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葉子と翔太37ー冬合宿①

 大晦日の朝。

 まだ空気が冷たい時間に、ホテルの前には受験生と保護者が集まっていた。

 今日から冬合宿だ。

 ママに送ってもらって車を降りると、スーツケースを持った子たちが次々とホテルの中に入っていく。


 合同模試をやっている桜峰学園と、桐原塾との合同合宿。会場は新宿のホテル。

 志望校の難易度別にクラスが分かれていて、私はAクラスになった。桜峰と桐原の特進クラスに混ざる形らしい。


 ユイちゃんは知らない女の子たちに声をかけられている。去年の合宿で知り合った子たちみたいだ。


「葉子、おはよ。クラス一緒だな」


「うん。知らない子ばっかりだと緊張するから、みんな一緒で良かった」


 私が通っている鷹宮塾の生徒は、Aクラスに五人。例年はもっと少ないらしい。去年の五年生のAクラスは、ユイちゃん一人だったみたいだ。


「おっす、おはよ!」


イズミくんが声をかけてきた。


「やっぱ鷹宮塾が一番小さいんだな。他の塾に負けないように頑張ろうぜ!」

「最初の席順テスト楽しみだわ。鷹宮塾全員、前の方行こうな!」


 Aクラスは席順テストがあるらしい。特進クラスだし、合同模試で上位に名前が載っている子たちばかりのクラスだ。

 ……かなりプレッシャーだ。

 最下位になったら、ちょっと気まずいかもしれない。テスト、頑張ろう。


---


「これから席順テストを行います」


「科目は算数。一問でも多く解くこと。」


 プリントが配られる。時間は20分。


「では、始めて下さい」


 問題を見る。(1)〜(20)まで問題がズラッと並んでいる。マーク式の解答だ。


 1問1分?焦ってしまってどうすれば良いか分からない。簡単な問題から解くべきだろうか。


 でも、どれが簡単そうかパッと見分けが付かない。とりあえず、難しそうな問題は飛ばしながら、上から順に解いていく。


 全然集中出来ない。解答があまり埋まらないまま、時間がどんどん過ぎていく。


「残り3分です」


 だめだ、とりあえず分からない問題もマークシートを埋めてしまおう……。


 テストが終了して、10分休憩になった。

 休憩が終わる頃、テストの結果がホワイトボードに貼られ、順位通りに席を移動する事になった。


 ……28人中、25番。ゆっくり見る暇は無かったが、ユイちゃんは2番だった。


 翔太とイズミくんは真ん中の辺りに座っている。

 同じ塾の松本くんが26番で、席が隣になった。


 Aクラスの空気は、思っていたよりずっと重かった。


 ……でも、まだ初日だ。

 私は鉛筆を握り直した。


---


 夜9時に授業が終わって、自習の時間になった。

 お風呂の時間まで勉強して、お風呂から出てからも勉強するので、服はそのままだ。

 今日は大晦日なので、このあと年越しそばを食べるらしい。


 みんな静かに勉強している。お蕎麦も、みんな静かに食べて、また勉強に戻る。

 ちょっと湯冷めして寒かったので、温かいお蕎麦は美味しかった。


 時間ギリギリまで勉強して、11時半にそれぞれ塾のメンバーで集まって、少し早めのカウントダウンをした。


「鷹宮塾全員、絶対合格しような!」

「それは明日の初詣でいいんじゃないか?」

「みんな、今年もよろしくね」

「まだ30分早いけど。じゃあ、お休み」


 みんなと挨拶して、ユイちゃんと一緒に部屋に戻る。

 一日中勉強して頭がパンパンだ。疲れたけど、みんなと一緒なら、頑張れそう。

 ベッドに横になってすぐ、夢も見ずに眠りに落ちた。

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