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#48 爆発の連鎖

50話まで来ました!

さらにPV150000を超えました!ありがとうございます!

よろしくお願いします!

 一晩休んで、朝日が昇るころに起きる。

 朝ご飯を食べていると、ミクスさんが声を掛けてくる。

 なんか隈が酷くなったように見える。


「おはよう。早いわね」

「おはようございますにゃ。大丈夫ですかにゃ?」

「徹夜よ。あの馬鹿の修理でね。まだ終わらないけど」


 盛大に壊れてたもんね、マキナー。

 むしろ、なんで死に戻らないんだろう。


「体は鎧と同じなのよ。だから、コアが完全に破損しない限りは大丈夫よ」

「にゃるほど」


 いいなと思ったけど、修理できる人がいないとダメなのか。

 コアだけ神殿に戻ってもな。

 

「はぁ~。研究所に戻って、あいつの修理だけでも数日かかるわ。やってらんないわよ。あの馬鹿共」


 自爆を促した身としては本当に申し訳ない気持ちで一杯です。

 心の中で「幸運がありますように!」と祈っておく。

 聞くとベッコン博士とマキナーはもう研究所に行ったらしい。

 挨拶できなかったな。まぁ、メール出来るけど。



 ミクスさんに挨拶をして、キャンプ地を出発する。

 今日もいい天気だな。リフォンも楽しそうだ。


 今日の目的地のキャンプ地は、普通なら昼過ぎに着いて休憩地として使われている所だ。

 本来なら通り過ぎるが、そこの近くに迷宮があるとのこと。

 草木で出来ているようで、噂ではまだ攻略出来た人はいないらしい。

 理由は一定時間で構造が変わるからだ。

 マッピングをぶち壊されるため、出るのも一苦労なんだそうだ。

 しかも、四方を壁で囲まれると強制退所らしい。

 ちょっと楽しみ。


 2時間歩いていると、右手に林が見えてくる。

 それを通り越すとキャンプ地も近い。


 林に近づくと、ガサガサッ!と音がする。

 何か来る!

 剣を抜いて構える。

 直後、林から複数の影が躍り出る。


「ゴブリンにゃ!3体!」

「はいにゃ!」

「【ピット・フォール】!」


 1匹を穴に落とす。

 先頭のゴブリンに斬りかかる。

 剣って久しぶり!

 

「にゃ!にゃあ!」


 棍棒を持っているが、棍棒ごとスパッと斬れて倒れるゴブリン。

 あれ?

 次のゴブリンに目を向けると、ナティの【ライト・レーザー】で消えていくのが見えた。

 あれ?


「弱いにゃ?」

「レベルいくつですかにゃ?」


 穴のゴブリンを覗き込んで、鑑定する。

 Lv12。あれ?


「Lv12にゃ」

「トロールやイベントの魔獣達が強すぎたにゃ?」

「あ~。それもあるかもにゃあ」


 ナティが魔法で穴の中のゴブリンを倒す。

 終わったかな?と思っていると、またガサガサッと音がする。

 僕達は構えるとまたゴブリンが出て来た。


「多いにゃ!?」

「10体はいますにゃ!?」


 そうか!ゴブリンは数で攻めてくるのか!これはちょっと不味いかも!?

 すると、林の中から矢が飛んでくる。

 ゴブリンの後頭部に刺さって1体倒れる。


「にゃ?」


 その矢に続いて、白い何かが飛び出してくる。


「【フォース・セイバー】!」


 ゴブリンを斬りつけて倒したのは、白鎧を見に着けている茶髪の女性エルフだった。

 左手にカイトシールド、右手には細剣を握っている。


「こっちだ!」


 エルフ騎士は剣で盾をカンカン!と叩いて挑発する。

 ゴブリンは挟まれてしまって、こっちや向こうを見て慌てている。

 今度は林から黒い影が飛び出てきて、ゴブリンを飛び越えて僕達の近くに降り立つ。


「ウニャミスさん?」

「ごめんね!僕達が追ってたのが逃げてきちゃって!」


 どうやら彼らが相手にしてたゴブリンが逃げてきたようだ。

 ベリスケさんや地正さん達も林から出て来た。


「【タウンティング・ハウル】!」


 ベリスケさんがいきなり大声をあげて、ゴブリン達の足を止める。


「今だ!【ラッシュ・スラスト】!」

「【スイング・インパクト】!」

「【正拳突き】!」


 あっという間にゴブリンが全滅する。

 おぉ~。流石だ。

 

