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黄金の辺境 〜スラムの孤児に転生した俺が、誰も要らない土地を継いだ日から〜  作者: 歩人


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第1話: 藁の上で目を覚ます

 寒さで目が覚めた。


 まず思ったのは、おかしいな、ということだった。死んだ人間が、寒い。それは順番がおかしい。死は寒さの先にあるもので、手前に戻ってくるものではない。少なくとも俺の常識ではそうだった。


 最後の記憶は、机だった。誰も読まないだろう集落の資料を、それでも作っていた。肩から力が抜けて、ペンが落ちた。乾いた軽い音。あれが終わりだったはずだ。続きはない。なのに、続いている。


 手を顔の前まで上げてみた。やけに時間がかかった。腕が言うことを聞かない。ようやく視界に入ってきたのは、小さな手だった。指が細い。爪のあいだに黒い泥が詰まっている。手入れの悪い、子供の手だ。


 転生というやつだろうか。物語ならここで頭に光る声が響いて「あなたはチートの使い手です」とか言ってくれるはずだ。耳を澄ましてみた。何も鳴らない。女神とやらは、こういうとき本当に何もくれない。聞こえるのは自分の腹の鳴る音だけ。チートの確認より先に、朝飯が無いらしい。優先順位が、初手から世知辛い。


 俺は冷静に状況を整理しようとした。これは前世の癖だ。死んだはずが息をしている。体が知らない子供のものになっている。で、どうするのか。だが、答える材料が何ひとつない。ここがどこかも、今がいつかも分からない。データのない会議は、ただの感想の言い合いだ。前世でさんざん言った台詞を、いま自分一人で実演している。


 目を閉じても、頭の中身は消えてくれない。前の人生が、まるごと残っている。涸れていく町。減っていく灯。正しいはずの案が机の上で握り潰された手応え。最後の家の戸が閉まる音。その全部を、いま、誰のものとも知れない小さな胸が抱えている。


 ——もう一回やるのか。


 それが、いちばん最初に湧いた、まともな感情らしい感情だった。喜びでも高揚でもない。あったのは、徒労感の予感だ。前の人生で、俺は何ひとつ守れなかった。最後まで一軒も。それをもう一度、頭からやり直しだというなら、いっそ——。そこまで考えたとき、子供の薄い胸が小さく上下した。中身が諦めたがっているのに、器がまだ息をしたがっている。妙な話だった。




 雨漏りの音で、思考が中断した。天井のどこかから滴が落ちている。土間に黒い染みを広げて、ぴた、ぴた、と。気づいたら数えていた。十まで数えて、数えている自分に気づいて、げんなりした。会議が長引くと蛍光灯の本数を数える、あの癖だ。脳は数えるものがあれば数える。どうやらこいつだけは、ちゃんと持って来てしまったらしい。


 体を起こした。膝が頼りなく笑った。立ちたかったわけじゃない。ただ、この場所の見取り図がほしかった。低い天井。煤けた梁が一本、湿気で垂れている。藁を敷いただけの土間に、痩せた子供が十人とちょっと、転がって眠っている。皆、似たような継ぎだらけの貫頭衣で、誰の腹も薄い。


 壁に、文字を彫った木の板が掛かっていた。目で追ってみる。形は分かる。なのに、意味がひとつも入ってこない。傷の連なりにしか見えない。


 ——あー。これは、まずいやつだ。


 前世の俺は、書類で食ってきた人間だ。読む、書く、突き合わせる。それが仕事の九割だった。その俺が、字が読めない。たぶんこの体は、まだ字を習っていないらしい。後で覚えればいい。論理ではそうだ。なのに、論理で処理しきれない何かが、ちょっとだけ喉に引っかかった。


 木の板の上に、女神らしき紋様。すり減った敷居。柱の根の黒ずんだ腐り。ここで、ようやく仕事の頭が回り出した。手を入れる人間がいないと建物がどう傷むか、それなら前の俺は飽きるほど見た。この沈み方は、予算がつかないまま放置された建物のそれだ。身寄りのない子供を集めて、かろうじて生かしている救貧の施設。柱の腐り方からして、この街でたぶんいちばん安い土地。結論。俺はまた、いちばん下に置かれている。前の人生と何ひとつ変わらない。違いは、体が小さくなったぶん、できることがさらに減ったことだけだ。


 乾いた笑いが、子供の喉から漏れた。笑う場面では、まったくなかったのに。




 鐘が、低く二度鳴った。


 藁の上の子供たちが、いっせいに身を起こした。誰も挨拶をしない。眠そうな顔のまま、奥の土間へ走っていく。配給だ、と、頭より先に腹が理解した。空腹というやつを、この体はずいぶん前から知り合いみたいに知っているらしい。


