#62 現実世界その2
本日2話目です!
少し不快になる表現があります。ご了承ください。
裕南は晩御飯の準備のために起きる。
「う~ん。ふぅ」
裕南は伸びをして体の調子を確かめる。
特に問題がないことを確認して、リビングに下りる。
メールを確認すると、姉の穂香がさらにパニックになっていた様子が確認できる。
「ん?今日は夜は家で食べるのか。買い物は……今日は大丈夫か」
冷蔵庫を確認して在庫を確認する。問題が無いことを確認して、適当にメニューを考える。
「なんだかなぁ……。ナティの料理が幸せだったせいか、あんまり食べたいものが浮かばないなぁ」
とりあえず米を洗い、炊飯器をセットする。
「う~ん……生姜焼きでいいか。後は……蓮根とかの煮物にしよ」
裕南はメニューを決めると、煮物を作り始める。
煮物が出来たら、晩御飯まで時間があったので洗濯や生活用品の在庫チェックも行う。
買い物リストを作ったら、穂香が帰ってくるまでやることが無くなったので掲示板を開いてみる。
「う~ん。やっぱり【草木の迷路】は誰も制覇出来てないのか。あのアトラクションはどう広めるべきか……。裏道教えてもなぁ……。これはやめておこうか」
迷宮にゴブリン騒動やツヴァートについてなど情報を集める。
自分達のスレは怖いので見なかった。ニナやラドンナからも「お勧めはしない」と言われている。
「種族スレは……妖精族の人はほとんど書いてないな。秘密は守ってくれてるのか。他の人達の推測はかなり出てるけど……確証はないって感じだね」
今の所エアストでは他の妖精族には会っていない。でも、必ずしもエアストスタートではないみたいだから妖精族の村とかもあるかもしれない。
そう考えていると、ガチャっと玄関が開く音がした。
「……ただいま」
穂香が帰ってきたようだ。声が随分と緊張しているように聞こえて裕南は苦笑する。
穂香はそろ~りと覗くようにリビングに入ってくる。
「おかえり」
「っ!?……た、ただいま」
「ご飯の用意始めるよ。生姜焼きだけどいい?」
「うん……じゃあ、ちょっと着替えてくる」
「うん」
穂香はキョドキョドしながらも自分の部屋に戻っていく。
その間に裕南は晩御飯の仕上げに入る。誰に自慢するわけでもないがタタタタッ!とキャベツを千切りする。
そして生姜焼きを作って、皿に盛る。
その頃には穂香も気楽な格好に着替えて下りてきていた。食卓の椅子に座ってキョドキョドして端末でメールをしているようだった。
それに苦笑しながら料理を並べていく裕南。
「おまたせ」
「う、うん。ありがとう」
「じゃ、いただきます」
「いただきます」
穂香は裕南の様子を伺いながら食べている。
そろそろうっとうしくなってきたので裕南から切り出した。
「そういえば、姉さんもDTOやってたんだ?」
「っ!?そ、そ、そうなの!でもね!別に裕南とやりたかったからじゃないわ!裕南とまた話せるきっかけになるからなんて思ってないの!寂しかったからじゃないの!」
「うん。落ち着こうか。深呼吸ー」
「すー、はー、すー、はー。でね!別に裕南に会いたかったからずっと探してたわけじゃないわ!裕南を探して色んな人に声を掛けて裕南かどうか判別するために昔話なんてしてないもの!」
「待ちなさい。何を話した。もう1回深呼吸ー」
「すー、はー、すー、はー、すー」
「はい。そこで息止めてー」
「………」
「まだ止めてー」
「………うぅ」
「まだー」
「………う」
「もう一声」
「ぷはぁ!!何させるのよ!」
顔を真っ赤にし涙目になって穂香が怒鳴る。
(こういう時の姉さんはからかいがいがあるよね~)
