銀河にロリと
「まだだ、まだやれる……もっと、もっと幼女を」
フィールドを強化するにはもっとエネルギーが必要だ。その為に、必死になって妄想したいんだけど、要塞砲の馬鹿みたいな威力に手いっぱいで、ハァハァどころじゃない。
「所詮は、たかが一つの命。その程度の存在が我に敵う道理があるか、消えろ!」
ビームが、一段と激しさを増した。エネルギーの奔流に、呑み込まれそうになる。
というか、もう呑み込まれてる。フィールドでどうにか地球への直撃を逸らしているけど、今にも破れそうだ。
フィールド発生装置ももう限界。このままでは、フィールドが敗れて宇宙の塵になるか、機体が爆散して自滅するかのどっちか。
「く、くそぅ。もっと、もっと幼女があれば、一気に押し戻せるのに……」
『弱音吐いてないで、もっと頑張んなさい!せっかく私とシェリーが切り札用意したんだから、アンタが消えちゃ意味ないでしょ!』
「ティ、ティスちゃん⁉」
そんな泣き事を言ってると、通信越しでティスちゃんに叱られた。
それに、切り札? 彼女達が何か動いてくれてたみたいだけど……。
「う、宇宙、艦隊?」
ふと、後ろを振り向くと地球から、戦艦がどんどん向かって来ていた。大気圏を突き抜けて宇宙を進む姿は、まさに宇宙戦艦。大和じゃないけど、宇宙戦艦。
「錬度も装備も無い貴様らなど、脅威にもなりえぬ‼ 貴様らに、何が出来るというのだ⁉」
ユグドラシルの言う通り。ティスちゃんも言ってたけど、この時代の軍隊って、ほとんどお飾りみたいだからか、ロクな武器が積んでいなかった。主砲も、ミサイルも無い。
その代わり、装備されていたのは……。
「す、スピーカー⁉」
そう、巨大なスピーカーだ。そんな、戦艦にあまりにも不釣合いなブツが、全ての戦艦に装備されている。
『さぁ、耳かっぽじってよく聞きなさい! 地球全部の、超応援船団よ!』
「超、応援、船団?」
その意味を理解するよりも早く、声が、宇宙に響いた。
「「「「「ガンバレぇぇぇぇぇぇぇぇぇ‼」」」」」
幼女の、数えきれない程沢山の幼女の声が、スピーカーから鳴り響く。
『怜奈さん、聞こえますか、この声が! 地球の皆が、貴方を信じてるんです! だから、敗けないで下さい!』
『全世界に回線をつなぐの、とんでもなく面倒だった。だから、ここで敗けるのだけは、許さない』
『そうよ! あんだけ苦労したんだから、ド変態の底力、見せてやりなさい!』
この応援は、ティスちゃんやシェリーちゃん、L2ちゃんのおかげらしい。
うん、聞こえてるよ。皆の声が、幼女の純粋な、精一杯の応援が。
ここで頑張んなきゃ、ロリコンじゃないよね‼
「ヌゥゥ⁉」
体から、エネルギーが溢れてくる。これなら、妄想する必要さえ無い。圧倒的な幼女エネルギーが、フィールドエネルギーに変換され、要塞砲を押し戻していく。
フィールドは、みるみる広がっていく。今の、最っ高の幼女パワーの私なら、こんなビームなんでもない。このまま、砲塔まで押し戻してやるんだから!
「こ、こんな劣情如きに、神が滅するなど、あ、あってたまるかぁぁぁぁぁ!」
ここが正念場だってユグドラシルも分かってるみたいで、最後の力を振り絞って主砲の出力を上げていく。
だけどね、私だって敗けてなんかいられないよ!それにさぁ……。
「劣情、舐めんなよ! 人間は、変態だから強いんだよ!」
そう、人間の持つ欲望は、とんでもない力を発揮する。パパも私も、ロリコンだからこそ、ヒーローやったり、人類滅ぼしたりと、誰にも真似できない事をやってのけた。
褒めていいのか分かんないけど、力に貴賤無し。コレは、ロリコンパワーの強さ、その証拠だよ!
