第21話 王城で待っていた国王
王城。
俺は初めて、この場所に足を踏み入れた。
「……広いな」
思わず声が出た。
王都の中でも一際大きな建物。
白い石で造られた城壁。
巨大な門。
そして、その奥には何本もの塔がそびえ立っている。
「レオン、そんなに珍しい?」
隣を歩くセレナが笑う。
「だって初めてだから」
「そうよね」
セレナは嬉しそうだった。
どうやら俺が王城を見て驚いているのが嬉しいらしい。
一方。
エリシアは少し緊張していた。
「エリシア、大丈夫?」
「はい。ただ……」
彼女は王城を見上げる。
「まさか自分が王城に入る日が来るとは思いませんでした」
「俺も」
「レオンはもっと緊張してください」
「なんで?」
「王城ですよ?」
「でも普通の建物じゃない?」
「…………」
エリシアが黙った。
セレナが笑う。
「ふふっ。レオンらしいわ」
そんな話をしているうちに。
俺たちは大きな扉の前まで来た。
「こちらです」
騎士が扉を開ける。
――ギィィィィ……。
その先にあったのは。
巨大な謁見の間。
赤い絨毯。
左右に並ぶ騎士。
そして。
一番奥。
高い場所にある玉座。
そこに一人の男が座っていた。
金色の髪。
鋭い青い瞳。
堂々とした体格。
彼が――
アストリア王国国王。
アルフォンス・アストリア。
俺たちが前まで進むと。
国王が口を開いた。
「レオン・アークライト」
「はい」
「顔を上げよ」
俺は顔を上げた。
国王と目が合う。
その瞬間。
俺は感じた。
――強い。
もちろん俺ほどではない。
だが。
普通の人間とは比べ物にならないほど鍛えられている。
そして。
「……なるほど」
国王が呟いた。
「お前が、黒龍を倒した少年か」
「はい」
「そして昨日、王都を襲った魔獣を一人で消し去った」
「……まあ」
俺は少し気まずくなった。
国王はしばらく俺を見つめる。
そして。
「一つ聞きたい」
「なんでしょう?」
「お前は――何者だ?」
謁見の間が静まり返った。
俺は少し考える。
何者。
転生者。
神様から力をもらった人間。
でも。
そんなことを言えるわけがない。
だから。
「ただの冒険者です」
そう答えた。
国王は。
「……そうか」
小さく笑った。
「では、そういうことにしておこう」
え?
国王は何か知っている?
俺が疑問に思っていると。
「昨日、王都を守ったこと」
国王は立ち上がった。
「その功績に報いる」
そして。
国王は告げた。
「レオン・アークライト」
「お前に――」
「王国名誉騎士の称号を与える」
「……え?」
俺は固まった。