裕南は完全に楽しんでいた。
「まぁ、何を話したかはともかく。今はどこにいるの?」
「もう!……今はツヴァートよ」
「ってことはエアストだったのか。会ってるかもしれないなぁ」
「ほんと!?」
「うん。僕や潤達もエアストだよ」
「潤君達もなんだ」
どうやら穂香は潤達とは会っていないようだった。
「裕南は?」
「僕は今ツヴァートに向かってるとこ」
「そうなんだ。……ねぇ、裕南」
「ん?」
「フレンドコード交換しましょ。正直見つかる気がしないわ」
「いいよ」
「ほんと!?」
「おぉう!?」
穂香の提案に頷くと、穂香はテーブルを乗り越える勢いで顔を近づけてきた。
思わず後ろに仰け反る裕南。ここまで喜ぶとは思っていなかった。
そしてフレンドコードを交換する。
「ホーミって言うんだ。……会ってはないかなぁ」
「ナナキ。……ナナキ?どっかで……あぁ!!猫ちゃんカップル!」
穂香はナナキの名前を見て、考え込んでいたがすぐに答えに行きついた。
「え!?あのナナキ!?マスコットカップルのナナキ!?」
「待て。マスコットカップルってなんだ」
不穏な単語が聞こえた裕南。
穂香によるとナナキとナティはプレイヤーに限らず、NPC達にすら話題になっており、今2人をイメージさせた名産品を作ることを画策しているとのことだ。
裕南は頭を抱える。
「なんてこった……!」
「って言うか!聞いてないわよ!彼女作ってるなんて!」
「リアルは知らないから、こっちでは関係ないと思ったんだよ」
「……うぅ~」
納得しきれてないのか、唸る穂香。
(姉さんってこんなブラコンだったっけ?)
裕南は内心首を傾げる。昔はここまでではなかったと裕南は記憶を思い出していた。
ちなみに穂香はブラコンである。裕南とよく話していた頃は「私、裕南の自慢のお姉ちゃんになる!」と宣言し、抱き着きたい欲求やブラコン感を全力で押し殺してきたのだ。
しかし、裕南が中学に進学してから急に雰囲気が暗くなったことにどうすればいいのかと考えている間に声を掛けづらくなってしまい、今に至る。
そのため約5年近く弟成分が枯渇しており、ようやく話題が出来て話せることにブラコン魂が爆発しているのだ。
「まぁ、ナティの事はツヴァートで会った時にでも話してみてよ。いい子だし」
「そうね。見極めさせてもらうわ!」
フンス!と気合を入れる穂香。少し不安になる裕南だった。
「で?姉さんは今クランとか入ってないの?」
「【深き緑園】に最近入ったわ。それまでの仲間もいるしね」
「マヤウェルさんのところか」
「あぁ。そういえばイベントで一緒にやってたんだっけ?」
「うん。だったらどこかで一緒に依頼とかやるかもね」
「そうだったらいいわ♪」
こうして穂香と裕南は久しぶりの会話を楽しんだ。
その夜、穂香は自室で、
「やったわ!裕南と話せたの!最高よ!やっぱりうちの弟は最高に可愛いわ~!!」
『それは素直に良かったと思うけどね。穂香。もう夜の2時でね。5時間もその話してんのよ。認知症のおばあちゃんじゃないんだから。寝かせてよ』
「何言ってるの!まだまだ話し足りないわ!理恵!それでね!ちょっと理恵!理恵!?」
『プー。プー。プー。プー。』
「むぅー!理恵ー!」
『おかけになった番号は電波が届かないところにいるか電源が入っておりません』
「電源切ったぁ~!?」
ということがあったそうな。
翌朝。
裕南は起きて、すぐログインして1時間したらログアウトする。
「う~ん。ふわぁ。学校かぁ……ナティに会いたい」
制服に着替えて、朝ご飯と弁当の支度をする。
「おはよ。裕南」
「おはよう。姉さん」
