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#51 ダークでシャイニング!

よろしくお願いします。

 夜明け前に見張りの交代で起こされる。


「うにゃあ」

「ふにゃあ」

「もう!可愛いわね!」

「「にゃあ!?」」


 寝ぼけ眼でテントを出て、目を擦りながら歩いているとルナイラさんにナティ諸共抱き上げられる。

 抱き上げられるのは慣れてきたけど!!柔らかいものが当たる!


 もきゅもきゅ、と朝ご飯を食べながら見張りをする。

 まぁ、見張りって言っても森の方を向いているだけだけどね。

 今の所ゴブリンは現れていないようだ。


「ゴブリン共は本来夜行性だ。飢えてた事を考えると、生き残りがいたら出てきてるはずだ。ってことは逃げたか、巣に隠れてやがるかだな」


 グラトルさんがそう言っていたらしい。

 ということで、緩い空気が流れている。

 

 暇なのでステータスを確認する。

___________________________________________

名前:ナナキ

性別:雄

種族:ケット・シー(妖精族)Lv32

メイン職業:フェンニャ―Lv29

サブ職業:占い師Lv27

称号:愛され過ぎなスケコマシ猫


生命力:D-

魔力:A

筋力:D-

防御力:E-

精神力:B+

知力:B+

器用さ:D

敏捷力:A

幸運:A+


・スキル(パッシブ)

ケット・シーの性

敏捷強化:Lv10(MAX)

CTR強化:Lv10

危機感知:Lv10

方向感覚強化:Lv9

魔力強化:Lv10(MAX)

知力強化:Lv10(MAX)

闇視 New!

キャットステップ


・スキル(アクティブ)

剣術:レイピアLv20、ナイフLv14

占術:Lv18

魔法:妖精魔法Lv27

トリック:Lv27

爪技:Lv27

鑑定:Lv10

ニャニャニャ

ニャラン New!


・ユニークスキル

妖精族の加護

女神?????の加護

女神ルナマリアの加護

猫の呪い

金目銀目

愛弟子 

ケット・シーの加護

愛し合うもの

竜の友 

迷宮の攻略者 New!

王を倒した者 New!

__________________________________________

【迷宮の攻略者】

最初に迷宮を攻略した者に送られる称号。

マッピングが範囲は広くなる。

【王を倒した者】

種族の『王』を倒した者に送られる名誉ある称号。

特に効果はない。


 待てぃ!!スケコマシってなんだよ!!

 そんなこぉ……とある?


 メインジョブもレベルカンストまで後1!!にゃんてこったい!

 そして、今更ながら【占い師】って何もしてないな。まぁ、占い道具すら持ってないからどうしようもないけど。占術なんて使ったことないな。もったいね。

 危機感知も方向感覚も感覚だから効果が凄いのかも強まってるのかも分からん!

 まぁ、多分助かってるんだろうけど。

 スキルも大分偏ってるなぁ。武器は壊れたり、使いづらいこともあって伸びない。

 称号系も微妙。この2つはこんなもんか。ドロップや報酬が良い物なんだろうし。


 気になるのは【ニャラン】だよね。

 これも【ニャニャニャ】同様仕様が分からん。なんで?


「ニャティ。【ニャラン】ってスキル出たにゃ?」

「にゃ?……出てますにゃ」

「「……………」」


 不安しかない。でも、どこかで試さないとなぁ。


「どうしたの?」


 ルナイラさんが声を掛けてきた。

 ジョブレベルのことやスキルについて話してみる。


「あと1か~。まぁ、街に着く頃にはカンストしてるんじゃない?【占い師】なら街で水晶とか売ってたわよ?」

「水晶かにゃ。買ってみるかにゃあ」

「スキルに関しては流石に分からないわね。試してみれば?」

「にゃ~」


 悩むぞ。でも、分からないままにしとくのもね。


「試してみるにゃ。とりあえず僕だけが使ってみるにゃ」


 立ち上がる僕。

 ナティはそれに頷き、見守る。

 ルナイラさんやフルレッドさん達も興味津々で見る。


「行くにゃ!」


 スキルを意識した途端、ポン!と右手に杖のようなスティックが現れる。

 そして、笑顔でそれを振る。


「【ニャラン】♪」


 また行動強制されるの!?

 振った杖からキラキラ~っと光のエフェクトが現れる。

 そこで体が自由になる。

 お?なんだ?


「それだけか?」

「でも、まだ光は残ってますね」

「何なのかしら」


 フルレッドさん達も首を傾げる。

 本当になんだろう?このスキルは。

 もう一度スティックを振ってみる。その先にはルナイラがいた。

 すると、光がルナイラさんに向かって飛び、包み込んでいく。

 

「にゃ!?」

「え!?何!?」


 ルナイラさんの体が強く輝く。

 そして光が弾ける。

 そこには猫がいた。


「ふにゃ?」

「「にゃ!?」」

「「ぶふぅ!?」」


 おそらくルナイラさんであろう猫は、クリーム色の体毛のシャム猫だ。しかし、頭にルナイラさんの髪を思わせる深青の鬣のような髪が靡いている。

 それに僕達は驚き、フルレッドさんやケーンさんは噴き出す。


 ルナイラ猫は自分の体を見て、グルグル回っている。

 これは人を猫に変えるのか?


