ウェディングリリー
初めて小説を書きます。競馬が大好きなので、題材もそれで。ゆるく更新して行けたらと思います。
登場人馬 プロフィール
◆久我シュンヤ(20)
新進気鋭の若手ジョッキー。
関東の大護 厩舎所属。
◆大護竜一郎
栗東所属の競走馬調教師。
シュンヤを幼い頃から知っている。
厳しくも優しい一面を持つ。
◆アルトン・アンダーソン(27)
アメリカから来た天才ジョッキー。
来日からわずか3年で
G1レースを15勝している。
◆ウェディングリリー
競走馬 白毛
大護厩舎所属。
シュンヤとはデビュー戦から三戦全てコンビを組んでいる。
お転婆だが芯の強いメスの3歳馬
主な勝ち鞍 アルテミスステークス (G3)
◆コルピエアルクオレ
競走馬 黒鹿毛
主戦騎手はアルトン・アンダーソン
常に落ち着いていて何を考えているか分からない。
だがその末脚は一級品。
メスの三歳馬
主な勝ち鞍 阪神ジュベナイルフィリーズ (G1)
「人馬一体」競馬においてそんな言葉がある。
人と馬の呼吸、それらが完璧に一つに合わさり、同じ生き物であるかのように動く事が出来ることだ。
だけど、今の僕たちはそんな言葉じゃ言い表せない。
「ウェディングリリーと久我シュンスケ、逃げる逃げる!!最後の直線あと100メートル!後続とは5馬身差があるがこれはセーフティーリードか!」
アナウンサーが叫ぶ。その声は僕たちには聞こえない。
前方には誰もいない、広がるのはただ一面の芝、向かい風すら僕たちを歓迎してくれているように感じる。
後続の足音は既に聞こえない。
そのままフッと、全ての音が消える。リリーとこのままどこまでも行けそうな気がする…
しかし刹那、静寂は破られる。針を落としたような嫌な音、後方既に見えないはずの漆黒の馬体を僕は知覚していた。
「やっぱり来たか」
前走、阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)で僕たちを残り5mで差し切った憎い相手だ。
リリーもピンと耳を張っている。
「「外から一番人気、コルピレアルクオレが来ている!!すごい脚だ!」」
直線残り50m、左後方から黒い影が迫ってきているのが見えた。
だが、かまうものか、今の僕たちを止める者は誰もいない。
僕はめいいっぱい手綱を前に押し出した。
リリーの純白のたてがみが激しく舞う。
「いけえええええええ!!」
その瞬間、僕たちはゴール板を誰よりも速く、駆け抜けていた。
「「コルピレアルクオレ猛追!!しかし!!勝ったのは!!白毛のウェディングリリーだ桜花賞制覇!!!!」」
「ワァアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
怒号にも似た、つんざくような歓声が聞こえる。
「勝った…」
その時僕は初めてジョッキーとして、スタートラインに立てた気がした。
読んでいただきありがとうございます。今後も頑張ります。