起きてきた穂香に朝ご飯を出して、自分も食べる。
食べ終わって皿をシンクに置く。皿洗いは穂香がする。大学は高校より登校時間に余裕があるからだ。
「お弁当置いとくよ」
「ありがとう!」
今日は穂香の分も弁当を作った。昨日の夜に「作って!」と頼まれたからだ。
もちろん穂香が当番の時も裕南の弁当を作ることになった。
そして外に出ると、
「あれ?尚?」
「おはよう。裕南」
「おはよう。どうしたの?」
尚が待っていた。
いつもだったら早めに登校しているはずなのだが、何故か今日は待っていた。
「今日の日直が嫌いな奴だからな」
「なるほどね」
尚の言葉に苦笑しながら頷く裕南。
尚は人の好き嫌いがはっきりしており、それを隠さない。
歩きながらDTOについて話す。
「今はどこにいるんだ?」
「ツヴァートに向かってる途中」
「……やはり」
「ん?」
裕南の言葉に尚は何か納得していた。
「何が?」
「裕南。お前はナナキだな?」
「え!?なんで分かったの?」
いきなりバレたことに裕南は驚愕する。尚達に会った記憶はない。それにバレるような会話もした記憶はない。
「前にオクリ達の話をした時から薄々な。俺達もゴブリン退治の場にいたんだよ。その中で一番怪しいのはナナキだった。それに……ナティといる時のお前は昔のようだからな」
「………」
「悪いな。嫌なことを思い出させた」
「いいよ。正直……それなら少し嬉しい」
尚は目つきも悪く、表情も分かりにくいが、裕南達に対しては本気で大切に思ってくれていることは裕南も理解している。
だから裕南も正直に答える。
「でも、だったら声かけてくれたらよかったのに」
「あの時は戦いに集中していたからな。それに最後の方は話しかけ辛かったんだ。ルナイラ達と盛り上がってたからな」
「あぁ~」
「お~い!裕南!尚!」
「せんぱ~い!!」
話していると潤と綾が走ってきた。
「おはよう。2人とも」
「また寝坊か?」
「今日は違う!弁当の準備に手間取ったんだ」
「兄さんが作った食材を落とすからですよ!」
「悪かったって!」
どうやら潤がやらかしたようだ。
兄妹のやり取りを苦笑しながら見る裕南と尚。
「あぁ。そうだ。潤。やっぱり裕南はナナキだったぞ」
「え!?マジでか!?」
「先輩がナナキ……ということは……先輩は……」
「彼女が出来たということだな」
「あの泥棒猫ー!」
「はいはい。僕は綾のものにはなってないよ」
「うぅ~!」
綾がナティの事を泥棒呼ばわりするが、裕南の冷静な突っ込みに涙目になって唸る。
「まぁ、リアルの顔は知らないんだから。どうなるかは分かんないよ」
裕南の言葉に綾は一応納得したようだ。
「しかし、あのナナキだったのか。有名人だな」
「流石先輩です!」
「姉さんからマスコットになってるって聞いたよ」
「姉さん?穂香さんもやっているのか?」
「うん。今は【深き緑園】にいるらしいよ。尚達は?」
「そうなのか。俺達は【赤月旅団】に入った。あのゴブリンが初参戦だな」
「裕南と一緒になりたかったけどな。お前を探す間に知り合った人達に誘われてな」
「フルレッドさんのところか。だったらまた一緒にやれるでしょ」
フレンドコードを交換して、盛り上がりながら学校に入る裕南達だった。
そして授業を終えて、帰り支度をする裕南。
潤達は今日も部活だ。
ゆっくりと教室を出て、下駄箱に向かう。
靴を履き替えて、外に出ようとすると、校門付近に高棚の姿が見えた。
「いや~な予感。裏手に回るか……はぁ」
ため息を吐いて、中庭に出て靴を履く。
そして裏口から出ようと足を進めると、
「きゃあ!?」
「ん?」
