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第56話 アクアの記憶
アクアは震えていた。
「アクア?」
「怖い……」
俺は手のひらに乗せる。
「大丈夫」
「……うん」
「何を思い出した?」
「分からない」
アクアは首を振る。
「でも……」
「でも?」
「誰かが、ぼくを逃がした」
「誰か?」
「女の人」
俺は女神を思い出す。
「銀色の髪?」
「……たぶん」
全員が黙った。
リーゼが口を開く。
「もしかして……」
「女神と関係が?」
「分からない」
その時。
アストラが突然輝いた。
《神核との共鳴率上昇》
《記憶領域への接続を確認》
「アクアの記憶に接続できるの?」
《可能》
「じゃあ――」
《ただし危険》
「……」
《所有者の精神にも影響する可能性あり》
俺は少し考えた。
そして。
「やめておこう」
リーゼが驚く。
「いいの?」
「ああ」
俺はアクアを見る。
「無理に思い出す必要はない」
「レオン……」
「いつか自然に思い出せばいい」
アクアが。
俺の指に触れる。
「ありがとう」
その小さな声を聞いて。
俺は笑った。
「仲間だからな」