「ごめんね。ナナキ君」


 ウニャミスさんが改めて謝ってくる。


「そんにゃにゴブリンが多いんですかにゃ?」

「そうなんだよ。どうやら巣か何かがあるみたいでね。クエストで来たんだ」

「でも、多すぎてさ。倒しきれそうもないけど、このまま帰っても溢れそうなんだよね」

「第2の街で受けたから知り合いに連絡して、今ここでちょびちょび削りながら応援待ってるとこ」

「にゃるほど」

 

 ベリスケさん達が説明してくれる。

 大変そうだなぁ。手伝うべきか?


「その子達がベリスケ達が言ってたケット・シーか?」

「た、確かに可愛いです!」


 女性騎士ともう1人の女性が話しかけてくる。

 もう1人の方は黒髪ショートに丸眼鏡をかけており、巫女服を着ている鬼族の女性だ。

 

「っと、すまない。私はラーン。見ての通り騎士をやっている」

「わ!私は環久(かんく)です!よ!よろしくお願いします!」

「ニャニャキですにゃ」

「ニャティですにゃ」

「ナナキ君とナティさんやけんね」

「なるほど。言葉も変わるのか」


 ベリスケさんの補足にラーンさんが頷く。

 そういえば…。


「地正さんの彼女さんは?」

「あぁ。環久だよ」

「ふぇ!?ど!どうも!よろしくお願いします!」

「どうどう」


 なんかすげぇテンパってるっていうか、おどおどしてるけど大丈夫?

 こっちにすごくペコペコしてくるけど、僕達は地正さんの親戚でも仕事仲間でもないよ?

 よろしくするけどさ。


「ラーンさんは?」

「わ、私は誰とも付き合ってない!」

「ごめんにゃさいにゃ」

「い、いや、いいんだ。こっちも怒鳴ってすまない」


 ちょっと無神経だったな。反省。

 

「で?ナナキ君達はなんでここに?」

「第2の街を目指してるにゃ」

「あぁ。なるほど」

「で、この先のキャンプ地で今日は泊まって迷宮に行く気だったにゃ」

「あそこかー。めんどいんだよなー」


 カオルさんが顔を顰めて話す。

 

「どんな感じでしたにゃ?」

「敬語じゃなくていいよ。いやー分断されるし、スキルで壁を攻撃すると毒粉が出るし、トラップも結構あるしで全然進めなかったんだよ」


 なるほどなー。それは面倒そうだな。

 

「俺達も一度キャンプ地戻ろうぜ」

「そうですね」

「どう戻る?」

「森を突っ切った方が早いよね?」

「じゃあ、そうしましょうか。ナナキ君達も一緒にどう?」

「お願いするにゃ」

「やったー!」


 ウニャミスさんが喜ぶ。

 うん。あなたの後ろを歩かせてください。


 一同は森を歩く。

 妙に静かな気がする。


「ゴブリン達がほとんどの動物を食い荒らしたからね」

「結構酷いことににゃってるにゃあ」

「ぶっちゃけ、いつ村に攻めかかるか気が気じゃないんだよね」


 確かに結構な集団みたいだから食料が足りなくなってくるよなぁ。

 おぉ。結構ヤバいな。


 そこにまたゴブリンの集団を見つけた。10体くらい!

 口からは涎を流している。

 もう飢えてますね!


