#17 哀れな…
よろしくお願いします。
8日目。目が覚めたら目の前に美人がいるって最高だね!
鼻血が出そうになったのは秘密。
よく寝れたよ。ホントに。
僕とナティは朝も2人揃って食堂に降りる。
食堂にはニナがいた。
ニナはそんな2人を見て、ビシッ!と親指を立てる。
ありがたいが、僕達はニナを半目で見る。
とりあえずテーブルに座る。
ナラルスさんが朝食を持ってくる。魚の量がいつもより多い。
「ところで、2人はパートナー登録はしたの?」
ニナが質問してくる。
僕達は頷く。
パートナー登録とは、ゲーム内で恋人になったり、リアルで恋人や夫婦であるプレイヤーに対するシステムである。共同ボックスを作りお金やアイテムを共有管理にすることが出来たり、カップル限定クエストなどが発生することもある。
またイベントなども共同で参加することが出来る。
もう1つは成人以上対象であるが、性交渉が可能になる。ただし種族差は反映されるので必ずしも可能になるわけではない。
「部屋はどうする?ナナキ君と一緒にするの?」
「2人部屋は空いてるわよん。ニナちゃんの1人部屋だったらナティちゃんが泊まりに来ても十分な広さはあるわよん」
ニナとナラルスさんの言葉に僕達は頷く。
かなり恥ずかしいけど。
あの幸せは捨てれない!
そこにエリマさんが現れた。
「おはよう。ラルから聞いたよ。おめでたい話だねぇ」
エリマさんが笑顔で祝ってくれる。
ありがたい話だ。
僕達はお礼を言う。
「で?今日は?」
ニナが質問する。
今日は講義の日だ。その後に防具の受け取りを予定している。
「まぁ、今日は依頼を受けるのは難しいねぇ」
エリマさんも同意する。
4人は揃ってギルドへと向かう。
ギルドに着くとシィナさんやタマ師匠にからかわれたが、皆祝福してくれた。
ありがとう!なんか結婚した気分!!
ジェジェン先生も笑顔で講義を行う。
タマ師匠の訓練は未だにボコボコにされる。未だにかすりもしない。どんだけ強いんだ。タマ師匠。
「ひよっこが棒きれ握ったくらいじゃあ俺相手じゃにゃにも変わらんぜにゃ!」
仁王立ちして言う。
ちくしょう。でも、かっこいいな。
やっぱりタマ師匠との訓練の後は疲れ切ってしまうため、今日は大人しく帰る。
帰る途中にディノさん達と出会い、宿で食事を一緒に取ることにした。
その途中で、
「いらっしゃい!いらっしゃい!本日のみ開店!運に委ねてレアものを引けぃ!初心者応援ガチャだよぉ!1回500エンだぁ!1人2回まで!」
なんか福引をやっていた。
良い物出るのかな?
「運営からのボーナスだと。レア物は中々な装備品らしいぞ。ちなみに俺たちは全滅だな。ポーションしか出なかった。まぁ、ありがたいと言えばありがたかったがな」
なるほど。課金ガチャの格安版か。
ポーションでもありがたい。
やってみようかなぁ。
ナティと顔を合わせる。
「やってみる。ケット・シーは幸運を呼ぶともいう」
ニュウさんが促してくる。
そう言えば、幸運値高いんだよな。
ナティもオッドアイだ。
2人で引いたら凄くない?
僕達は福引の前に近づく。
店員が気づく。
「お!?噂の猫ちゃんカップルじゃないですか!いらっしゃい!」
噂になってるの!?
僕達の顔が真っ赤になりディノさん達はニヤニヤする。ニュウさんは少し羨ましそうに僕達を見ている。
「2人で一緒に回せますかにゃ?」
「構わないよ!カップルシステムはここでも生きるからね!」
大丈夫だったので1000エン払い、2人で福引のハンドルを握る。
せーのでガラガラと2つ玉が出る。玉の色は2つとも赤だった。
すると店員がベルをガランガラン!と鳴らす。
「さすがだね!おめでとう!一等賞だよ!それも2つだ!」
おぉ!?ホントに!?
