葉子のノート2
「ただいま」
「おかえりー」
ママが声をかけてくれた。
「ママ、あのね。ヘルプノートはもう使わなくてもいい?」
「もうほとんど覚えちゃったし。無くても大丈夫かなって」
「実はちょっと、からかわれるんだよね。あのノート、もうボロボロだし」
「……気づかなくて、ごめんね。もっと早く作り直せばよかったね。本当に要らない?新しいノート作ろうか」
ノートの使っているページを思い出す。
一番よく使うのはクラスメイトと先生達の名前のページだ。
まだいるかもしれない。
私はクラスメイトの名前を覚えるのが結構苦手だ。
「うーん、じゃあ必要なページだけ、自分で新しいノートに写そうかな。ノート何かある?」
「あったと思う。ちょっと待ってね」
ママが2冊のノートを持って来た。
シンプルなノートと、表紙に子猫の写真が載ってる可愛いノートだ。
「葉子ねこ好きでしょ?可愛いなーと思って、この前買っちゃったの」
猫のノートは可愛いけど、学校で使うには向いていないかも。
「学校用はこっち使って、猫の方は家で自由に使って。日記とか書くのもいいんじゃない?」
2冊のノートを受け取った。
この子猫、あざとくて可愛いな。
ママってセンスいいかも。
___
自分の部屋。
新しいノートを開いた。
ママのノートを開いて、書き写そうとして手が止まる。
ーーー長い。
そもそもクラスメイトの名前のページは、手書きじゃなくてプリントを貼ったものだ。
書くのが面倒になってノリを剥がそうとするが、上手くいかない気がしたのでハサミで切った。
ママごめん。
なんとなく、ママのノートを切ったのは申し訳ない気がしたが、次のページに進む。
最後まで終わらせてしまいたい。
いったん止めるとやる気がなくなりそうだ。
ただでさえ、ノートを書くのは苦手だから。
ようやく新しいノートが学校で使えるヘルプノートになった。
うん、キレイだ。前のノートはめくり過ぎてページの所が膨らんできてた。
満足して一息つく。学校と公文のプリントもやっちゃおうかな。
それとも、日記を書こうかな。
一瞬考えたけど、面倒臭くなってやめる。
とりあえず、宿題を終わらせよう。




