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#67 到着!あれ!?

よろしくお願いします。

 おはようございます!

 起きると外からポツポツと音がする。

 外を覗くと、小雨が降っていた。

 ありゃ。ここで雨か。


「小雨が降ってるにゃ。合羽を着るにゃ」

「はいにゃ」

「きゅあ~」


 パパっと朝ご飯を食べる。

 ポーチから僕は青い合羽、ナティはピンクの合羽を出す。2つともポンチョコート風です。僕はハットをポーチに仕舞う。そして長靴を履く。僕のはブーツの上からも履けるようになっている。

 リフォンを頭に乗せてフードを被る。


「きゅあ!」

「大人しくしとくにゃ」

「きゅ!」


 外に出て、テントを片付ける。

 

「おはよ。あら。可愛いわね」

「おはようにゃ。にゃ?みんにゃは合羽着にゃいのかにゃ?」


 ルナイラさん達も片づけを終えてやってきたが、誰も合羽を着てなかった。

 濡れるし、寒いよ?


「小雨だしね。風邪もひかないだろうし」

「まぁ、合羽なんて考えたこともなかったってのが本当のところだけどな」

「服はともかく頭だけでも濡れないようにするものを買っとくべきだったな」

「ですね」


 まぁ、ゲームだもんね。

 ちなみに僕達が作ったのはエリマさん達が勧めてきたから。あの人達が勧めるものを断るのは基本ない。だってギルド職員だし、冒険もたくさんしてきているらしいから。その人達があった方がいいって言うならあったほうがいいだろう。


「なるほどねぇ。そうか。職員ともう少し話してもいいわね。職人達だってそこまで考えてないでしょうし」


 ルナイラさんは僕の話に頷いていた。

 流石に濡れた状態で岩場は滑り落ちそうだったので止めておく。

 ちょっと残念。朝陽も綺麗だって言ってたからなぁ。


「また来ますにゃ」

「きゅあ!」

「だにゃ」

「っていうかグリフォンちゃんはそこにいたのね」

「きゅ!」


 フードのギリギリまで隠れてるから見えないでしょうね。

 では出発!


 森の中は木々のおかげかまだ地面はそこまで濡れてなかった。


「それって誰に作ってもらったの?」

「レベレッドさんにゃ」

「【シャンバラ】の?よく予約取れたわね」

「にゃ?メールでお願いしたら、すぐ作ってくれたにゃ?」

「「「「はぁ!?」」」」


 なんで驚くの?

 メールでどれくらいで作れるか聞いたら『ふっ。明後日には出来てるよ。子猫ちゃん』って返事があって、本当に出来てたよ?

 他にも数パターンの合羽も作ってくれたし。


「本当に?【シャンバラ】所属の職人に依頼するのは、今どの分野でも1か月待ちよ?」

「「にゃ!?」」

「そのせいか各クランで専属職人集めに必死だぜ?」

「でも職人の弟子になっている職人プレイヤーはあまりクランに興味持ってくれなくてな。しかし弟子になっていない職人プレイヤーは腕がいまいちで戦闘メインの連中の進行速度に間に合わないんだ」

「だから結局【シャンバラ】達に予約して待つしかないってのが現状ですね」

「へ~」


 マジでか。今の所【シャンバラ】の皆さんには一度も断られたことはない。大抵3日以内には出来てる。

 だから、まだそんなに広まってないのかと思ってた。


「イベントで名前出てたでしょ?」

「そういえば」

「にゃ」


 10位だったし、カラナさんが生産で大儲けしたって言ってたな。

 じゃあ、なんでだ?

 ナティと顔を合わせて一緒に首を捻る。

 うん。かわゆい。


「無理させてたのかにゃ?」

「にゃ~」

「それはないだろ」

「ですね」


 だといいけど。今度聞いてみよう。

 

 少しずつ雨足が強くなってきた気がする。

 大丈夫?ルナイラさん達。


「ちょっと鬱陶しいわね」

「寒くはにゃいにゃ?」

「濡れてるから分からん」


 ダメやないかい!仕方ない。


「僕達の合羽貸すにゃ。頭くらいにゃらカバー出来るにゃ」

「すまん」


 オアンとNJには僕のを、ルナイラさんとアヤナにはナティのを渡す。

 両方ともポンチョ型だから頭に被るくらいは出来るだろう。


「ありがと。やっぱり街に着いたら探さないとダメね」

「戦闘に影響しない様にってなると難しいですね」

「ホントよねぇ。特注になるわよねぇ」


 ルナイラさんとアヤナが自分達用に防雨対策を考える。

 確かに戦いになると大変だよね。特に前衛はなぁ。斥候タイプの人は動きを阻害したりすると意味がない。

 大変だなぁ。


 森を抜ける。多分、本来なら街が遠くに見えるんだろうけど、雨で全く見えない。

 しかし、凄いな。匂いも湿った感じもまさしく雨だ。

 だからだろうか。


「毛が蒸れて重いし暑いにゃ」

「にゃ~」

「……そんな弱点あんのか」


 妙にべったりする。頭にリフォンもいるからか?

 ナティも妙にうんざりしてるから関係ないだろう。


「砂漠とか雪山でも大変そうね。まぁ、そこは私達も大変だけど」

「にゃ」


 想像もしたくないですね!

 パシャパシャと歩く僕達。


「……雨の中、草原歩くって少しうんざりするな」

「どんよりした景色になるからな」

「バルダエア来ないかなぁ」

「場所を伝えてないですからね」


 空を遮るものが無いからどんよりした雲が目に付くし、雨宿りする場所もない。

 歩き続けるしかないのは確かにちょっと酷だなぁ。

 

「大丈夫かにゃ?ニャティ」

「はいにゃ」


 気持ちちょっと速足気味だ。

 早く街に着きたいのもある。

 すると、


ドドチャドドチャドドチャドドチャ!

