童貞日記
七月十一日 晴れ
童貞ティアちゃんチョロ可愛い。カッコつけてるけど、本音もろバレなのが超可愛い。他にも(以下略)
七月十四日 曇り
嫉妬ティアちゃん超可愛い。思った通り、怜奈さんを褒めまくれば、嫉妬してくれた。服に仕込んだ隠しカメラで見てたけど、まさか怜奈さんに泣きつくとは思わなかった。いやぁ~、予想外の展開に、ニヤニヤが止まらないよ。
ただ、途中でシグナムに誘拐されちゃって最後まで見れなかった。ま、録画分があるから、後でチェックしないとね♪
七月十二日 晴れ
泣き虫ティアちゃんペロペロペロ。ちょっと意地悪したら、大泣きしちゃったよ。流石に、タメにタメた黒歴史解放は、早すぎたかなぁ。まぁ、ティアちゃんの中学時代は全部私が大切に保管しているからね。ティアちゃん大好きだよ、ホントだよ。
~シェリー・タイロンの童貞日記より、一部抜粋。
「……我が娘ながら、厄介なのに好かれたもんだよ」
手元にあった日記に目を通し、ため息がでる。娘達が両思いなのは薄々勘付いていたが、ここまでややこしい事になっているとは、思いもよらなんだ。
その、我が愚息のティアは、とりあえず椅子に座らせておいた。両手両足を拘束出来る特注品だ。この日の為に、わざわざ買ったのだ。
「はぁ、はぁ、はぁ。こ、殺してや――」
「なんだ、まだ反省が足りないのか。よし、ならば今の所をもう一度」
『しぇ、シェリー。わわわわわわわわわわ私は、あ、貴方の事が、がががががが』
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
ティアの、精一杯の勇気を振り絞った告白が映し出される。しかも、大きな薔薇の花束を持っての。当時、こっそり撮影している時、噴き出すのを堪えるのが大変だったものだ。
ちなみに、この日の出来事は童貞日記の一ページ目に書かれている。曰く、最初は受けようかと思ったけど、童貞ティアちゃんが可愛すぎるから、しばらく朴念仁でいようと決めたらしい。
なんというか、色々と残念な娘である。
ふと目をやると、ティアが気絶していた。余りの羞恥心に、耐え切れなくなったらしい。
部屋を出で、一息つく。今は、一杯のブランデーが欲しい。
「あの二人、このままで大丈夫かねぇ。そもそも、何でまた好きあってるんだ?」
「そりゃあ、一目惚れって奴ですよ。そもそも、あの子が意地悪してたのも、好きな子に意地悪しちゃう子供心からです。最も、当人は気づいてないでしょうが」
リビングでブランデーを嗜んでいると、ホテルに監禁しといたシェリーの買い出しに行った妻が戻ってきた。彼女曰く、シェリーも相当弱っているようで、一日会えないだけで、中毒症状になっていたらしい。昨日様子見に行ったら、彼女をティアと間違えて、抱き付かれたらしい。
その妻は、何がそんなに可笑しいのか、知らないが実に楽しそうにニコニコ笑っている。
「そんなもんかねぇ。ま、アイツは昔から分かりやすかったからなぁ。お前には、全てお見通しって奴か」
「誰かさんと同じでね。見ましたよ、あの子の告白。まるで、貴方が若返ったみだいでしたわ」
「……ちょっと、買い物に行ってくる。すぐ帰るよ」
今日は、一杯の酒じゃ足りなそうだ。
「ああ、いやだいやだ。どうして親子ってのは、嫌な所ばかり似るんだろうねぇ」