他の店員が景品を持ってくる。
それは金色に輝く箱だった。
「それはレアアイテムが入ってる箱だよ!どんなレアが出るかはお楽しみ!」
僕とナティは箱をボックスにしまい、お礼を言って離れる。
ここも幸運値で変わるのかな?
「ほんとに引きやがるとは。それを2つも」
「恋人同士だから幸運値が跳ね上がってるのかもね」
ディノさんとツヴェルトさんは呆れながら言う。
だったら嬉しいな。
僕とナティは苦笑いしながら歩く。
宿の食堂に入った一行はテーブルを確保する。
「ご飯も食べたいけど、先にあの箱開けたら?」
リリリさんが提案する。
僕達は特に異論がないため、箱を取り出す。
「お互いのことを想って開けたらいいの出そうだよね」
ツヴェルトさんは先ほどのこと考えながら言う。
リリリさん達はそれを聞いて盛り上がる。
「いいじゃないそれ!恋人なんだから相手に送るつもりで開けなさいよ。じゃ、ナナキから!」
リリリさんに促されて僕はナティを見る。
うん。かわゆい。
僕はナティのことを頭に浮かべながら箱を開ける。
するとそこには、
「手袋ですか?」
シェーンさんがアイテムを見て首を傾げる。
他のメンバーも首を傾げている。
どこかで見たことがある気がするなぁ。
ナティは目を見開いている。
「あらん?【創造の手袋】じゃないん?すごいの引いたわねん」
ナラルスさんが答えを言う。
え!?これが!?
「本当に!?」
僕は鑑定を使う。
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名前:創造の手袋
Rank:S
生産行動に向いている手袋。これを装着すればヒューマンやドワーフと同じように手が器用になる。生産経験値取得量が増加する。
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マジだった。
ナティは未だにポカンと見つめている。
それを見て僕は手袋を、ナティに差し出す。
「ニャティ。生産職したかったにゃ?これが欲しいって言ってたにゃ。本当にニャティのために良いものが出たにゃ」
「ニャニャキ」
ナティはそれを見て丁寧に受け取り、胸に抱きしめる。
「ありがとうにゃ。頑張って良い物一杯作るにゃ」
「楽しみだにゃ」
僕は笑顔で答える。
本当に楽しみだ。
「次はナティ」
ニュウさんが促す。
ナティは箱を持ち、ナナキを想いながら開ける。
そこには、
「ブーツ?でも…なんか」
「ボロいな」
リリリさんとディノさんが正直に言う。
それはブーツだった。しかし、所々ほつれていたり染みがついている。
「これがレアアイテム?」
ツヴェルトさんも首を傾げる。
ナティは顔を青ざめて呆然としている。
ナナキを想って開けた結果がボロイブーツ。
先ほど最高の贈り物をしてもらっただけに最悪だ。
ナティは大粒の涙を流す。
周りは慌てる。
「ニャティ」
僕はそのブーツを受け取り、身に着ける。
「似合うかにゃ」
僕はナティに尋ねる。
ナティ達は答えられない。
流石にお世辞にも似合うとは言えなかった。
「ごめん…にゃさい」
ナティは泣き止まない。
「大丈夫にゃ。これ。ただのアイテムじゃにゃいにゃ」
ナティは僕を見る。
「鑑定したにゃ。そしたらランクが不明だったにゃ」
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名前:薄汚れた靴
Rank:??
使い古された靴。特に効果はない。
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うん。なんかあるよね。絶対。
「ハズレだとしても、ランクが読めにゃいことにはにゃにかしら意味があるはずだにゃ。ニャティが僕のために出してくれたアイテムにゃ。絶対ただのハズレじゃにゃいにゃ。だから、ありがとうにゃ」
僕の恋人が選んだものがこんなものか!