 土間の隅に、年嵩のシスターが立っていた。痩せた腕で鍋を抱えている。中身は黒パンの欠けらと、豆を煮ただけの薄い汁。


 俺の目が、勝手に仕事を始めた。子供の頭数。汁の深さ。両者の比。——足りない。半分は、今日も椀の底に届かない。考えて出した答えじゃない。目が勝手に測った。前世で何百回もやらされた、嫌な計算だ。残る数字と、消える数字。やらされ続けて、体に染みついた。


 争いが起きた。体の大きい子が先に手を伸ばし、小さい子が肩で弾かれる。誰かが「押すなよ」と低く怒鳴った。別の子がそれを無視して鍋へ突っ込む。シスターが「順番に」と言うが、声は届かない。床に膝をついた幼子が、こぼれた汁を手のひらから舐めていた。次の番が回る頃には、鍋は空になる。見たくなくても、分かった。手のあいだから人がこぼれ落ちていく、あの感触。前世で最後まで慣れず、慣れないまま死んだやつだ。


 気づいたら、立ち上がっていた。決めるより先に、子供の足が二歩、よろけながら前へ出ていた。間に合わなかった前世の手が、この小さな体を背中から押した——としか思えなかった。


 頭の中では、もう手順ができあがっていた。配給は先着順で、体格差がそのまま取り分の差になっている。直し方は単純だ。配る順序を足りていない側から組み替える。総量はいじらない。総量はいじれない。順序だけで、こぼれる人数はゼロにできる。前世なら、ここで一枚にまとめて回覧に乗せる。——いや。回覧も会議も決裁印もない。出す相手もいないし、出したところで字も読めない。俺の武器は、紙の上で人を動かすことだった。その紙が、ここにはない。だったら、口で言うしかない。子供の、掠れた高い声で。


 気づいたら、もみ合いの真ん中に体ごと突っ込んでいた。誰かの肘が顔をかすめ、背中を押され、それでも足は前に出た。


 「ちょっと待って」声が、自分でも意外なほど通った。揉み合いの中心まで体をねじ込んで、シスターの柄杓を持つ手のすぐ前に滑り込んだ。「その配り方だと、半分の子に届かない」


 低い怒鳴り声が飛んできた。「うっせえ、邪魔すんな」。別の子が肩で俺を突いた。無視して続けた。


 「並ぶ順番を変えるだけでいい。まだ食べてない子から。大きい子は最後に回ってくれ」


 誰も動かなかった。怒鳴り返してくる子、ただ無視して鍋へ手を伸ばす子、何を言ってるんだという顔でこちらを見る子。あの空気は知っている。前世で何度も感じた——議題を出した瞬間の、誰も動かない間だ。


 シスターの目が、不審そうに俺を見下ろした。子供がそんな口を利くとは思っていない、という顔だ。当然だ。俺だって自分の声に驚いている。


 俺はかまわず柄杓に手を伸ばした。シスターの手から、半ば奪うように。


 その手首を、節くれだった指がつかんだ。シスターだ。「およし」と言いかけた口の形のまま、止まっている。子供に道具を渡すなんて、許せるはずがない。彼女の側に非はない。庇うつもりで、俺は言葉を選んだ。


 「数えたんだ」手は止めず、口だけ動かした。指で汁の深さを示してみせる。「子供は十三人。汁はこの深さで、ひとり椀の底から指二本くらい。まだ食べてない子から回せば、ちゃんと最後の一人まで届く。鍋はいじらない。順番だけだ。——な?」


 結論を先に、根拠を数で。前世で耳にタコができるほど言われたやり方だ。相手が修道女でも七歳児でも、構造は同じだ。シスターの指の力が、ふっと、ほどけた。つかむためではなく、確かめるために伸ばされていた手だったように、ゆっくり離れた。木の柄が、掌に冷たい。鍋を覗き、頭数をもう一度数え、汁の深さを目で測る。多すぎず、足りなくはないひとり分の底を決める。これは施しじゃない。割り算だ。割り算なら、俺の専門分野だ。専門分野が割り算の人間というのも、言葉にするとわびしいものがあるが。


 「君が先だ」さっき床で汁を舐めていた幼子に、欠けた椀を持たせた。掠れた声が、できるだけ柔らかくなるように気をつけた。「ゆっくり、こぼさないように。まだ、あるから」


 柄杓が、薄い汁を椀の底に落とす。次。次。背の順を崩し、まだ食べていない子から、小さい子から。途中で大きい子が舌打ちをした。それでも、列の最後に回したその子の椀にも、底は残った。最後の一杯をすくったとき、鍋に残っていたのは柄杓で一度なぞれるぶんだけ。それでも空にはならず、ぎりぎりで全員に行き渡った。


