Welcome to RORI world ④
目が覚めると、そこは何処かの部屋の中で、ソファに寝かされてた。
部屋は、全体的に洋風で、見るからに高そうな調度品がちらほらと。
なんというか、洋風の高級ホテルの一室の様な、そんな感じの部屋だった。
服装も、いつの間にかピンクのパジャマに着替えさせられてるし。まるで、泊まりに来たみたいだよ。
「目が、覚めた? どこが、具合が悪い所は、なさそう」
「え、L2ちゃん!」
真っ先に目に留まったのは、心配そうに覗き込んできたL2ちゃんだった。
「はぐれてしまって申し訳ない。時空転移の際に、少しだけ転送位置がズレてしまったみたい」
て、転送? 時空転移? なんの事だろう……?
「そのせいで、私はこの変態に裸を見られたって訳ね……」
「あ、さっきの黒髪ちゃん!」
「誰が黒髪よ。私には、ティスって名前があんのよ」
ため息をつきながら、呆れ顔で呟いたのは、私が転移? した時に真っ先に会った、あの娘だった。ティスちゃんって、言うんだ。ふーん。
そのティスちゃんは、これまた相当な美少女、ナイスなロリだ。
陶磁器の様な白く美しい肌に、強い意志を感じるルビー色の瞳。服装は、動きやすそうな、もう見るからにおしゃれとは対極の、機動性だけを追求した、黒のピッチリスーツ。一応は深紅のケープを羽織ってるけど、色々と浮き出ちゃってて、ナイス!
髪型は、お風呂で見た時から綺麗だと思ってた黒髪を一つにまとめ上げて、見事なポニーテールにしている。この娘、幼女なのに、なんか色々とエロいぞ! 全く末恐ろしいぜぇ……。
「特に、このうなじがいいねぇ。白くて、形も綺麗で、グッドッ!」
「うひゃあ! いきなり後ろに回り込んでんじゃあないわよ! このセクハラ大魔王ッ!」
いやね、そんなエロい恰好していて、そんなに綺麗なポニテで、あちこち見るなって方が、酷なんじゃあないかなぁ。
「それに、私も一応は女の子なんだしさ。そんなに警戒しなくてもいいじゃない。男に見られるって訳じゃあ無いんだしさ」
「男……何それ?」
あれ? ティスちゃん、首を傾げて不思議そうな顔してるぞ。まるで、本当に知らないみたいな反応だ。いや、でもそんなの、あり得ないんだけどね。
「動物と同じで、人間には性別があるんだよ、ティスちゃん。人の雄の事を、男って呼んでたみたい」
説明するように現れたのは、これまたえらい美少女だった。ティスちゃんとは正反対に、お人形の様な幼く可愛らしい顔をしている。おっとりとした柔らかい感じの、見ていて癒される感じのロリだ。
蜂蜜色の、思わず食べてしまいそうになる美しい髪は、あんまり手入れされて無いのか、ぼさぼさで、私のロリコンスピリットが、今すぐ手入れしろと叫びを上げる。白衣姿で、いかにも研究熱心のあまり、生活無能力者です、といった感じの幼女だった。
「あ、自己紹介がまだだったね。私の名前はシェリー。ティスの幼馴染で、同じ学校のクラスメイトです」
名前は、シェリーちゃんって言うんだ。ティスちゃんの幼馴染で、クラスメイト。要は親友って事だね。私と橙子ちゃんみたいな関係なのかなぁ。
ん? ちょっと待て。さっきこの娘、何やらおかしな事言わなかった⁉
「ちょっと待った! 人間にはってどういう事⁉ まるで貴方達が、別の生物みたいな言い方じゃない⁉」
「はい。貴方の言う通り、私達は非常に近い体の構造をしていますが、人間では無いのです」
「そ、そんなあっさりと」
シェリーちゃんは、よどみなく自分が人間ではないと言ってのけた。まぁ、異世界人なら生物が地球とは違う進化を遂げたんだから、人間じゃないのも納得かも。
「ちなみに、貴方の想像するような、異世界人でも無いのですよ。ここは地球です」
おお、鋭い。私の考えを先読みしちゃってるよ。シェリーちゃん。可愛い顔して、中々鋭い洞察力を持ってるなぁ。
いや、そうじゃない。それより気にしなきゃなのが、ここが異世界じゃ無いって事。
「地球って、ま、まさか……」
「そのまさかです。この世界は、貴方のいた時代から千年後の地球。そして私達は、百年に渡る戦乱の末滅びた人類が生み出した、新たにこの星の担い手たる新人類である、アールヴです」
「え……あるえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
ち、地球⁉ 異世界転移じゃあ無くて、未来へタイムスリップ⁉ って事は、私を連れ込んだあのUFOも、タイムマシンって事⁉ その上、未来の地球は、幼女が支配してんの⁉
「ちょっと待って⁉ もしかして、そのアールヴって、ずっと幼女のまんまだったりする⁉」
「はい。私達は十二、三歳で外見上の老化は止まりますからね。後は死ぬまで、ずっとその姿のままです。あ、寿命は人間とあんまり変わんないですよ」
