第60話 魔王の娘
「レオン様!」
冒険者ギルドに入ると。
受付嬢が慌てて駆けてきた。
「どうしたんです?」
「王都の外で……」
「?」
「魔族の少女が保護されました」
「魔族?」
俺は驚いた。
王都へ向かう。
そこには。
銀色の髪。
赤い瞳。
小さな角。
美しい少女がいた。
年齢は。
俺と同じくらい。
「……」
少女は俺を見る。
「あなたが……レオン?」
「そうだけど」
少女が立ち上がる。
そして。
いきなり剣を抜いた。
「――殺す」
「え?」
――ガキィィィン!!
俺は反射的にアストラで受け止める。
「ちょっと!」
少女はさらに攻撃してくる。
速い。
強い。
「……!」
俺は驚いた。
彼女の剣術。
年齢からは考えられない。
「お前、誰?」
「……」
少女は答える。
「私は――」
赤い瞳が俺を睨む。
「魔王の娘、アリシア」
「……魔王の娘?」
アリシアは剣を構える。
「父上の命令で――」
「あなたを殺しに来た」
俺はため息をついた。
「また面倒なことになったな……」
しかし。
アリシアは。
俺を睨みながら。
小さく震えていた。
俺には分かった。
彼女は。
本当は――
俺を殺したいわけじゃない。
その背後には。
誰かに操られているような。
黒い魔力がまとわりついていた。
俺は神剣を握る。
「……アリシア」
「何」
「お前」
俺は彼女を見る。
「助けてほしいんじゃないか?」
アリシアの目が。
大きく見開かれた。