「にゃあ!にゃんにゃにゃにゃあ!」


 事態を把握したルナイラさんが僕に飛び掛かってきて鳴くが、言っていることが分からない。

 やばい。効果時間とかも分からないぞ。

 

「本当にすげぇ力持ってやがんな。相手を猫に変えるってなんだよ」

「効果時間とか検証はいるでしょうがね。状態異常になるのでしょうか?」


 フルレッドさんとケーンさんは他人事の様に考えている。

 どうしたらいいですか!?

 痛っ!?爪はたてないで!?


 2分くらいすると、ポン!っと煙を上げて元の姿に戻った。

 僕を押し倒すように乗っていたので、馬乗りの姿になる。


「戻った!ナナキ!よくもやったわねぇ!」

「ごめんにゃさいにゃ!わざとじゃにゃいにゃーー!!」


 抱き上げられてギュウギュウと胸に押し付けるように腕を絞めてくる。

 柔らかい!良い匂い!でも苦しい!

 解放されて息を整えていると、ふと背中に悪寒が走る。

 バッ!と目を向けると


「にゃ~~~~~~~~~(^Φ ω Φ^)」

「ひぃ!?」


 ナティが瞳を鋭くして仁王立ちしていた。

 口から牙が見えており、両手から爪が伸びて光っている。

 御立腹でらっしゃる!?

 ちょ!?ちょっと魔が差しただけなんや!出来心だったんや!!

 

「うにゃーーーーーーー!!!!!」

「ひにゃああああああああ!!!?」


 ごめんなさい!痛!?ダメ!?顔は止めて!?爪はいやああああ!




 朝日が完全に昇り、全員が起床した。


「なんで猫助はボロボロになってんだ?」

「色々あったんだよ」

「ふぅん」


 グラトルが不思議そうに見てくる。

 それをフルレッド達が苦笑しながら誤魔化す。


 ナナキは顔も全身もひっかき傷だらけで、地面に倒れ伏している。

 時々ピクッピクッと震えているが、起き上がる様子はない。

 その横でナティが頬を膨らませて背中を向けて座っている。

 怒っているようだが、尻尾がナナキにスリスリしているので拗ねているだけのようだ。



 

 僕もなんとか復帰して、ナティの機嫌も直った。

 そして、他の場所で見張りをしていたウニャミスさん達も戻ってきた。


「とりあえず、今日1日森を探索するか」

「巣はつぶさねぇとな」


 ウニャミスさん達やフルレッドさん達は引き続き、ゴブリン討伐に従事するようだ。

 そして、やっぱり迷宮は入場禁止なった。


「少なくともキャンプ地の安全が確保できねぇ状態では行かせられねぇよ」


 とのことだ。

 仕方ないので、街を目指して進むことにした。


「キング討伐に関しては、ギルドに報告すれば報酬はもらえるぜ」

「はいにゃ」


 キング討伐に関しては、素材は全て僕が、キングが使ってた斧はベリスケさんに分けることになった。

 フルレッドさんやアルファレアさんはジェネラルの素材でいいそうだ。

 

「気ぃつけろよ」

「またね」

「今回は助かったよ」

「斧とか色々ありがとうね」

「そっちも気をつけてにゃ」



 別れを告げて、僕達はキャンプ地を出発する。

 

「きゅあ♪きゅああ♪」


 リフォンが楽しそうに僕達の周りを飛ぶ。

 まぁ、昨日はほとんど遊べなかったしね。

 

 ゴブリンが出ないか注意していたが、特に出てくることはなかった。

 あれで全部だったのだろうか。

 キングが倒されたら散り散りに逃げ出しそうな気もするけど。


 今日の目的地は村だ。

 小さな宿があるくらいで名所はない。この村の先にボスがいる洞窟がある。


 僕達が歩いていると、前から複数の人影が近づいてくる。


「お!誰か来たぞ!君達!大丈夫だったか?」


 声を掛けてきたのは、真っ黒な甲冑を身に着けた黒騎士だった。声からして男のようだが兜も被っていて、顔は分からない。

 後ろには3人の女性。

 三角帽子を被って杖を持っている黒髪の女性。おそらくヒューマン。

 弓を背負い、短剣を2本腰に差している金髪で犬のビーストウーマンの女性。

 そして、槍を持っている青い髪のダークエルフの女性。

 ハーレムだ!このリア……僕もハーレムだった。スケコマシじゃない!!

