キスの真相
すごく下手な演出ではあったが、サナはいたく感動してくれていた。
もちろん周りにも何人かいて、ケーキは4つほど出回ってはいたがサナはそんなことを気にせずすごく喜んでいた。真田のような男がこんなことまでしてくれるとは思わなかったようだ。
「お誕生日おめでとう!そしてホワイトディ!」
さらにここで、真田は、誕生日のお財布、ホワイトディのロクシタンハンドクリーム、そして似顔絵を渡した。机の上にはいろいろ勢揃いしている。数だけはまけてないだろうと真田は笑いながら胸をはった。
サナはなにを喜んでいいのやら、あたふたしている。だがその表情は喜んでいること以外表現ができないものだった。真田はその顔をみて本当に祝って良かったと時間していた。
「あ、ありがとう。本当に大事にするね」
「あはは、質屋に売らないでくれよ」
「バカ!そんなキャバ嬢みたいなことしないよぉ!」
サナはそういうと、ひとつづつ丁寧にプレゼントを開ける。
リアクションが薄いのはサナの特徴でもある。前にきいたら、私がおおいに喜ぶと嘘くさいらしいと言っていた。きっとお客に言われたのだろう。
「わぁ、これ私?」
似顔絵をみて、サナが聞いてきた。
「そうだよ」
「こんな可愛くないけどね。でもありがとう!」
サナはじつはこの時、かなり感無量だった。私にこんなことしてもなんにも出ないよっと言うことしかできなかった。だがリアクションが小さいので真田にはおそらくこの嬉しさがほとんど伝わっていないだろうとは思っていたが。
「なぁ、さっちゃん。さなやんもユキの誕生日にはこうして祝ったんだろうな」
真田はここで2人について話してみた。もちろん真田が見たさなやんの日記は3/13で終わっているので書いてなかった。だがユキの日記にはかいてあるだろうと推測していた。驚いたことにサナとユキは誕生日が一緒だった。
「うん。でもあんまり具体的なことは書いてないの…。でもほんと嬉しかったってのは伝わるけどね。びっくりしたのは、クルージングがね、一緒なのよね…」
これは真田も驚いていた。真田がクルージングを予約したのは、「さなやんの日記」を見る2週間前だった。もちろん、サナにもその話はしていないし聞いていない。初回のデートと今回の誕生日のこと…偶然にしても出来過ぎだった。
「なぁ…その、初めてのデートの時なんだけど…。日記では、さなやんとユキは、その…キスしてたのか?」
真田は前から気になっていたことをきいてみた。遠回しに言ったが
要は、サナが自分の意思でキスしたのか、日記に合わせたのかの確認だった。
サナは、しばらく無言だったが
「しんちゃんのバカ!」
と、一言いっただけだった。




