第十八話
あくる日早朝の東京調布。涼は都宮軍本部の一階ロビーにいた。
そして、午前8時になると職員たちがゾロゾロと入ってきた。それと一緒に涼も動き出す。
だが彼はこれから何が起こるのか解らなかった。
[総司令官執務室]と書かれた木の板がついてるドアの前に立っていた俺だが、意を決してノックする。
「あぁ、真田卿か。入りたまえ」
中から優しそうな男の声が聞こえる。
「失礼いたします」
そしてドアを開けると、都宮軍総司令官である南原将剛が立っていた。その横には政府の官僚らしき人物が2人。案外広い部屋には多くの報道関係者が。カメラを俺に向けてきた。
「これより、都宮軍青年志願兵真田涼への表彰と、軍人階級の授与を行う」
カメラのフラッシュがまぶしい。
夏の陽光が大きな窓に差し込んでいた。
表彰は、敵兵撃破数最高記録更新についてであった。その日彼が来ていた軍服に、金の勲章が付けられた。
軍人階級の授与。
「真田涼に、都宮陸軍伍長の位を与える」
その瞬間、報道陣はザワザワして涼を見て、涼自身も軽く困惑していた。
でも、司令官は涼に耳元で
「心配するな。卿の実力なんだから、これくらいできるはずだ。自信を持て」
司令官は、自らの手で勲章の下に伍長のバッジを付けたのだった。
その夜、涼は宿舎の退去手続きを済ませ、少ない荷物をタクシーに詰めて葛飾の家に向かった。
そして、美百合に朝の話をした後、こんな話をした。
「なぁ、ここは調布からは遠いから、国で剣術道場として管理してもらうように朝の式の時に官僚のおっさんに頼んだんだ。そして、みんなで調布の軍本部に近い賃貸マンションに住もう。家賃も高い物ではなかったから」
「賛成ぃ!あ、でもこの娘達どうしようか?」
「まぁ、同居でいいんじゃない?」
そして夜の為布団で寝ている2人の横で口論すること1時間。
「まぁいいか、二人専用の部屋を作ってあげるか」
こうして話はまとまった。
だが、これで話が終わったわけがないのは言うまでもない。
そして次の日。国が管理するため少なくなった荷物をトラックに乗せ、俺と3人はタクシーで調布に行った。(政府の軍事省は市ケ谷にある)
タクシーの中での話。
「「美百合さん、私を助けてくれたのは真田涼って人って言いましたよね。どこにいます?」」
「いるよ。このタクシーの中に」
「「え?」」
俺はタクシーの全席にいたのでびっくりしたのが運転手に伝わって左右に揺れた。
「「あなたなんですね!ありがとうございます!」」
「ああ、うん…」
「わたしは九重理沙です」
「藤永・ローズ・マグワイアです」
「え?君たちはいったい何をしてたの?」
「「まあ、あとで。それよりほら、我が家ですよ」」
「あ、もうすぐだ」




