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絶対相愛  作者: 漆黒豹
2/2

変態少女



「んっ…」



眼を開くと見たことない光景。

あれ…、俺確か…。

あぁ、ストーカーにつれていかれたんだ。



「あの野郎…」



俺はチッ、と舌打ちをして部屋を見渡した。

意外に普通の家だった。キッチンやテレビ、ソファー、机、椅子…。なんか、友達ん家に泊まったときの感覚だ。



由香里(ゆかり)~、起きてる~?」



少しばかり低い声が聞こえる。




「ハーイ、ママ!」




女性特有の高い声が俺の耳に響いた。

しかも、すぐ隣から…



「おま…誰だよ」



俺は少し距離をおいて''由香里''と呼ばれた少女を思い切り睨み付けた。ふわっとした焦げ茶の長い髪、白くて雪のような肌、ぱっちりとした瞳に桃色の唇―――…

世間一般ではコレを''可愛い''というのだろうが今の俺には恐怖の対象でしかない。



「私?

昨日、キミのあとをつけてたストーカーだよ」



やっぱりコイツだったのか。

俺は先程まで寝ていた白いソファーに顔を埋めた。



「私は山仲由香里(やまなか ゆかり)。中学二年生」



そして彼女、由香里はにこっと笑った。

って…俺よりも年下!?



「さっきのは私のママよ。驚かせちゃったかな…?」



驚いたもなにも、気味が悪い。最近の中学生って怖いな。



「あ、ちなみにここは私の家。これから竜貴くんにはここに住んでもらうから」




「ふ、ふざけんなっ!!誰の許可とってンなことやってるんだよ!!」



そう叫んで訴えれば由香里はふふっと微笑んだ。



「許可?好きなひとを監禁するのに許可なんているのかしら?」



「ってめえ…!」



「あなたはこの家に監禁されたの。この私に、ね?そのことをよーく頭に刻み込んどきなさい」



有り得ない、有り得ない。

なんでわざわざ監禁場所を自分の家にしたんだ。親だっているのに。


それを聞けば由香里は「親はあなたを私の彼氏だと思ってるわ」 そう答えた。ふざけてる。



「おい、ガキ。今この家から出してくれんなら警察には言わねーし、親にも言わねえ。」


「……なぁに?それで主導権を握ったつもり?

残念ながら今捕まってるあんたには警察に言うこともできない。ましてや親なんかはそんな話信じるわけないでしょ。彼氏を監禁、なんてねえ。」


「…………狂ってんだろ。」



見た目は可愛い可愛い中学生。学校ではさぞかしモテるだろう。だが中身は悪魔…そう、悪魔の様な……。


「ふふっ…いい?

あなたは絶対私を好きになる…分かったかしら」


「…ははっ……残念ながらガキなんか好きになんねぇよ」


「ふぅん…まぁいいわ。これからよろしく。私のことは由香里ってよんで」


「……嫌だね。監禁なんてまっぴらごめんだ。」


「…………あらそう。でも、逃がすわけにはいかないの。逃げられるもんなら、逃げてみなさい。」



そう言って由香里は螺旋階段を登って二階に行ってしまった。「逃げられるもんなら、逃げてみなさい。」?上等だ。俺はソファーから身体を起こして逃げる策を考えはじめた。



「|(そういや、何で手枷とかなかったんだろ…)」









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