第九話
輸送機で
さあ演習に
出発だ
「なあMoka]
「なんですか?御主人様」
「演習の予定とか、何も言われてないよな」
「いや、もうこの端末に入ってましたよ。訓練所を出てその日の20時までに輸送機に乗ってください」
「荷物の準備は?」
「まあ、全部端末に入ってましたよ。私から言えるのは、予定と準備くらいですかね。後の細かいとこは現地で話があると思います」
俺はさっそく準備に取り掛かった。
「えーと、バトルサポーターのみ?」
ほんとに、画面には[持ち物…バトルサポーター]と書いてある。
「何の手違いでもないですよ。ほぼ本番を意識してますから。あとはあっちで全部支給でしょう」
「ほぼ、というよりかは… 完全なる手ぶらだな」
20時まではたっぷりあったが、準備?を終えた俺は早くも輸送機に乗ることにした。
涼が向かうころにはすでに搭乗案内が始まっていて、何人かが乗っていた。涼は、[演習兵・青]と書いてある所の椅子に腰かけた。青とは、青年志願兵の略だ。某航空会社のエコノミークラスといったところか。涼はMokaに今後の予定を聞いた後、20時まで寝た。
ちなみにこの輸送機A36ストークは、3枚の翼を2対持ち、全長95mの大きな兵員輸送飛翔機だ。なお、「飛翔機」は「空中機」「飛行艇」などと同じ意味を持つ。
午後20時、離陸のアナウンスが入った途端涼は起きた。今日訓練所を出た青年志願兵は少ないので、涼の隣はおろかその列には誰も座っていなかった。
《間もなく離陸します。衝撃に備えて下さい》
涼はベルトをしていなかったことに気付きあわてて締めた。
《垂直離陸ノズル正常作動確認、魔導エンジン正常作動確認》
機体の下から青白い炎(魔導エネルギーによる波動)が出て、機体がガタガタと揺れる。
《4,3,2,1,離陸》
地面と接触していた時の揺れはなくなり、高度はどんどん高くなって行く。
東京から山梨まで空を使う未来人の神経を疑いながら、涼は着陸までのんびり過ごした。
この間に今後の予定を説明しておこう。今から行うのは陸軍の演習で、「死者が出やすい塹壕戦闘」を予想してある。これを1か月間行い、そのあとに茨城鹿島へ移動、海軍との合同演習だ。そこでは本海軍の提督である津山巧狼司令官が自分で考えた「獲られた土地を取り返す為の戦闘」を予想してある。
そうこうしてる間に、涼たちを乗せた輸送機が着陸した。
現地で待っていた人たちが、俺らが1か月間過ごすことになるテントに案内してくれた。
「君を担当する上官が、話があるって言ってるよ。今日中に行った方がいい」
「はい」
俺は、こんな情報どこから入手してくるのか考えながら、上官の寝るちょっといいテントの前に来た。
「おお、真田か」
「話ってなんですか?」
「案内の奴に来るよう言われたのか。話が早い。入れ」
俺が中に入ると、上官は単刀直入に言った。
「今回の演習、お前のスキルの『神運』は使用禁止だ」
次回には
涼の特技が
明らかに?