 同じ鍋だ。中身は一滴も増えていない。配る順を変えただけで、今日、こぼれ落ちた子がいない。数字の上では、ただの並び替えだ。前世なら報告書の一行にも書かない。「配給順序を変更し、欠配を解消」——以上。読み飛ばされる類の一行。なのにその一行ぶんのことで、子供の息が上がっていた。


 先に椀を渡した幼子は、すぐには口をつけなかった。両手で椀を包んで、こぼさないようにじっと見ている。それから、ようやく一口すすった。薄い肩から、ふっと力が抜けた。腹が足りた人間が、ただ安心して肩を落とす瞬間。それを前の俺は何度も見たかった。とうとう一度も見られないまま死んだ。それを、いま、子供の声と痩せた腕で見ている。順番がおかしい、とまた思った。死んだ先に、見られなかったはずの光景がある。




 シスターが、柄杓を握ったままの俺を長いこと見ていた。それから、鍋の中身ではなく、子供たちの椀のほうへ目をやった。


 「……今日は、足りました」その声は感心ではなかった。事実をひとつ、置いただけだった。「同じ鍋で。わたくしには、できなかったことです」


 責めている口調ではない。自分にできなかったことを、ただそう言える人らしかった。そういう人を、俺は前世で何人か知っている。組織に放り回されながら、それでもいちばん長く現場に残るのは、だいたいこういう顔だ。彼女も上の都合で炊き出しを転々とさせられた口だろう。俺の勝手な見立てだが、外れてはいないと思った。


 俺は柄杓を返した。彼女のせいだと絶対に聞こえないよう、言葉を選んだ。


 「あなたのせいじゃない。鍋が小さいだけだ」子供の声で言うと、ひどく生意気に響いた。自分でも分かったので、少し笑って続けた。「順番を変えれば、今日くらいは届く。それだけのことだから」


 シスターは何か言いかけて、やめた。代わりに、痩せた手で俺の頭に一度だけ触れた。叱るのでも褒めるのでもない、確かめるような手つきだった。その指は、藁よりも冷たかった。この施設には、子供を温める火ももう残っていないらしい。資源不足の現場の手は、前世で何度も握った。だいたい、こういう温度をしている。


 彼女は鍋を片づける前に、空になった底を指で一度なぞった。残りを確かめる仕草だ。いつもなら誰か一人ぶん足りないその底に、今日は何も余っていない。彼女は長いことそれを見て、それから俺のほうは見なかった。見ないことで、何かを認めた人の背中だった。


 壁際に、痩せた少女がひとり立っていた。九つか、十くらい。奪い合いには加わらず、ただ鍋の減り方を見ている。腿の横で、指が小さく折れていた。一、二、三。


 あの目だけが、この部屋で俺と同じ動きをしていた。視線がぶつかると、ふい、と逸らされる。けれど指は、まだ折られたままだ。あの子は、俺が何を数えたのかを横で数え返している。


 ——なるほど。あれは、いる。


 前世で、人を見るときの基準のひとつがそれだった。誰に何を頼めるか。あの子は、数える子だ。数える子は貴重で、たいていの場所に足りていない。もっとも、いま俺にできるのは見つけることまでだ。覚えておくだけ。




 夜。火の落ちた土間に、また藁の冷たさが戻ってきた。


 暗がりで、年嵩の子が、誰にともなく呟いた。「春までに、また何人か減らされる。次は、誰だろうな」


 減らす。口減らしのことを、ここではその言葉で言うらしい。子供を一人、どこかへ売る。前の人生なら、統計の一行で済んだ言葉だ。いちばん下の合計欄が、ひとつ繰り下がるだけの。それが、藁一枚を隔てた隣で、体温のある声で言われている。統計の一行に体温があると、こんなに重い。


 別の子が、小さく続けた。「今朝の、あいつだろ。柄杓を取ったやつ」


 誰も笑わなかった。否定もしなかった。ただ、暗がりのいくつかの目が、こちらを向いた気配があった。


 ——あー。そうか。


 頭の中で、勝手に始末書がもう一枚できあがった。今度のは、自分宛てのだ。口を減らすとき施設がいちばん選びやすいのは、扱いにくくて目立つ、身寄りのない子供だ。前世で人員整理の資料を見たときと、選定基準はまったく同じ構造。残す価値より、外す理由が立てやすい順に線を引く。俺は今朝、その三つを半日で全部そろえた。柄杓を奪い、列を組み替え、修道女に物申した七歳児。減らす順を決める者の帳面のいちばん上に、自分で名前を書き込んだようなものだ。半日で筆頭が決まるのは速すぎる——俺の感覚ではそうだ。だがここは違う。ここの子供たちは、誰が庇護者に近いか、誰が次に消えそうかを、いつも全員で読んでいる。読まないと自分が消えるからだ。力関係が動いた瞬間、全員がそれを感じ取る。今朝の一件は、もう全員の頭の中で順位表に反映済みらしかった。