「いくよ!」


 ベリスケさんとラーンさんが盾を構えて前に出る。

 その後ろをウニャミスさんと地正さんが付いて行く。

 僕も走り出す。


「環久!魔法で援護!」

「うぇ!?え、えーと!えーと!」


 え。大丈夫?なんかパニックになってますよ。

 

「あいつビビりなんだよね」


 ベリスケさん達が盾で突っ込んだ所にウニャミスさんが飛び蹴りを放って、先頭のゴブリンに迫る。

 僕も続こうと前に出る。


「えと!えと!うぇあ、あ、【エクスプロージョン】!」

「え?」

「にゃ!?」


 パニックになった環久さんは目を瞑りながら、魔法を放つ。 

 その魔法名にカオルさんとナティが目を見開く。


 そして、()()()ゴブリンの真下が輝く。


「え!?ま、待って!?」

「にゃあ!?ス、【スイッチ】!」

「危ない!?【アイアン・ボディ】!」

「な!ベリスケ!?」

「【龍鱗鋼】!」


 飛び蹴り中のウニャミスさんが慌てる。

 僕はスイッチでナティのすぐ横に移動する。ここ最近、僕が抜かれてナティに敵が行った時のために交換用の石を置いていたのだ。

 ベリスケさんはスキルを使いながら、ラーンさんを抱え込んで背中を敵に向ける。

 地正さんもスキルで防御する。


ドオォォン!!


 森の中に爆発音が響く。

 僕は移動した直後にナティを抱えてしゃがんでいた。

 爆風が僕達を襲う。


「うぉい!?」

「うひゃあ!?」


 カオルさんもすぐさま木の陰に隠れるが、環久さんは風に煽られてコロコロと後ろに転がる。

 

 僕達はゆっくりと顔を上げる。

 どうやら森は燃えてはいないようだ。

 しかし、黒い煙がモクモクと上がっている。


 な、なんちゅうことを。

 ほ、他の皆は!?


 カオルさんは無事。

 地正さんも立ち上がりながら服の汚れを落としている。

 ベリスケさん達もなんとか無事のようだ。ベリスケさんは真っ黒だけど。

 ウニャミスさんは?爆心地にいたからヤバそうだけど。

 すると、上からガサガサッと音がして、僕達の近くに何かが落ちてくる。

 それは真っ黒だった。

 

「「にゃ!?」」

「……ごふっ……!」


 あ。ウニャミスさんか。真っ黒だったからビビった。死んだ?

 あ。ピクピクしてる。生きてるみたい。

 

「ごふ!」


 あ。血吐いた。肋骨でも折れて肺に刺さった?

 

「ヒ、【ヒール】」


 ナティが恐る恐る回復魔法を使う。

 うん。天使。

 

「ベ、ベリスケ!?大丈夫か!?」

「大丈夫大丈夫。鎧が焦げただけ」

「そ、そうか…。い!いきなり抱き着くな!!」

「ゴメンゴメン。慌てとったから」

「フン……ありがとう」

「はいよ」


 なんかいい雰囲気だな。

 で?元凶とゴブリンは?


「う、う~ん」


 無事のようだ。

 ゴブリンは……まだ生きてる!


「【ピット・フォール】!」


 固まってたゴブリンを2体ほど落とす。

 残っているのは4体。

 あんまり倒せてないね!?


「おらぁ!」

「はぁ!」


 ベリスケさん達も参加する。

 カオルさんも矢を放つ。


「やばい!またゴブリンが来てる!」


 ベリスケさんが叫ぶ。

 げぇ!?めんどくさい!


「……うるさいがじゃ」


 ん?誰?今の。

 ゆっくりと環久さんが立ち上がる。

 あれ?なんか雰囲気怖いよ?

 環久さんはゴブリン達に向く。


「おんどりゃーー!!おまんらぁ!!ちまちましとんじゃないぜよぉ!!!」


 何事ですかーー!?

