捉えた。

それとこの旅館には露天風呂がある。

そのため外から屋根伝いに移動する集団も感じ取った。


おれはそいつ等に向けて即座に魔法の準備に入る。

室内の者は最低限床があるので簡単であった。

睡眠系の神聖魔法を使えば簡単に制圧できる。

しかし、ここでふと俺はカグツチへと声を飛ばした。


「カグツチ今どこにいるんだ?」


するとすぐに念話がつながり声が返って来た。


(今は冬花と一緒にお風呂に入ってるよ。覗きに来るか?)


カグツチは最近性格も少し変わり今の様な冗談?も言えるようになってきた。

そのため昔との違いに俺は「ふふ」っと笑うと念話を返す。


(いや、今はいい。そう言うのは家でしよう。)


あくまで完全には断らない俺だがこの間にも集団は女風呂に接近している。

なので「それじゃまた後でな」と伝え念話を切り魔法を変更する。

その瞬間、室内の集団は雷に打たれ感電し、その場で倒れた。

そして中途半端な回復魔法で適当に傷だけを治すと麻痺している者を放置して今度は外の奴らに意識を集中した。


だがこちらは雷魔法で気絶させるわけにはいかない。

もしそうすれば体が麻痺して地面に落ちてしまう。

しかし、風呂場に二人がいるため俺に優しさと言う文字は無かった。

まずは水魔法で地面に立方体の水槽を作り風魔法で全員を地上に叩き落した。

そして水に落ちた瞬間に雷魔法で感電させると水を消して彼らもその場に放置した。

今の季節は夏。

放置しても死にはしないだろう。

俺はもう一度旅館全体を確認し、風呂の時間が終了するとそのまま眠りについた。


そして、その夜。

ここは6人部屋のはずなのに加藤を除いた他の4人は帰って来る事は無かった。

どうやら彼らは不運にも事故に会い感電して病院に運ばれたようだ。

修学旅行は危険がいっぱいである。


そして次の日。

6人部屋を2人で使用した俺と加藤は軽快に起き上がり着替えて部屋を出て行った。

今日は自由行動の日である。

そのため朝食と朝の点呼が終われば班ごとに自由に行動できる。

ただし加藤は白崎さんと、俺は冬花とカグツチとに分かれてデートと洒落込む予定である。

そして、5人は同時に旅館を出ると少し行った所で別れ、それぞれの方向へと進んで行った。

すると途中で冬花は俺を見上げて問いかけてくる。


「蒼君さっき二人に何か魔法かけてたよね。何してたの?」

「そうだな私も気になった。あの時の術には守護的な物を感じたが。」


すると俺は二人と歩きながら少し周りを見回した。

そして丁度歩道を歩く子供たちを見つけ実演をして見せるために彼らに魔法をかけた。

その子供たちは狭い歩道を列になり進んでいる。

しかし、子供たちの何人かははしゃいでいるのか周りを見ておらず時々車道に飛び出している。

そんな時、1台の大型トラックが子供たちに近づいて来た。

そしてトラックが子供たちの横を通り過ぎようとした時、一人の男の子が車道に押され飛び出してしまった。

トラックの運転手は直前であったためブレーキも踏めず子供と接触した。

しかしその時、魔法が発動し子供を幕で包むと車との間で緩衝材の様に働き子供を歩道に押し戻した。

引き殺されそうになった子供は最初何が起きたのか理解できずキョトンとしていたが、次第に理解できたのか大声で泣き始めてしまった。

しかし、体には一切の傷は無く無事なため近くにいた保護者は体を確認してホッと息を吐きだしている。

逆にトラックは衝撃を感じたためいったん止まり青い顔の運転手が急いで下りてきた。

しかし、無事な子供の様子を確認すると保護者の元へと向かって行き頭を下げている。


それを見て冬花もカグツチも納得し「なるほど」と声をそろえた。


「ちなみに普通の物ならあんな感じである一定以上の衝撃の時に発動する。そしてそれが霊的な物で一定以上の衝撃を与えた場合、また違った反応をするがその心配はないと思いたいな。それにもし発動した場合は俺にはその反応で場所がある程度分かるようになっている。まあ、こちらで魔法を使えるのは俺と冬花だけだから、その反応をたどれば特定も可能だけどな。」


そして3人はこっそりとカグツチの転移で京都を周るのであった。

普通に行動するとガイドブックの1割も見れないだろうからだ。

神様が傍に居て本当に良かった。

帰ったら色々とサービスしておこう。

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