ナティにはナナキの言葉を全てそのまま受け入れることは出来なかった。でも、この優しさを無駄にはしたくない。
ナティは笑顔を見せる。
「生産レベルが上がったらきれいににゃおしますにゃ」
「うん。そのときはお願いするにゃ」
僕とナティのやり取りに周りはホッとする。
ナラルスさんが料理を持ってくる。
「よし!じゃあ、ナナキとナティの幸せを祝って!乾杯だぁ!」
「「「「乾杯!!」」」」
今日の晩御飯ももちろんおいしかった。
9日目。大好きな恋人に最初に挨拶できる幸せな朝だ。
女神様!僕は幸せですだ!!
僕達は一度ログアウトする。
リアルはまだ18時過ぎ。まだ晩御飯はいいやと思い、裕南はトイレに行く。
再びログインする。
ナティもちょうど起きてきた。
2人で食堂に降りて朝食を食べる。
オグマとラドンナが降りてきて今日は一緒に行動できると言ってきた。
今日は装備をもらってクエストに行く予定だったので一緒に動くことにした。
僕達はドガンガさんの店に行く。
「来たか。出来てるぞ」
ドガンガさんは装備を渡してくる。僕は受け取り装備する。
「おぉ!」
上半身は白色の革の胸甲の上に7分袖の紺色ジャケット。下半身は青の半ズボンに脛当てだ。意外とブーツにも合う。
冒険者っぽい!
「かっこいいにゃ」
ナティはうっとりと僕を見る。
お気に召したようだ。
ナティも脛当てを受け取り装着する。
金額はナティのも合わせて3700エン。お手軽な値段に感じるがリンゴの値段を考えると恐ろしい金額である。
ドガンガさんに礼を言い、店を後にする。
僕達はギルドへと向かう。
ギルドに入ると人々の視線がこちらを向く。
デコボコの4人組は目立つだろう。
クエストを見ようとクエストボードに近づく。
ボードの前にはある4人組がいた。
話し声が聞こえてくる。
「あぁ~。どうしよ~。お金ないよ~」
「そりゃ、あんだけ死に戻ればお金なんて無くなるに決まってるでしょうが」
「装備じゃなくてフィールドに散財しても意味ないよ?」
「というか、なんで先輩そんなに死に戻れるんですか?馬鹿なの?おかげで全然レベル上がらないじゃないですか~」
1人が嘆いており、他の3人が攻め立てているようだ。
どうやらクエスト失敗が続いているようだ。
死に戻るとお金も減るんだよね。
ふと嘆いている人に注目すると。
「ケット・シー?」
「うん?」
4人組が振り返る。
すると嘆いていた人が目を見開き声を上げる。
「あぁ!?本物のケット・シー!?いいなぁ~。やっぱりかわいいなぁ~」
その人は猫の姿をしているが身長はタマ師匠よりも大きい。それに猫語でもない。
(これがウェア・キャットか。あんまり似てなくないか?)
誰だ!似てるって言った奴は!顔を引っ掻いてやる!
オグマだったね!じゃあ、許す!
なんか暗いオーラを出して近づいてくる。
ナティが少しおびえる。
するとそのウェア・キャットの後ろから手が伸び、襟をつかまれ引っ張り上げられる。
「ぐぇ!?」
「なにしてんですか、この変態。俺らも同じ目で見られるでしょうが」
掴み上げたその人は熊の顔をしていた。
でも、なんかかわいいな。怖くない。
熊はこっちを見て頭を下げる。
「すいません。この人ケット・シーになりたかったみたいで。今はちょっとストレスで暴走気味なんです」
僕は警戒を解く。
あぁ、猫好きなんですね。
「種族の選択肢はランダムですからにゃあ。仕方にゃいですにゃ」
僕は理解を示す。
熊は再び頭を下げる。
「ありがとうございます。ほら、フレンドになりたかったらちゃんとしてください」
熊はウェア・キャットを後ろに放り投げる。
扱い雑だな!