パラリラパラリラ~!


「え?この音って?」

「マジで?」

「何故だ?」


 バルダエアさんのクランの馬車?でもなんで?

 少し先に雨を突っ切る様に豪速で馬車が一台迫ってくる。

 馬車を曳いているケンタウロスさんは雨仕様なのかフルフェイスヘルメットを被り、合羽を着ていた。

 馬車は僕達の前で止まった。


「見つけたぜ!」

「バルダエア?なんでここに?」

「依頼だよ。お前らを迎えに行けってな」

「誰が?」

「知らん。あちしはギルドから頼まれただけだ。この道を通るだろうからってな」


 依頼?誰だろ?この道を通ることなんて伝えてないし。

 フルレッドさん?


「だったらわざわざギルド通さなくてもいいだろ」

「ですにゃあ」

「まぁいい。とりあえず乗れや!金はもう貰ってる!」

「助かるわ~」

「ありがとうですにゃ!」

「にゃ!」

「……おう」


 お礼を言うと、ちょっと頬を赤らめてそっぽを向く。

 やっぱりいい人だよね。


 馬車に乗ると、バルダエアさんは反転して駆け出す。

 馬車は幌が閉じられているので雨が入り込むこともないし、天井に明かりがあるから明るい。

 合羽を回収してタオルで体を拭きながら、依頼者を考える。


「俺達がここに来るって言ったのはフルレッドさん達だけだよな?」

「にゃ」

「クランのメンバーは?」

「知らにゃいはずだにゃ」

「じゃあ誰だ?」

「ギルドを通したからな。冒険者ではないということか?」

「にゃ~……エリマさん?」

「なんでエアストのギルド職員がわざわざツヴァートで依頼するの?」


 ですよね。じゃあ誰だ?

 もう心当たりがない。

 そこにメールが届いた。


「ラドンニャ?」

「ニニャからも来たにゃ」

「メール?」

「「にゃ」」


 なんだ?


『馬車には乗れたかい?早く来ておくれ』


 うん?この馬車はラドンナが手配したのか?


「なんて?」

「馬車に乗れたか?って。あと早く来てくれって書いてるにゃ」

「こっちもですにゃ」


 とりあえず馬車に拾ってもらったことを連絡する。

 なんだ?何が待ってるの?怖いんですけど!


「ということはクランのメンバーはあの岩場の事は知ってるってことだな」

「にゃ?誰から聞いたのかにゃ?」

「チルッチを除けば私達が最後にエアスト出ましたにゃ」


 だよね?だから僕達の予定を詳しく伝えてはいない。

 本当に誰よ?ラドンナに聞いてみるもそこから返信が無い。


「もうすぐ着くぞ!」


 速!?まだ乗って一時間くらいですよ!?

 また合羽を着て、幌の隙間から前を見る。


 目の前には岸壁のような外壁があった。

 相変わらずデカいなぁ。この世界の街の外壁は。

 雨のせいもあるのか圧迫感が半端ない。この外壁を襲う奴っているの?これ壊す奴ってどんな奴なんだろうか?

 そして、その外壁に見合う重厚な門が見えてきた。この時間は開放されている。

 バルダエアさんはスピードを緩めて、門をくぐる。


「「にゃあ~~……」」

「ようこそ【ツヴァート】へってことかしらね」


 田舎者のように門を見上げる僕とナティに、ルナイラさんが微笑んで声を掛けてくれる。

 エアストと変わらないのになんか見惚れてしまう。


 南側第2の街【ツヴァート】。

 近くに迷宮や高レベルモンスターの生息地もあるため、素材や武器がエアストより高質の物が多い。

 町並みはエアストとはあまり変わらないが、街を行き交う冒険者の姿は妙に貫禄がある。

 

「おっしゃ!到着だぜ!」

「「ありがとうですにゃ!」」

「助かったわ。バルダエラ」

「おうよ!」


 まだパラパラと雨は降っている。でも霧雨に近いのでフードは下ろす。

 馬車を降りて、街並みを眺めていると、


「遅かったにゃあ!ニャニャキ!ニャティ!」

「「にゃ?」」


 声がした方を見ると、そこには何故か仁王立ちしたタマ師匠がいた。

 あれ!?

 その後ろには少し疲れ気味のジェジェン先生やラドンナ、ニナ、オグマがいた。

 ……なるほど。


「依頼者はタマ師匠ですかにゃ?」

「そうだにゃ!全く!来るのが遅ぇにゃ!」


 そう?結構早いと思いますが?

 っていうか……いつの間に!?

 ラドンナ達が声を掛けてくる。


「助かったよ。もう4日前からここで待ってたよ」

「「にゃ!?」」

「がにゃははははは!!ジェジェンは転移が使えるからにゃ!この程度の距離あっという間だにゃ!」


 なんやて!?ズルい!!口にはしないけど!

 

「昨日、フルレッド達に会ってね。お前達の話を聞いたのさ。それでタマさんがギルドに依頼してって流れだよ」

「ギルドがパニックになってたな」


 マジでか。本当に何者?タマ師匠。


「がにゃははははは!」


 答える気なしですか。


「まぁ、ようこそ【ツヴァート】へ、ですにゃ」

「「にゃ!!」」

「きゅあ!」 


 ジェジェン先生が苦笑しながら迎えてくれる。

 それに笑顔で頷く僕達。

 

 こうして、僕達の旅は一区切りとなった。


 短いようで、色々あったなぁ。


 さぁ!次は何をしよう!


これにて3章終了です。

次回の投稿は掲示板回、人物紹介になる予定です!


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