 

「にゃにかありましたかにゃ?」

「何ってゴブリンさ!昨日襲撃があったそうじゃないか!」

「にゃ。キングを倒して、今は巣を捜索してますにゃ」

「ということは、まだ生き残りがいるかもしれないんだな!よし!もう少し見回りを続けよう!」

 

 黒騎士の言葉に頷く女性達。

 

「そういえば名乗ってなかったな。俺はベルヒム!暗黒騎士だ!」


 ……暗黒騎士?鎧は確かに黒いけど……めっちゃ明るくていい人っぽいけど。

 それを後ろの女性陣が苦笑したり、呆れながら名乗る。


「疑問は分かるけどね。私はココア。【メイガス】よ」

「暗黒騎士も自称だしね。あたしはキエラ。【狩人】だよ」

「馬鹿よねぇ。フファンよ。【槍闘士】をやってるわ」


 自称なんかい!

 ちなみにメイガスはキャスターの、狩人はアーチャーの、槍闘士はランサーの上位職だ。

 ということは、ツヴァートから来たのか。


「ニャニャキですにゃ」

「ニャティですにゃ」

「きゅあ!」

「リフォンですにゃ」

「よろしくな!ニャニャキ!ニャティ!」

「多分ナナキとナティよ。ベル」


 フファンさんが訂正してくれる。ありがたい!

 

「ベルヒムさんは暗黒騎士を目指してますにゃ?」

「呼び捨てでいいぞ!そうだ!ヒールでクールなのがかっこいいだろう!?悪を以って悪を倒すんだ!」


 ヒール?クール?……どこが?

 ナティと顔を見合わせて首を傾げる。

 そしてベルヒムさん達の方を見ると、ベルヒムさんがいなくなっていた。

 ココアさんが苦笑して右を指差す。

 そっちに目を向けると、


「ばあちゃん!村の人か?今はゴブリンが森にたくさんいて危ないぞ!!」

「あらぁ、ありがとねぇ騎士様。大丈夫だよぉ。もう帰るところさぁ」

「そうなのか!なら、護衛するよ!荷物も持つよ!その方が楽だろ?」

「あらぁ、でも重いよ?」

「鍛えるんだから大丈夫さ!」


 ベルヒムさんは森の前で、山菜やらを取っていたらしいおばあさんに声を掛けて心配していた。

 ……ヒール?

 僕達は再び首を傾げる。

 どう見たって好青年の騎士だよ?悪なんて欠片も感じない。

 黒い鎧なんて気にならない位好印象だけど。


「あはははは。良い奴だよねぇ。ダークヒーローなんて出来やしないのにさぁ」

「性格的に無理よね。まぁ、見てて面白いのだけど」

「ホントにね。それさえなければホントにかっこいいのに。はぁ~」


 ココアさんが大きくため息を吐き、フファンさん達も苦笑している。

 確かにね。

 すると、


ゴアアア!


「トロール!?やっぱりまだいたのか!!ばあちゃん!走って!」  

「ひええぇぇ!?」

「行くよ!!」


 森からトロールが出て来た。

 ベルヒムさんが剣を抜いて、おばあさんを逃がす。

 フファンさん達も駆け出す。

 僕達も行こう!


「はいにゃ!」


 僕達も駆け出す。


 キエラさんが走りながら矢を放って、トロールの注意を引く。


「ニャティ!おばあさんの方に向かうにゃ!」

「はいにゃ!」


 ナティはおばあさんの方に向かって移動する。

 おばあさんは頑張っているが、やはり足は遅い。


 ある程度おばあさんが離れると、ベルヒムさん達の猛攻が始まる。

 うん。僕邪魔かも。

 僕はナティの元に移動して、トロールが抜けたときのために備える。


「これで終わりだぁ!!」

 

 ベルヒムさんが大きく叫び、剣を振り上げる。

 剣身が光り輝く。

 かっこいいね!暗黒ではないけど!!


「必殺!!あぁんこく!!【シャイニング・スラッシュ】!!」


 シャイニングって言った!?しかも、なんか前に暗黒って付けた!?

 

 トロールは光の斬撃に斬り裂かれて消える。

 キラキラキラと光の粒子が周囲に降り注ぐ。

 うん。あなたは暗黒騎士は無理だよ!!


「そりゃそうよね。だって、あいつは【光戦士】だもの。転職欄に暗黒どころか黒すら名前になかったわ。【騎士】は多分次なんだろうけど」


 暗黒どころか騎士ですらなかった!?しかもなんか勇者まっしぐらなジョブじゃない!?

 もう諦めようよ!!あなたは光に生きる人だよ!!


「中二病って奴よ。今ハマってる小説が暗黒騎士が主人公なのよ。【光戦士】になった夜とか静かに泣いてたわ」

「「……あぁ…」」


 仮想現実の世界ですら現実を叩きつけられたと。

 『君が暗黒騎士ぃ?はっ!無理無理!だって、いいやつ過ぎるもん』って感じで運営陣に言われたのと同じだもんな。

 カオルさんの戦い方見たら発狂しそうだなぁ。



 僕とナティはどこか寂しそうな背中をした黒い光戦士の姿を憐みの目で見ていた。



ありがとうございました。



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