「痛い!?」
「はぁ。改めて。俺はベリスケといいます。種族はこの通りウェア・ベア。ファイターやってます」
ベリスケは身長はオグマより頭1つ分低い。体は大きく茶色の体毛で覆われている。手は人間と似た形だが爪は鋭い。ノースリーブの重鎧を身に着けており、背中にはバトルアックスとカイトシールドを背負っている。
顔は穏やかそうに見える。熊の表情なんて分からないけど。
「俺は地正。ジョブは侍。よろしく」
地正はTHE侍である。黒髪のサムライヘアに黒の裃。灰色の羽織を着ている。背中には2m近くの野太刀を背負い、腰には脇差が一振り。頭からは角が生えている。カラナとは形状が違うが鬼族だろうか。
「ども。俺はカオルです。ジョブはアーチャーです。よろしく」
カオルはマッシュ風の青髪。両眼の下から頬を通って1本ずつ黒いラインの入れ墨が入っているが見た目はヒューマンだ。黒いマントを着ており、下は革の軽鎧を着ているようだ。背中には弩とショートボウが見える。
そしてベリスケは猫人を指す。
「で。あの人はウニャミス。種族はウェア・キャット。なのにジョブをキャスターにして失敗ばかりの人。猫好きのロr…変態」
なんか言い直したけど言い直せてない気がする。
ウニャミスはアメリカンショートヘアモデルの黒猫。鼻から口までは白毛だ。手は毛に覆われているけどやはり人間に近い。キャスターということで黒のローブを着ている。
でも、ライカンスロープって魔力低いって言ってなかったっけ?
僕はウニャミスさんを見て、首を傾げる。
それをカオルさんが気づく。
「あぁ。うん。この人ケット・シーに近づきたいからってキャスターにしたはいいけど、魔力が低くてすぐに魔力切れになるし、後衛職にしたからライカンスロープの身体能力活かせなくて死に戻りまくってる」
「なにがしたいんだい?こいつ。」
「俺らも理解できてないですー」
カオルさんの言葉にラドンナが容赦なく切り捨てる。
カオルさんもそれに同意見らしい。
それはちょっと困るな。
それにウニャミスさんが吠える。
「だってケット・シーが羨ましいんだもん!」
全員が呆れている。
だからってキャスター選んでもダメでしょ。
ベリスケさんがため息を吐く。
「はぁ。うちの猫が申し訳ない。ほら。行きますよ。お金ないんでしょ」
あぁ。手伝ってあげてるのか。大変だね。
ラドンナが憐みの眼を向ける。
「大変だねぇ。何かあったらいいな」
僕達はベリスケさん達とフレンド交換をする。ウニャミスさん以外は。
「あれ?俺は?俺まだ交換してないよ?」
「あんな変態なことして交換してくれるわけないでしょ。諦めてください」
「嫌だぁ~。猫君たちと交換したいよ~」
「無理だから。ほら行くぞ」
ウニャミスさんは暴れるもベリスケさんや地正さんに却下される。
いってらっしゃ~い!
僕達は4人を見送る。
「色々哀れだな。あの4人」
オグマがそう締めくくる。
それを僕達はもちろん、見ていた他の冒険者たちも頷いて同意する。
僕達は改めて依頼を探す。
「なんだ?随分ちっさい猫とでっかい野郎共だな」
後ろを向くと男の2人組がいた。
僕とナティは、またかと思う。
ラドンナが応対する。
「なんか文句あるのかい?種族は色々いるんだ」
「そんなちっこいのに何ができるんだよ。ペットになりたいなら他でやりな」
僕はちょっとイライラしてきた。なんでケット・シーになっただけで、ここまで馬鹿にされなければいけないのか。
ナティは僕の服を掴む。
少し不安そうだ。前回のことを思い出したのだろう。
「なんだ?付き合ってんのか?マジかよ。猫だぜ?どこがいいんだよ目ぇ大丈夫か?」
男がナティに顔を向けて鼻で笑う。
……イマ、ナンテイッタ?
