表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
49/190

超能力者やまちゃん


ケイと橘のメールは、日曜日が終わっても止むことがなく順調に続いていた。


真田とサナの大冒険の出来事はメールと電話で詳しく聞いてはいたが、その後は特に進展がなく橘も仕事とケイとのことで忙しくすこし小休止となっていた。


橘はその間、水曜日にケイのクラブに出かけている。

その時もすごく盛り上がり、その夜のメールで2人は今度一緒に飲みに行く約束をしていた。


そんなかすかな幸せの中、山本から電話があった。金曜日の夜に会えないかというものだった。山本からの誘いは珍しい。なにか情報があったのかと思い、橘は気軽にOKした。



山本が場所を指定してきたのは、恵比寿だった。ケイのクラブかと思った橘は若干、気をおとしたが時間通り、恵比寿駅前の居酒屋についた。相変わらず昔からある古い居酒屋で、山本の趣味まるだしの店だった。店に入ると既に、山本は一人で飲んでいた。


「おつかれさま!橘さん」


山本はいつもの調子で橘を迎えた。橘は生を注文し山本の向かいに座る。

しばらくは、ビールと日本酒の話で盛り上がっていたが、いつの間にか「マイナンバー」の話になっていた。この話し、実は大学の時から山本と橘が大好きだった話に直結するはなしで、さながら討論会になっていた。


主に、誰が責任をとるか と もともと誰がこのアイディアを作ったかに焦点を当てたものだったがテレビの討論会のように結論はでなかった。


「だいたいこれを主導しているのは日本政府じゃない。」


「なにが裏で行われているか、だれも知らないんだ」


「だれが世界をあやつっているのか」


みたいな話までいき、もはや話は宇宙人や神の領域ににまで踏み込んでいる。他人がきくと何を馬鹿なことをと思うが、当人たちはいたって真面目だった。


「ところで橘さん、ケイっていう娘とはどうなの?」


伊勢神宮の話が一服し、山本は橘に尋ねる。橘は、どうっと言ってもと口ごもったがメールをしていることを告げた。飲みに行くということは言わなかった。


すると山本は焼き鳥を口に頬張りながら言う。


「あやしいなぁ…よし!じゃ私が神のチカラで言い当ててみせよう!」


「お、してみんしゃいしてみんしゃい」


橘も面白がってのっかてきた。山本はふうっと深呼吸すると一気に話し始めた。


「ケイは金曜日の夜に初めてメールをしてきた。返事のしやすい質問形式のメールだ。理由はわからないが、橘さんは日曜日の夜にやっとその返事を返す。そこでは食べ物屋さんの話で盛り上がり、会いたくなった橘さんは水曜日の夜9時に店へとケイに会いにいく。そこでも変わらず意気投合した2人はその夜のメールでついに店外デートの約束をする。調子に乗った橘さんは、ネットで香水を買い、新宿の伊勢丹でマフラーと靴を買う。木曜日の夜にケイに電話でデートの日の確認をする。電話は3回目でやっと繋がる。デートの日にちは、来週の土曜日で場所は、銀座の寿司屋久兵衛。夜八時に予約した。」


橘は一瞬、血の気がひいた。


山本は「すまない」と深々と頭を下げた。橘は怒ってるというより唖然としている。


「…それは、山ちゃんの…警視庁のチカラで調べたのか?」


「いや、さすがに今の警視庁でもこんなにリアルタイムで個人は調べられない…」


山本は顔を上げずに衝撃の言葉を言った。


「これが、リアル・アイだ」














評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