少し先の校舎の影から誰かが悲鳴をあげながら転んで出てきた。
裕南はその顔に見覚えがあった。
「あれは……射手矢さん?」
裕南は駆け足で近寄り、声を掛ける。
「射手矢さん?大丈夫?……ん?」
「あ……木花君」
声を掛けると、奈季が出てきたところから誰かが走っていく音が聞こえてきた。
裕南は覗くと、3人ほどの女子生徒の後ろ姿が見えた。すぐに校舎内に入っていったが。
それを見て、裕南は奈季に目を向ける。よく見ると掴みかかられた痕跡がある。
とりあえず裕南は奈季に手を出す。
「立てそう?足とか痛めてない?」
「……大丈夫です。ありがとうございます」
奈季は少し顔を赤らめて裕南の手を見て、自分で立ち上がる。
裕南はそれを苦笑して手を引っ込める。
「……殴られたりは?」
「……大丈夫です」
「……月見里さんは?」
「水泳部なので」
「そこを狙われたのか」
「………」
「ごめん。言い辛いよね」
裕南は奈季に謝る。
(それにしても……彼女までイジメられてるのか。学校もいい加減監視カメラ位付ければいいのに)
この高校は監視カメラは最小限しかない。だから死角が多く、サボりやイジメなどの行為を隠す温床になっているのだ。毎年、これについて議題に上がっている らしいのだが、校長など上層部は渋っているらしい。
「外では?」
「大丈夫です」
「だったら、外までは一緒に行こう」
「え?」
「僕も裏口から出たくてね。まぁ、変な噂流されるかもだけど」
裕南の提案に奈季は少し混乱していた。
そして裕南も内心なんでこんな提案したのか自分でも不思議に思っていた。
「奈季!」
「あ!那奈」
そこに那奈がジャージで駆けつけてきた。
「大丈夫!?ごめん!って木花君?」
「どうも。一応、ギリギリ未遂だったみたい」
「ほんと?」
「うん」
「よかったぁ」
那奈はホッとする。
どうやら奈季のイジメについては知っているようだった。
「外では仕掛けてこないのは本当?」
「え?うん。大丈夫だと思う」
「だったら校門までいてあげてね」
「木花君は?」
「僕は裏口から出るよ」
「……高棚のこと?」
那奈の言葉に裕南は驚く。まさか知っている人がいるなんて思っていなかった。
「最近、噂になってるの。……高棚の中学時代のこととか不良みたいなやつらと一緒にいるところとか」
「ってことは……」
「うん……君の事も少しだけ」
「そうなのか。……はぁ~。それは面倒なことになるかなぁ」
「先生達も調べ始めてるみたいだよ?」
「多分、無理だね。それで分かるなら、あいつはここにいないし、僕も裏口から出てないよ」
「……そうだね」
裕南は肩を竦めて苦笑する。
それを奈季と那奈は心配そうに眉を下げる。
「僕の事はともかく、射手矢さん達も気を付けなよ」
「はい」
「ありがとう」
そして裕南は裏口を目指して歩き始める。
その後ろ姿に奈季は少し既視感を覚え、首を傾げるのだった。
尚と潤は部活を終え、2人で帰っていた。
綾は先に帰って、夕食の準備をしているらしい。
「はぁ~。それにしても裕南がナナキだったとはなぁ」
「良かったじゃないか。ゲームの中とはいえ、恋人が出来て」
「まぁ……そうだな」
「後は綾が暴走しないことを祈るだけだ」
「大丈夫だと思うぜ?あいつは……多分身を引くからな」
潤は少し寂しそうに言う。
尚も答えないが内心同意していた。
「遠慮する必要はないと思うがな」
「重婚は出来るって知ってんだけどなぁ。それに今はリアルだと圧倒的に有利だし、独占出来るだろうに」
綾が裕南を好きなのは、潤達はもちろん裕南も知っている。しかし綾は絶対に裕南に告白をしない。裕南に告白してほしいという素振りすら見せない。裕南の現状を考えているからなのかもしれないが。