周りもさすがにイラっとしている。
オグマとラドンナも睨みつけている。
しかし、それ以上にキレている人がいる。
「少にゃくとも、あにゃたたちよりはいいにゃ」
「あ?」
全員がナナキを見る。
「目が節穴、っていうか失明してるかにゃ?ニャティをよく見るにゃ。金と銀のつぶらにゃ瞳にかわいらしい口元で間違いにゃく美人にゃ。にゃにごとにも一生懸命で僕のために鍛冶師目指すって言ってくれる素晴らしい人にゃ。お前たちにそんにゃ人はいるかにゃ?あっ、いたらむさ苦しい男2人でいにゃいか。しかもニャティをバカにしたけど、自分達はヒューマンにもモテにゃいにゃ?だって大してカッコ良くもにゃいのに、おんにゃを選べる気でいるにゃ。そんにゃ痛い奴近づきたくにゃいにゃ。もしかして、剣で敵倒す俺かっけ~、かにゃ?ぶふ~。ここではみんにゃおにゃじように剣や魔法で戦ってるのに?恥ずかしいにゃ~」
一息に相手を貶す。
全員がナナキを見て唖然としている。
馬鹿にされた男は徐々に理解できたのか顔が赤くなる。
「てめ『あれ?もしかして怒ったにゃ?ということは図星にゃ?まさか!ここに来る前にニャンパして失敗したかにゃ!?キモイとか言われたにゃ?ニャティやラドンニャさんみたいにゃ美人をバカにするんだから、さぞかし美人さんに振られたんだにゃ~。八つ当たりはカッコ悪いにゃ~。あれ?もしかして剣を抜く気にゃ?女性に振られたのがほんとだからって剣抜いて人斬りににゃるにゃ?』」
相手の言葉をナナキがさらに被せる。
男は剣を抜こうとするが、それをさらに馬鹿にされて抜きにくくなった。
「ナ、ナナキそろそr『にゃ?(^Φ ω Φ^)』…いや、なんでもない」
オグマが止めようとする。しかし、眼は見開かれ瞳孔が細くなっており、口が少し開きそこから牙が見えているのを見る。それを見てオグマは引っ込んでしまう。
ちょっと今は邪魔しないで!
今度はラドンナが声を掛ける。
「ナナキ。これ以上は挑発行為だ。ほら。エリマさん達も見ているよ」
僕はオグマに向けた表情のままカウンター近くにいるエリマさん達を見る。
エリマさんとシィナさんは2人揃って目が合った僕にしっかりと頷き、親指を立て首を掻っ切る動作をする。
僕はそれに頷き返す。
お許しは出た。
覚悟せぃやぁ!!
ラドンナは慌ててエリマさん達に近づく。
「ちょっと!何煽ってるんだい!?」
「いいじゃないか。ああいうことにも慣れていかないとねぇ」
「そうよ~。他の街では職員が守ってくれなかったり~むしろ言い返さないと逆に評価下げたりするところもあるわ~。言えるときは言わせればいいのよ~。それにちょっとあのナナキちゃん止めるのは怖いし~」
「そっちが本音かい?」
エリマさんとシィナさんの言葉にラドンナが呆れる。
許可を得た僕は男に近づく。
男は後退る。
周りはナナキの雰囲気に圧倒されているが、それでも男に対しては蔑みの視線を送る。
男はそれに気づき、顔を真っ赤にし拳を握ったり開いたりするが結局何も出来なかった。
「くそが!」
男は振り返りギルドを後にする。一緒にいた男はため息を吐き、僕に頭を下げて男の後を追う。
う~ん。まだ許せないが。
僕はナティに振り返る。
「大丈夫だったかにゃ?ニャティ。もう大丈夫にゃ」
「大丈夫ですにゃ。ありがとうですにゃ」
ナティは笑顔でお礼を言う。先ほどの僕の様子はあまり気にしていないようだ。
それを見てラドンナとオグマは。
「お似合いだねぇ。さっきの奴もちょっと哀れだねぇ」
「とりあえず、ナナキを怒らせないようにしよう」
その言葉に周りの全員が同意する。
ナナキは怒ると止まらないし、『止まらせない』です。
静かな人が怒ると怖いし、ちょっとめんどくさいですよね(笑)
ありがとうございました!




