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出たな暴力男!! 許さん!!

 シャーリーさんの言っている意味が上手く理解出来なかった。

 魔法瓶? 戦闘になる?

 さっきの昔話から察するに、彼女にはもう誰が破壊神か知っている口ぶりだ。


「魔闘隊ってのはね、要は災厄や厄介な魔物を相手にする戦闘のスペシャリストの事よ。彼らはエーレだけでなく、世界中の危機を救いに日々飛び回っている」


「……初めて聞きました、そんなのがあるのですね」


「ええ、エラッソ嬢やコリー、恐らくブルグ家の人間も知っているでしょうね。私は何度か一緒に仕事をしたことがあるから面識があるだけで、殆どの一般人はその名前さえも知らないでしょう。この国で1番と言って良い程の秘密結社とでも言えば良いのかしら」


 シャーリーさんは準備が出来たのか、外に出ようとしている。

 私も店にある、ありったけの魔法道具を鞄に詰め込んで、彼女の後ろに付いて外に出る。


「エーフィー、絶対にこのことは口外してはダメよ。彼らは自国や他国がどうしようもない時にだけ仕事をする特殊部隊。その正体がバレては逆に彼らの身に危険が及ぶの。分かった?」


 シャーリーさんの語気が強めに感じれたので、本気だと言うのは理解した。

 下手な質問は今はやめておこう。彼女があんな引き締まった表情をするのは久しぶりだ。それ程の危機と言う事。


「じゃあ、今から言う所に飛んでもらえる?」


 シャーリーさんが指定したのは、エーレ城の近くの小屋であった。

 薄汚く、手入れされてない空間。


 鍵が空いてるのか、簡単に中に入ることが出来た。

 机も椅子も何もない。あるのは埃被った床だけである。


「全く……汚い家だこと。よいしょっ」


 シャーリーさんが端にある壁を勢いよく蹴ると、中央の床が大きく動き、その下から昇降機が現れた。

 年式かなり古そうで、乗るとすぐに落ちそうである。


「あーあー、全くエーレの王様はダメね。一番の功労者達の待遇がこれだもの。まぁ豪華にしたら目立つって理屈も分かるけどさ、それでも気遣いって大事だと思わない?」


 そんな事言われても何が何だかよく分からないし、ここは適当に相槌を打っておく。


「その、魔闘隊の人達ってそんなに凄い人なのですか? 勇者や大叔母様よりも力を持っている存在なのですか?」


「んー……マーフィー以上に力がある存在はどこ探してもいないわよ。でもね、勇者と張れる奴らがゴロゴロいるのが魔闘隊って集団なの。今のジャスティー・マンスね。彼は彼でかなりの戦闘能力を持っているけど、魔闘隊の中ではまだ一般的って所かしら。ま、成長したらどうなるかだけど」


 勇者と張れるのがゴロゴロって、すげえのがいるんだなぁ。


 昇降機を乗って下まで降りると、松明が並ぶ道に出た。

 鉱山の岩肌のような空間を歩き抜けると、そこには岩肌で出来た簡素な家具と、上の方には「魔闘隊」と書かれた大きな布が貼り付けられている。


「シャーリーよ!! 誰かいないの!!」


 大声を上げるも、誰の反応もない。

 だが、遠くからコツコツと足音が聞こえた。


「あら? まさかの隊長さんがいるだなんて。今日は運が良いわね」


 のっそり出てきたその男、どこかで見たことのある顔だと思えば、あの錬金術師のお店でふんぞり返っていた家庭内暴力男じゃないか!!


「グロッグ、久しぶり、エーレに戻って来てたのね」


「シャーリーこそ、こんな所に顔を見せるなんて珍しいな。お隣は……ああ、あの時の子か。まさか俺の正体がバレるなんてな」


 ふんだっ! ただの暴力男の癖に。


「あらあらお知り合い? エーフィーって案外顔広いよね……って、なんで膨れてるのよ」


「なーんでもありませーんよー! それはそうと立ち話も何ですし、どこか座れる場所はありませんかね?」


 彼を目立たせるのもいいが、それだととばっちりがフィンさんに向くかもしれない。

 むぅ、許せん、許せんぞ。内側から熱い何かが込み上げてくるのを感じる。この感情はあまり好きじゃないな。


「でもグロッグ、よく戻れたわね。ある任務を勝手に放棄したのでしょう? 最悪死罪だって免れないのにさ」


「ふん、俺の意見に反対する国がおかしいのさ。もっと暴れてやってもよかったんだが、あいつらが白旗を上げたからさ。情けない奴らよ」

新年あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いします。


とホッシーが言ってました。

お年玉を期待して頑張りますとのことです。

卑しい奴ですね。

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