「で?高棚の噂は上手く広まってんのか?」
「あぁ。馬鹿なことにあいつは校外だと詰めが甘いからな。不良共といる姿はかなり目撃されている」
「馬鹿なんだなぁ」
「中学の事に関しては微妙だがな。だが、何人かは裕南ほどではないが被害者がいたらしい。だから地味にだがそっちに関しても信憑性が増してきている」
「後はあいつが決定的な行動をするだけ……か」
「そうだな。ただ、それは下手したら裕南に被害が及ぶ」
「ちっ。難しいな」
「全くだ。……情けない限りだ。親友1人救えん」
「だなぁ……」
尚、潤、綾の3人は昔、裕南に助けられたと感じている出来事がある。
だからこそ、裕南を助けられず孤独にさせたことが悔しかったのだ。
裕南からすれば潤達がいてくれて十分救われた気持ちなのだが、潤達は満足していなかった。
潤と別れて、家へと向かう尚。
「ん?」
ふと、少し先にいる人物に注意がいく。
その人物はある家の前で立ち尽くしていた。
普段ならどうでもいいことだが、その『家』が問題だった。そして、その人物も少し問題だった。
「あいつは……」
「……あ」
問題の人物も尚のことに気づいた。
「福永君……」
「そこで何をしている。もうそこには裕南はいないし、今更あいつに何の用だ」
「もう……いない」
「あいつを捨てたお前がここに来る理由はないだろう。絹野」
絹野美弥子。それが尚の前にいる少女の名前だ。
中学時代、裕南の最も近くにいた女性で、最も裕南を傷つけて離れた女性。
高校は違うところになり、もう縁は切れたはずだった。
しかしその女性が今、『中学時代の裕南の家』の前にいる。
「福永君は今も裕南と」
「お前がその名を呼ぶ資格はない。『嘘をついて平気で人を傷つける人でなしと知り合いだったなんて人生最悪』だったんだろ?あいつと俺達がどうしてるなんて知る必要ないだろうが」
「っ!?」
絹野はビクっ!と肩を跳ね上げて俯く。
尚が言った言葉は、実際に絹野が裕南に向けて言った言葉そのままだ。
証拠もなく、調べてもいないのに高棚が流した噂を真に受けて、感情のままに言い放った言葉だ。
「……どうせ高棚と不良共の噂でも聞いて今更気になったんだろ」
「………」
「帰れ。お前だけは絶対にもう裕南に関わらせない」
「……謝りたいの」
「謝ってどうなる?自己満足でしかないだろうが。あいつは今も友人と言えるのは俺達だけだ。高校でも誰とも深く付き合っていないそうだ。『人でなしが必要以上に友達を作る必要はないよね』と言っていた」
「……!!」
尚の言葉に目を見開いて固まる。
「これに関しては流石に卑屈になりすぎだと思うが、それでもあいつはそれを続けている。その原因の1人に会わせたいと思うか?謝って楽になるのはお前だけじゃないか」
尚は歩いて絹野の横を通り過ぎる。
「謝れば許されると思うのは外野と加害者だけだ。被害者の傷は絶対に癒されない。だから……謝りたいのならば、逆にあいつに近づかないでくれ。写真にでも向かって、好きなだけ謝ればいい」
尚は振り向かずに一方的に告げて歩き去る。
絹野は唇を噛み締めて俯くことしか出来なかった。
裕南は買い物して家に帰る。
「ただいま~」
返事はない。穂香はまだ帰ってきていない様だ。
買ったものをしまって、部屋に戻る。着替えて、さっそくログインする準備をする。
「さて!今日でツヴァートまで行けるかな?変なことに巻き込まれなければいいけど……」
ヘッドギアを被り、横になる。
裕南は愛する者が待つ世界へと戻っていく。
ありがとうございました。