な、なんて事だ。生まれてから、死ぬまでずっと幼女のままの世界。そりゃあ、幼女がうようよしている訳だよ。
「ん? じゃあ、子供はどうやって作るの。女の子ばかりだったら、その、アレが出来ないじゃない。要は、おしべとめしべの、アレよ!」
うわ、自分でも言ってて恥ずかしくなってきた。
「アレってなによ。子供ってのは、親の遺伝子掛け合わせて受精卵作って、人工子宮に十か月入れて作るもんでしょ。他に何があんのよ」
「役所で受ける適正検査に合格した夫婦に、子作りの資格が贈られるのです。まぁ、余程性格に難が無い限り、まず落ちませんけどね」
恥ずかしがってるのが馬鹿になるぐらい、二人は真顔でこの時代の子作りを言ってのけた。
それにしても、とんでもない方法だなぁ。資格とか、遺伝子とか。随分と機械的というか、なんというか。
「そういや、あの国立病院、コウノトリって名前なのよね。キャベツ畑とも言うし、なんなの、ソレ?」
「さぁ……? 昔からある名前だけれども、語源は誰も知らないんだよねぇ」
ああ、それなら子作りの隠語だよ。作った当時の人も、上手い事言って誤魔化したもんだねぇ。
「子作りが、ファンタジー。いや、ある意味夢もへったくれも無いけど、お子様向け……」
なんか、色々とカルチャーショックが凄すぎて、もう既にクタクタなんだけど、二つほど気になった事があったので、ついでに聞いてしまおうと思う。
「アルムヘイブ……まぁこの国なんだろうけど、さ。この世界の首都って聞いたんだよね。コレ、よく分かんなくて」
そう、フェルトちゃんが言ったこの世界の首都という言葉が、ずっと引っかかってたのだ。
その答えは、シェリーちゃんが答えてくれた。
「怜奈さんの時代でしたら信じられないかもしれませんが、この時代には国というモノすら無いんです。要は、国境が消滅しているんですね。世界は、五つの地区に分けられてまして、このアルムヘイブが首都として、地球の中心なんですよ」
「だから、戦争だって起きようが無いから、軍人は皆暇してるわよ。一体、何のためにあるのか分かんないぐらいにね。パパも、立派な税金泥棒だったわ」
「……無茶苦茶だなぁ」
シェリーちゃん曰く、この時代には国という概念すらないっぽい。だからか、戦争も無くって、平和そのもの。軍人が暇ってのも、ある意味理想郷だよねぇ。
「あ、このアルムヘイブは、地理的には日本があった所に当たります。この時代の公用語は日本語ですので、こうして滞りなくお話出来るんですよ」
「ど、道理で……」
異世界に行った主人公は、普通に現地人と話してるから思いもよらなかったけど、そういや見知らぬ世界で言葉が通じるなんて、おかしな話だよね。その点、日本語が公用語ってのも、ラッキーかもしんないなぁ。
思いもよらない疑問が解けたけど、ついでにもう一個聞いておきたい事があるんだよね。
「そういや、さっきロボットにナンパされたり、軽油を飲まされたりしたけど、まさか私、ここじゃあロボット扱い?」
「そうなる。この時代では、貴方は人型アンドロイドにしか映らない」
今度は、L2ちゃんが説明に入った。淡々と、抑揚のない声で話を続ける。
「アールヴだけでは、到底社会を維持できない。だから、この時代は経済の大部分を機械に頼り切っている。この時代のAIは、人の感情をほぼ再現しているため、AI持ちはほとんど生物と言ってもいい存在」
「ああ、なるほどね。道理で、あの連中が妙に馴れ馴れしかった訳だよ」
ナンパなんかする訳だから、人間臭いなぁと思ってたんだ。ほとんど人間みたいなモノだったんだね。
「L2ちゃんも、そのアンドロイドって奴なの?」
「イエス。エネルギー切れで機能不全になり、フリーマーケットの商品として出されていた所を、マスターが購入した。その後は、家庭用アンドロイドとして、家事全般を請け負っている」
あ、そうなんだ。つまりは、お世話ロボットって訳ね。
「そっか。いいなぁ、こんな可愛い娘にお世話して貰えるんなんてさぁ。お世話幼女、家にも来て欲しいぜぇ!」
こういう愛らしい幼女メイドとか、ロリコンの夢だよね。それで、親密になって「い、いけません、ご主人さま……私は単なる使用人です」「それがどうしたんだい。自分は、一人の女として、君を愛しているんだ」「ご、ご主人様。私も、貴方がずっと好きでした!」みたいな感じでさぁ。主従おねロリとか、最高じゃないですか!
「キモッ。なに一人でニヤニヤしてんのよ」
あらら、妄想にトリップしてたら、ティスちゃんにゴミを見る様な目で見られてるぞ。この感じ、穂村ちゃんに似てるなぁ。
てか、ティスちゃん。見た目もだけど、性格やしぐさも、穂村ちゃんにそっくりだよね。だから、私にとっては、妹みたいな感じだよ。
そのティスちゃんが、L2ちゃんに向き合うなり、態度を急変させた。