 善いことをしたら報われる。そういう物語の構造を、世界は採用していない。前世でも採用していなかった。正しい再生案ほど早く潰された。正しい案は、誰かの都合とぶつかるからだ。腹は立たない。計算が合っただけだ。合ってほしくない計算ほど、よく合う。これも前世で学んだ。


 外の路地で、誰かが歌っていた。流しの語り部か、酔った大人か。節は粗い。けれど、言葉だけが、雨漏りの滴の合間を縫って、はっきり入ってきた。


 ——女神に見放された谷がある。地図にない土地がある。行った者は、誰も還らない。


 歌い手は同じ一節を二度繰り返した。最後に、ひとつだけ、声を低くして付け足した。


 ——あの名は、口にするな。


 名を呼べば、呼んだ者まで地図から消える、とでもいうように。


 背筋が、すっと冷えた。火が落ちているせいだけではなかった。誰も還らない、という言葉が、子供の薄い皮膚の内側で、しばらく尾を引いた。どこにあるかも知らない土地の話だ。なのに暗がりで耳にすると、藁の冷たさよりも直接、芯に触ってくる。膝を抱えた腕に、知らないうちに力が入っていた。


 怖さがひと呼吸ぶん通り過ぎてから、ようやく頭が動き出した。減らされる子は、どこへやられるのか。還らない土地とは、どこなのか。計算するまでもない。誰も要らない子供の捨て場所と、地図から名前を消された土地。それが別々だと考えるほうが不自然だ。要らないもの同士は、同じ場所に置く。前世の役所も、そうしていた。


 怖い、と思った直後に、少しおかしくもなった。前の人生で、人が去り地図から名前が薄れていく土地を、俺は何度も見送る側にいた。今度は、見送る側じゃない。その消される土地そのものへ、自分が荷物として運ばれていく。配置転換にもほどがある。


 ただ、ひとつだけ引っかかった。捨てられた土地は、ふつう忘れられる。誰も歌わない。なくなったことすら気づかれない。ところが、この谷は違う。わざわざ「口にするな」と歌い継がれている。忘れられていない。隠されている。忘れるのはコストがかからない。隠すのはコストがかかる。誰かが手間と意志をかけて、隠している。前世で一度、潰れた再生事業が「最初から無かったこと」として処理されたのを見た。あのときと、同じ匂いがした。


 その差が何を意味するのか、今は分からない。情報がない。だから結論は出さない。頭の隅に一行だけ書きつけた。いつか帰ってくる種類の引っかかりとして。鉛筆も帳面もないから、書く先は頭の中だけだ。


 藁は、まだ冷たい。朝と何ひとつ変わらない。ただ、体の内側から湧いていた、あの別種の冷たさのほうは——いつのまにか少しだけ薄まっていた。一杯の汁を、配り直した。たった、それだけのことで。


 俺の武器は、剣でも魔法でもない。読んで、数えて、書いておく。それだけだ。持っていないものを数えても減るだけだから、持っているものだけ数える。一つきりだ。一つでも、ゼロよりはずっとマシだ。子供の体。読めない文字。鳴る腹。持っていないものを並べると、なかなか壮観だった。だが頭の中の、何かを生かそうとするこの厄介な性分だけは——どうやら、濡れていなかった。しぶとい。本当に、しぶとい。前世でも、それで死んだようなものなのに。



最後まで読んでいただきありがとうございました。


新シリーズ「黄金の辺境」、第一話です。


この話で進むのは、転生して目を覚ましてから、配給の汁を一杯ぶん配り直すまで。たったそれだけです。一話で派手なことを起こすより、まず「死んだはずの男が、見知らぬ子供の体で目を覚ます」という、その足元の抜ける感じに、ちゃんと尺を取りたかった。彼は生き返ったことを喜びません。前の人生で何ひとつ守れなかった人間が、もう一度いちばん下に置かれて、徒労感の予感から始まります。


この主人公は、剣も魔法もチート能力も持っていません。武器は前世の仕事の頭——読んで、数えて、段取りを組む、それだけです。だから内心はずっと現代の役所の人みたいに理屈っぽく、自分にツッコミを入れ続けます。一方で口に出す言葉は、文字も読めない子供たちに通じるように噛み砕く。その翻訳のズレが、これから先ずっと、この作品の笑いどころであり、彼の有能さの見せどころになっていきます。


夜の歌と、子供を「減らす」という言葉。「行った者は還らない」と歌われる土地——そこが、彼がこれから長い時間を費やす場所です。なぜ地図から消されたのか、その理由だけは、物語の本当に終わり際まで取っておきます。


連載でじっくり育てる作品です。評価・ブックマーク・感想をいただけると、次を書く励みになります。次話、彼の「数える目」が、この施設そのものを少しずつ組み替えはじめます。

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