『……ええ⁉ こ、コレを着ろっての⁉』
『流石に、ちょっと、ってか滅茶苦茶恥ずかしいんだけど……』
『我儘言うんじゃねぇ! 全ての命が、グヘへ、かかってんだ! 私のとっておきを、ハァハァ、とっとと着やがれぇ!』
『そんなんだから、凍らされるんですよ、貴方は……』
通信越しに、喧騒が聞こえてきた。シグナムが、性懲りもなくティスちゃんとシェリーちゃんに迫ってるらしい。
今すぐ戻ってお仕置きしたいけど、今はそれどころじゃあ無い。ったく、あの性犯罪者、ホンットどうしようもないなぁ!
『さぁ、見やがれ怜奈ぁ! アタシの最高傑作の、ウルトラスーパーロリコスチュームだ!』
シグナムから送られてきた映像が、バイザーを通して眼前に広がる。
目の前一杯に飛び込んできた光景に、私は、わたしはぁ……。
「うぉぉぉぉぉぉ! エロい、可愛い、最っ高だよォォォォォォォ!」
「ば、バカな! お、押し戻される⁉」
シェリーちゃんは、シグナムの描いてた魔法少女セレナのコスチューム。それも、ただのコスチュームじゃない。まるで、本物のお姫様や女神みたいに、ゆったりとしたピンクの美しいドレス。
多分アレだ、最終回仕様だ。女神やアルティメットモードとかだ。ちっちゃい頭に不釣合いな王冠が、微笑ましくて、イイッ!
反対に、ティスちゃんは彼女の持つ幼女離れしたエロさを最大限に引き出す、ビキニアーマーだ。装甲で出来た深紅のブラとパンツが、戦士としての彼女を引き立てる。人によっては下品、私にとっては高貴なロリ装束だ。
そして、この衣装の最大の狙いは、この下品さにある。だって、恥ずかしいのだ。こんな、下手したら裸より恥ずかしい衣装、着ていて平気な訳ない。顔を真っ赤にして、涙目になっちゃう。そのいじらしい姿に、とてつもない萌えを感じる。
『ば、バカぁ! み、見ないでェェェェェ!』
『馬鹿野郎! 見せなきゃ意味ねぇだろうが! ほら、胸寄せてコッチ来い!』
おお、やっぱ恥ずかしいみたいだ。涙で顔がグシャグシャになってて、それでも頑張って、必死で前かがみのポーズを取ってる。見えそうで見えないちっぱいは、我が魂の起爆剤には、十分過ぎた。
「GMパワーゲート、展開!」
フィールドの範囲が広がった事で、背中のフェニックスウイング分離させる事の出来る余裕が生まれる。
翼状のバーニアは、リング状に変形。莫大なエネルギーを込めたリングは、真ん中にぽっかり空いた穴に稲妻を走らせている。
「紅蓮雷神、ライトニングファイアァァァァァァァァ!」
胸の鳳凰から発射されたレーザーが、リングを通って数倍にも膨れ上がり、主神の投槍を呑み込んでいく。
「消えるっていうの、この、アタシたちが!」
「嫌だ、嫌だよ。こんな最後、僕は認めない!」
「だから言ったじゃないデスか。早く、始末しろって!」
レーザーが、アースガルドにまで届き、内部から爆発していく。何世紀にも渡って、人類を、全てを見下してきた神様の、最後の瞬間だった。
「何故だ! 何故、たった一人の人間に、この、私がァァァァァ!」
ユグドラシル最後の咆哮。それは、最後まで自分以外を認めずにいる事への証だ。
だから、教えてやるよ、大声で。アンタが何で敗けたかってね!
「私は、ロリコンだァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!」
叫びと同時にレーザーをフルパワー。レーザーは、巨大要塞の胸部を貫通していく。
胸を打ち抜かれたアースガルドは、全身から爆発を起こして、大爆発。完全に、消滅した。
『反応なし……ユグドラシル、完全消滅』
L2ちゃんの声を聴いて、一安心だ。私は、地球を守れたんだね。
スピーカーから、歓声が轟いた。幼女達の喜びの声が、宇宙を満たしていく。
「見てる、パパ? 救ってやったよ、幼女も、あの星も……」
地球は、青く、美しく輝いていた。
残るはエピローグのみとなりました。ここまで読んでくださり、ありがとうございました。




