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日本の山ちゃん


真田とサナがそんな大冒険をしてるとは露ほども知らない橘は、旧友の山本とあっていた。

警視庁にいるエリート中のエリートだ。学生時代にバイト先で知り合った2人は、意気投合し社会人になってもよく飲みにいってる間柄だった。


ただこの2年間くらいは山本の仕事が猛烈に忙しくなり、会うのはひさしぶりだった。

橘は、今朝飲み行こうとメールを送っていたが予想に反してすぐにメールの返信がありまさに今日飲むことになった。


場所は新橋のガード下だった。とても30を過ぎた男達、さらに一人はエリート…というのに場所が不適切かと思ったが、山本はこういう店が好きらしかった。二人は「久しぶりだな〜」と声を掛け合い、近況を話しながら席に着いた。近況といってもプライベートな話だ。2人とも結婚していたのでどうしても子供と奥さんの愚痴と自慢はなしに花がさいた。


山本は、以前とあまり変わっていなかった。相変わらずエリートとはとても思えない人なつっこい性格で仕事が忙しいこと以外、むしろ学生の時のママなのが橘は心地よかった。身長は170くらいなのだが、体はがっしりしていた。ただ、メガネをかけていることと顔が優しく笑顔が多い為およそ警察関係者には見えなかった。


「そういえば、いきなり忙しくなったようだけど、移動があったのか?」


橘は、家庭の話がひととおり終わったのを確認すると、仕事の話をふった。山本は、アジフライを頬張りながら「ああ」とだけ答えた。


「やっぱり捜査一課とかか?」


橘は、テレビとかで有名きわまりない捜査一課というありきたりな部署を言ってみた。実は橘は違うのはわかっていた。胸には有名な赤バッジはついていない。もちろんプライベートで外しているだけかもしれないが…


「それは…秘密ってやつです。って言っちゃうと、橘さんにはわかっちゃうかもな」


橘はその言葉を聞き、すぐに山本が所属している部署にピンときた。警察にはもちろん様々な秘密の部署のようなものがあるが、エリートの山本がこの年で在籍するとなると…あそこしかない。だが橘が相談しようとしている件にその部署が適しているかどうかはわからなかった。


「なんか橘さんが、俺の仕事の話を聞いてくるのって珍しいな…」


「そうかぁ?山ちゃんの仕事にはいつも興味深々だった気がするわ」


「まぁ、職が職だけに、話せんことも多いがね。だが今日の橘さんはおかしい」


さすが、警察!!と橘は思ったがここまで言われたらもう言うしかない。ビールに軽く口をつけて橘は本題に入ることにした。


「実は…もちろん久々に飲みたいいうのもあったんやけど、ちょっと聞きたいことがあったんよ。もちろん山ちゃんの立場っていうもんで話せる範囲でいい。」


橘は今日はじめて気をつかいながら、山本に話しかけた。山本も姿勢をただしたような気がした。


「R.E…リアル・アイって聞いたことあるか?」


山本は表情こそ変えないものの、その言葉にわずかに反応した。急に言葉が途切れる。山本はしばらく考えていたがビールをクイッと飲むと


「…」


急に立ち上がった。店を出ようとしているのが橘にもわかる。


「その件については 警 察 官 の私から話すことはできません。」


「その言葉はなによりのヒントだが」


「いえいえ、これから私が行くところに何も言わずついてきてくださいね」


会計を済ますと、山本は東京駅方面に歩き出した。橘は怪訝そうな顔をしながらも山本についていく。

一瞬虎の尾を踏んだのかもしれないと思った。前に相談した警察関係者は、知っているとも知らないとも言わなかったし特に橘の話を聞こうともしなかった。だが、おもいっきり顔にでていたが…


「橘さんは、少し前に中村という刑事にその話ししましたよね?」


歩いている最中突然、山本が聞いてきた。確かに中村は前に相談した刑事の名前だったが、それを山本が知っていることに驚いた。


「彼の部署はハイテク犯罪対策総合センターというところです。まさか、橘さん知ってました?」


「いや、それは知らんかったわ。彼とは雑誌の警察特集の時に、広報のサポートという形できていたと言うてたな」


「ですよね…しかし相変わらず橘さんの運の強さには恐れ入る」


ゆっくりと歩きながら山本はすこし笑いながら答える。橘はその意味を測りかねたがかまわず山本は続ける。しかし今度は小声になった。


「携帯、みせてください。もし持っているならPad系も…」


橘は素直に従った。携帯2台と買ったばかりのiPadを渡す。まぁiPadは他人名義だが…

昔買ったガラケーをまず山本は見ていた。意外にも中を開くことはせずむしろ外側を気にしている様子だった。

ひととおりガラケーを見ると、山本はまずその1台を返す。


さらに、今度はスマホを見はじめる。しばらく眺めていたが今度は手が止まった。もちろん今回も携帯の中は見ていない。

だが、しばらくするとそのスマホは返さず、iPadを見始めた。だがこちらはすぐ終わり返してきた。


山本は、何も言わず残ったスマホをもう一度見ていたがやがて、橘に返した。


「どういうことなんだ?」


橘がその不可思議な方法をずっとみていたが、特になにをやったわけじゃない。なので橘はそう聞くしかなかった。


「いえ…橘さん、そのスマホ古いですね。そろそろ買い換えたほうがいいですよ」


山本はそう言うと再び歩き出した。橘は、結局よくわからなかったがそのまま山本の後に続いた。




























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