 

「あぁー。爆発したんか」

「カオルー。眼鏡探してー」

「マジかよ。今ので割れてんじゃね?」


 よくあるんですか?

 環久さんをよく見ると眼鏡が外れていて、目つきが恐ろしく鋭い。

 うん。鬼がいます!

 

「あの子、眼鏡外れると性格変わっちゃうんだよね」


 ウニャミスさんが何とか起き上がりながら話す。

 そんなアニメみたいなことあるの?


「さっさと殺すきに!!【ウィンド・カッター】!【ファイヤー・ランス】!」


 土佐弁になった環久さんは先ほどキョドキョド感は一切なく、見事に魔法を放ち敵を倒していく。

 ベリスケさん達が戦っている合間に見事に魔法を叩き込む。

 なんで?凶暴になってるのに、むしろ上手くなってるよ?


「僕も行きます!」

 

 ウニャミスさんも前線に出る。

 僕?なんか邪魔になりそうで出れない。


「やぁ!」


 ウニャミスさんが再び飛び蹴りを放つ。

 そして、ゴブリンの中を動き回って撹乱する。


「【ウィンド・ピラー】!!」

「うえあああ!?」


 すると、ウニャミスさんがまた魔法に巻き込まれて吹き飛ばされる。

 

ドゴ!

ポキッ

ドサ!


 ウニャミスさんは木に叩きつけられて、また僕達の近くに落ちてくる。

 ポキッて言ったね。どこ折れた?


「ごふ!」


 あ。血吐いた。


「おまんは邪魔ばっかするんじゃないが!敵の中におったら巻き込むに決まっとるがじゃ!」


 正論のようで暴論である。

 助けてあげようよ。


「こいつにはこれで十分ぜよ!」


 環久さんはウニャミスさんに向かってポーション瓶を投げつける。

 頭に当たって、瓶が割れてバシャバシャと被る。

 ちょっと哀れ。


「ごめん。2人も眼鏡探してー」

「「はいにゃ」」

「カオル!おまんも矢ぁ撃つきに!!」

「はいはい」


 その後は順調にゴブリンを倒していく。

 眼鏡どこよ?


「あったにゃ!」


 ナティが茂みの中なら見つける。

 よかった。……でも、どうやって渡す?

 普通に渡したら怒鳴られそうだよね。


「倒し終わるまでは持ってて~」


 カオルさんが言ってくる。

 まぁ、怖いけどこのままが有能だよね。


「しっつこいがじゃ!この屑共が!【ウィンド・ランス】!」


 口が悪いけど、魔法の使い方は見事なもんだ。

 

「よし。終わった!」

「あ。眼鏡渡してあげて~」

「はいにゃ」


 環久さんに眼鏡を渡す。

 特に文句なく受け取り、眼鏡を掛ける。

 すると、さっきまでの雰囲気が一瞬で消える。

 そして、両目にウルウルと涙が溜まり始める。


「……またやっちゃいました~。ごめんなさい~」

「いいよいいよ。勝ったから」

「うぅ~。地さん~」

「よしよし」


 地正さんが頭を撫でて、慰める。

 うん。カップル。

 

「爆発を浴びた所は大丈夫か?」

「大丈夫だよ」

「本当か?お前は変に我慢するからな」

「我慢できるからね」

「するんじゃない」


 なんかベリスケさんとラーンさんも仲良いな。

 正確にはラーンさんの方が惚れてる感じ?


「早くくっ付いてリア充爆発しろって思うよね。ベリスケの奴、奥手なんだよな~」

「カオルさんは?」

「俺?いるよ?他の街にいるから一緒にいないだけ」

「ウニャミスさんは?」

「いるわけないじゃん」

「うわ~ん!」

 

 ボロボロの姿で崩れ落ちるウニャミスさん。

 ここにリア充爆発が3組と爆発候補が1組。

 孤独が1人。

 がんば!


 色々な爆発を見ながら、さっさと移動を開始してキャンプ地を目指す一行だった。


  

ありがとうございました。


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