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湧き上がる羞恥心

「煽りすぎって言われても、私はただ大和とたくさんイチャイチャしたいだけなのに……」


 麻那が私の事を思って怒っているのは分かったが、いまいちどうして怒られているのかピンと来ていなかった。

 煽りすぎと言われても、私は本気で大和とイチャイチャしたかった、ただそれだけなのにどうして怒られなければいけないのだろうか。


 それに麻那が最後に放っていた『犯される』と言うものが一体どう言う事を言っているのか、理解できなかった。



 これらの事を考えている事がきっと私の態度やら仕草で出ていたのだろう。


「まぁそうだろうね。うん、知ってたわよ、梨花が特に何も考えずに城廻にアプローチして

 たのは」


 そう言って麻那は大きくため息をつく。


「失礼な! 今日はちゃんと、どんな事をしたら大和をドキドキさせられるか調べてからイチャイチャ始めたもん! 何も考えてないなんてことは無いもん!!」

「今日は、ちゃんと、ねぇ……」

「何よ。何かおかしいの?」


 麻那の態度にムッとした私は思わず反論をした私だったが、彼女は目を細めて私を見定めるような口調で声を出す。

 そんな彼女に私は思わずたじろいでしまった。


 しかし、そんな私の気を知らずに不意に遠い目をする麻那。


「いや、普段は対戦相手の映像を見るのも嫌がってたのに、そんな梨花が積極的に調べ物とは、本気なんだなぁって思ってさ。ちょっと、城廻が羨ましいよ」

「勉強は嫌いだけど、大和には嫌われたくないもの」

「そうみたいね」


 どうやら、普段と私と今日の私とを見比べていたようだった。

 そしてその違いにも理解してくれたようで、優しい目で私を見つめる。

 一体、麻那の瞳にはどんな私が写っているのか気になったが、それを聞くことは叶わなかった。


 その代わりに麻那が私にとある質問をしてくる。


「ちなみに、どんなのを調べてるの? 私にも見せてよ」

「え、うん。いいよ〜。昨日、二年生の子に教わったサイトだけど、結構ドキドキしちゃう内容があって、大和とも早くやってみたいのばかりで困るんだよね〜」


 そう言って、私は麻那のご要望通りに今日お世話になったサイトを私のスマホの画面で見せた。

 そのまま私はスマホを操作して、サイトの中身を麻那に見せてあげる。


 初めこそ、「どんなのを参考にしてるのか、チェックしてしんぜよう」と面白ろおかしな言葉を口にしながら見ていたが、段々口数は減っていき、横目で見る麻那の視線が厳しいものになっていくのを感じ取っていく。


 そしてそのまま、スマホの画面を手で覆うと

「うん、このサイトはアンタには早いわね。すぐに消しなさい。あとついでに、このサイトを教えた後輩も後でここに連れて来て」

 ジッと、まっすぐ私を見つめてきた。


「えっと……一体、どうしたの?」

 一体全体、どういう事か分かっていない私は首を傾げて麻那に問いかける。



「端的に言うと、城廻がアンタを襲いかけたのはこのサイトが原因よ」

「えっと、どゆこと?」

「これ、男の人をエッチな気分にさせる為の仕草をするように書いてあるのよ」

「えっとぉ……つまり……?」

「ムラムラ、しちゃったんだろうねぇ」

「エッチな気分……ムラムラ……」


 麻那はしつこく問いかける私にめげる事なく最後まで説明してくれた。

 それはもう、わかりやすく、噛み砕いて。

 しかし、私が理解するのには少しばかり時間がかかり、最終的に私が反応するのに三十秒ほどがかかっただろう。


「はえ……!!!?」


 部屋にただただ間抜けな声が響き渡る。

 それと同時に、急激に羞恥心が全身に湧き上がってきた。


 大和の背中に胸を押し当てていた時以上の、羞恥心。

 自分が一体どんな事をしていたのか、改めて思うととても恥ずかしい。

 恥ずかしくて仕方ないが、私の無知で大和を苦しめていたとしたなら、恥ずかしい以上に悔しさも湧き上がる。


 そして、またしてもその感情は麻那に読み取られる。

「……やってて自覚は無かったみたいね。よほど余裕が無かったのか、それともまだ性に無頓着か」

「あ、あはは……」


 笑い事ではないが、もはや笑うしかなかった。



 が、私の性知識の無知さとは別に、気になる事があった。

 それは麻那がさりげなく口にした後輩の事だ。


「でも、どうして私にこのサイトを教えてくれた後輩を呼び出す事にしたの? 親切で教えてくれたのかも知れないし」

「親切ならそれでいいんだけど、それにしてもどこで知ったのか把握はしときたいのよ。一応、まだ部長としての実権は私にあるわけだし」


 不安になり私は後輩について聞いてみるも、彼女自身そこまで大事おおごとにするつもりはないらしく、ただの事情確認のつもりらしい。


 そんな麻那の慎重さに私は感心せずにはいられなかった。

「相変わらず麻那は真面目だね」

「梨花がだらしないだけよ」

「麻那がしっかり者過ぎるからだよ〜」

「はいはい、そう言う事にしといてあげるから、早く連れてきなさい」

 そう言って、麻那は私を部屋から突き出し、私に問題のサイトを教えてくれた後輩を連れてくるように指示を出す。


 私は、「はいはーい」と言って後輩の部屋へ向かう事にした。


「……あまり早く大人になろうとしないでね、梨花」


 去り際に麻那が何か言っていたが、その言葉の真意はまだ私には分からないのだった。



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