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なかたかなげーむ  作者: さわみずのあん


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5/8

しりとりか?

『叶』は一瞬たじろいだ。

「なっ、何を言ってっ。『佳奈』をっ」

「同じ言葉を二回、言うだけじゃない」

 『佳奈』は『叶』を追撃する。

「しりとりじゃない。なかたかなげーむ、なんだ。な、で終わらせなければいい。この中に、かな、じゃない奴がいる。一文字のあんたは、本当は、かなえ、なんじゃない?」

「ちっ違。私は、かな、で。同じ言葉をっ。そうだっ。みょっ、名字。誰かっ、さっき死んだ、こいつと同じ名の女の、名字っ」

 

 『叶』が殺した『佳奈』は『中田』。

 もう一人の『佳奈』の近くにいた。

 『佳奈』を突き飛ばした女が。

 『佳奈』をひっくり返す。

 『中田』。がモニターに映る。


「私のも、確認するか? しりとりなら。同じ言葉でも。違う意味。違う人なら。違う言葉。なんじゃない?」

 『佳奈』は『叶』に、背中の『中田』を見せる。

「違っ。違う違う。嘘だっ。嘘だ嘘だ。嘘だっ。やっ。やだっ来るなっ」


 『佳奈』は素早くターン。

 『叶』を正面に見据え。

 低い姿勢、突っ込む。

 『夏奈』を殺したよう。

 下から首輪を攻撃しようと。


 『叶』は後ろに下がる。

 死体の『佳奈』にこけ、尻餅を。

「だっ誰かっ、たすっ」

 『叶』は周りを見回し、

「あっ」

 『佳奈』は眼前。

「一文字っ。奏でるがいっ」

 

 ぼんっ。


 首の無い死体が指差す先に。

 『奏』がいた。

 まずい。これは。まずい。

 私は自分の胸。

 『奏音』を見る。

 かな。なのに。


『佳奈』は『叶』を殺してすぐ。

 『叶』の指す、『奏』を殺しに、走った。

 『奏』は『叶』と同じように。

 周囲を見回す。

 くそっ。やばい。

 目が。あった。


「あっ。ああっ。あそっ」


 ぼんっ。


 頭が飛んだ、死体が指差す。

 『奏音』。

 私がいた。

 そして、

 『佳奈』とも。

 目が。あった。


「来る。おい。あんたら二人とも」

 横に居る、『かな』と『香那』に向く。

 言おうとしていることに。

 自分でも驚いた。

「今来た道、引き返して逃げろ。私は反対に逃げる」

 『かな』は、まだ、ぐずついている。

 『香那』は、良いんですか、と。

「分かってんだろ。来るの。逃げろ。私が死んでも、ゲームは終わらない。かな、だから。そのときに、殺されるのは、近くにいるあんたらだ。早く行けっ」

 『香那』は、なにも。言わず。

 けれど。しっかりと私の目を見た。

 『かな』を強く抱きしめて。


 『中田』と『なかた』の背を見て。

 私も、反対方向に駆け出す。 


 可能性はある。

 三十秒逃げれば。


 ぼんっ。


 嘘だろ。

 間に合わないと判断した?

 だからって。


 ぼんっ。


 ぼんっ。


 ぼんっ。


 かなを殺しながら。

 『佳奈』が迫る。


 ぼんっ。


 の音が、どんどんと、大きく。


 そして。


 目の前。


 『佳奈』。


 ぼんっ。


 私の耳の。すぐ下から。


 音。


 高い視界。


 逆さまの視界。


 私。頭が。取れて。


 ああ、そうか。


 しりとりじゃない。


 『田中』


 あたまとり。だ。



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