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管理人部屋

管理人部屋は屋敷の東側、

一階の入り口から入って左にあった。


部屋の中は使っていないようで、

家具にはちぎれた布がかけられていた。

2人で取り払い、様子を伺う。


寝床になる粗末な作りのベッドと、小さな事務机、

朝日が見える小さな窓、

それから外部へ繋がる扉が一つ。


窓と扉を開けようとすると、妖精はそっと手を添える。

時間を経ているが軋みも何も無いように

問題なく開いた。部屋の埃が舞う。



「全部の部屋を掃除するまでは、ここを住まいにしてね」


妖精は続けて


「私に名前を付けてもらえるかしら。

ギルドへの依頼達成はひとまず通るから」


ダンは困惑した表情で見返す。


「長いおつきあいになれると、いいなぁ」


ニコニコと微笑む彼女をみて

真っ赤になったダンは必死に名前を考える。


「……シルフィ」


春のそよ風のように優しい、とまでは言えなかった。

ようやく名前らしい言葉が出るのに

結構長い時間がかかったのは内緒だ。



気まずくなった彼は外へ繋がるドアを開けると

小さな厩舎の入り口へ繋がっていた。

屋敷の隣で荷車が入れそうな広間と

4つ分の馬房がある。

積まれたわらの中から小さな女の子が

飛び出してきた。


「新しいご主人様?私ここに居ても良い?」


シルフィはエプロンで女の子の顔を撫でながら説明する。

「新しい名前を付けてもらうの。この子も私と同じ」


女の子は不安気にシルフィの服を掴む。


「君の名はリーフ。シルフィの妹分だよ。

風が優しいのは、君がいるからかもしれない」


嬉しいと咲く様な笑顔が返ってきた。

シルフィは静かに微笑んでいる。





たくさんの作品の中から、本作を読んでいただけて嬉しいです。

ありがとうございます。

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