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帰宅部だって立派な部活だ!  作者: 儚夢
番外編.『帰宅部の夏休み』
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金魚すくい

 へいへいへい、やって来ましたMONDAY NIGHT、今宵も私と一緒にパーリナイ――ごめんなさいうるさかったですよね私は下位の神ですこんばんは。

 ではでは早速、現状確認です――。


 瀬戸⇒西内と解散し、自由に。

 悠・雪雛・月夜・咲夜・冬馬⇒西内と出くわし、悠がピンチ。


 距離的には瀬戸もすぐに合流できるんですけどね。まさか西内の歩いて行った方に歩くとは思えませんし……。って言うか本当、咲夜以外の帰宅部は携帯電話持って来てるんですから電話すれば良いのに……。

 ではまずは大勢の方から見てみましょう―-。



〈~悠・雪雛・月夜・咲夜・冬馬~〉

 はい、こちら瀬戸以外。前回引き続き、悠が絶賛ピンチ中です。

「そ、そんなことありませんよ」

 どうにか誤魔化そうとするも、やっぱりいつもの悠のイメージから『祭り』なんて考えられませんからね。もう詰んでいると思っているのも私だけではないはずです。


「だってお前、この間も「祭りなんて行かない」って――」


「――あれ? あ、あれ! 瀬戸君じゃありませんか?」

 おぉっと! 西内が余計なことを言おうとして無理矢理に遮りました!! 悠の視線の先には先程まで西内と熱い――暑苦しいバトルを繰り広げていた瀬戸がいます! って、こっち来たんですね!

「……本当だ。迷子になるなんて五歳児並」

「あの汚物、自分一人だけ迷子になってたこと知らないのよきっと」

「知ってると……思うよ? 多分」

 瀬戸の姿を確認した途端、口々に瀬戸罵倒を始めようとする雪雛と月夜。そしてそれを止めようとする咲夜。……ああ、いつもの帰宅部ですね。


「――あっ、咲夜!」


 そしてようやく咲夜に会えた瀬戸、満面の笑みです!! 本当、咲夜が心配だったのですね。しかし……

「おい瀬戸、ついて来るなって言っただろ。お前は学習能力が無いのか?」

 ここでもまた西内が突っかかって来ます! 喧嘩なら表で……ってここ表でしたね。

「うわっまだいたのかよ」

 だから喧嘩なら………………ってもう良いです、降参です。無事に全員が合流できましたし、私はそろそろお(いとま)しましょうかね。ほら、長くいて喧嘩に巻き込まれるのも嫌――


「私の質問に答えろ瀬戸。お前は、学習能力が、無・い・の・か?」

「おい咲夜……この人誰だよ?」

「瀬戸君……お願いだから私に話を振らないで……ははは……」


 ――嘘ですごめんなさい本当に嫌なのはこの喧嘩の実況です!!!

 と、という訳で皆さん、お付き合い下さりありがとうございました! 私は大人しく彼らの喧嘩を見物していることにします!

 ふふふ……高みの見物とはこのこと――ごめんなさい調子乗りましたそれではさようなら!


 *:..。o○☆゜・:,。*:..。o○☆ *:..。o○☆゜・:,。*:..。o○☆ *:..。o○☆゜・:,。*:


「瀬戸、涼月を巻き込むな。お前の彼女じゃないんだぞ」

「おい咲夜、この人何か言ってるぞ?」

「ははは……」

 ――ようやく咲夜と再開できた俺は、安堵と不快が入り混じった溜め息を吐いた。一つはもちろん咲夜が無事に皆と合流できたことに対してだ。そして『不快』なのは当然、再び西内に出遭ってしまったこと。

 ……つーか何でまだいるんだよ。もう帰ったんじゃないのかよ。

「ほら瀬戸、涼月も迷惑がっているだろ。いい加減に爆ぜろ」

 こんの先生は……!

「そうだ咲夜、警察に通報する時って何番にかければいいんだっけ?」

「あはははは……」

 くそっ……こんな給料泥棒に振り回されるなんて……不本意すぎる……!

「はあ……もういい、帰る。おい瀬戸、『さっきの私』を他言したらどうなるか――」

 外人並に大きく溜め息を吐いた西内が澄んだ目で俺を見て――、


「――分かってるよな?」


 俺にしか聞こえないように、ドスの利いた声で脅しにも似た何かをして来た。


 ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★


「それじゃあ、俺は帰るからな」

「私もお先に失礼します」


 西内と無事に別れた俺達は、自然と元の組に戻った。俺は帰宅部のメンバーと肩を並べ、星倉と一ノ瀬はどうやら一緒に(?)帰るようだ。

「はあ……疲れたな」

 境内の外へと歩き始めた星倉と一ノ瀬の背中を見送って、深く溜め息を吐く。何か本当……疲れた。

「……私達も帰る?」

 雪雛も祭り(リア充狩り)ができて満足そうだし――

「そうね。そろそろ帰りましょうか」

 月夜だって十分祭り(リア充狩り)ができたようだし――


「あっ……そ、そう……だね……」


 咲夜は……何かやり残したことでもあるのだろうか? あまり「帰りたい」という雰囲気は見られない。さっきからチラチラと後方を見たりしているし……。

「よし、帰るか」

 俺達も星倉と一ノ瀬の歩いた方向に向かって足を進め――祭り会場を後にしようとする。


 ――その途中。



『らっしゃいらっしゃい! そこのお嬢ちゃん! この金魚可愛くねぇかぃ?』



 後方から聞こえて来る、屋台のおじさんの声。


 ああ……そうか――。


「――なあ、最後に金魚すくいでもやらないか?」

 そういえば咲夜はずっと金魚を可愛いって、言ってたもんな。

 そんな俺の突然の提案に三人は――


「……いいけど?」

「ふんっ、私にかかれば金魚なんてホイホイすくえるわよ?」

「瀬戸君……」


「はいはい……」

 いろいろとトラブルはあったけれど、楽しい夏祭りになったから――いいか。


 最後はこの東雲祭に誘ってくれた咲夜への、ほんの少しの恩返しをしよう。

「よしっ咲夜、頑張れよ」

 咲夜がやりたがっていた――金魚すくいで幕を閉じよう。

今回の『金魚すくい』で『帰宅部だって立派な部活だ!』は完結となります。

コラボして下さった星影 様、本当にありがとうございました。


そして、今まで『帰宅部だって立派な部活だ!』を支えて下さった皆様、本当にありがとうございました。

皆様からの声援があり、無事完結できた事を心より御礼申し上げます。 儚夢

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