底辺の教養講座 その⑤ 音楽
私は、超常現象を一切信じません
そういったものが感知できると自称する人は
嘘つき、あるいは精神疾患がある人と確信しています
さて。
「芸術」とはなんでしょうか
それを定義することなんて私にはできませんが
問われればこう答えるつもりです
「芸術とは、超常現象の存在証明である」と
前提として、芸術には教養が必要です
これは事実です
これは絶対です
どんなに綺麗ごとを並べた所で覆せません
とはいえ教養を積み重ねた先に「芸術の頂点」があるとは思いません
北へ向かって歩いても北には辿り着かないように
東へ向かって泳いでも東へは辿り着かないように
そもそも北や東ってなんだよって話です
方角?
ええまあそうなんですが、私はそれを「芸術」と定義しているのです
◇◇◇
例えば「なろう」で誰かの作品を読んだとき
「筆者」の人格や執筆時の心境と環境
さらにいえば知性や性癖を感じることはありませんか
それは創作された世界観を超える大きな情報量で
物語の本筋より、些細なディテールに現れることが多い気がします
それが意図してなのか偶然なのかは別にして
作品が提示する面白さを超える魅力的な「何か」を感じませんか
古典的な教養に加え
「流行」という現在進行形の教養を持たないと観測できない「何か」を
このような「何か」に心が動かされたとき
私はそれが繊細で儚い霊感であり、魔力であり
まごうことなき超常現象であると確信しているのです
とはいえ読書量も執筆経験もペラペラの私が
数多のweb文豪である皆様を差し置いて
小説やエッセイを題材に芸術を語るなど恥ずかしくて出来ません
え?
昔そういうエッセイ書いてただろって?
うっせえな……
……ごほん
それはともかく
本編で語りたいのは芸術論ではなく
「音楽の楽しみ方」です
ただしタイトルにあります通り、あくまで「底辺の」です
言い換えれば「私の」音楽の楽しみ方です
そのために軽く芸術論に触れる必要があったのです
さらにいえば次回の「底辺の教養講座」の内容にもかかわることなのです
◇◇◇
先日、ショート動画を流し見していると
英語圏の方が日本を批判する切り抜きを目にしました
「日本人は教養がない、なぜなら英語が通じない」
コメント欄は大荒れでした
いろんな意味で、そりゃそうでしょう
ですが私は思ったのです
これ、似たような内容をどこかで読んだぞ、と
そして思い出しました
たしかビートルズのドラマーを批判する内容のエッセイで
リズムが正確じゃないとか、そんな感じのことを書いていました
正直私の知ったことでは無いし
むしろ微笑ましくて可愛いのですが
もしこのエッセイの作者が私の前にいたとして
この方に対し、どのように音楽を説明したものかと思考実験しました
「底辺の教養講座」なので、徹底的に分かりやすく心がけます
まずね、ビートルズに限りませんが
ドラマーがリズムや音量にバラツキがあるのは「わざと」です
ちなみにオーケストラでも「わざと」バラつかせます
そのために指揮者というものが存在するのです
ジャズなんか意味不明なくらい繊細にバラつかせています
そもそもね、プロのドラマーなんですから
しかもビートルズといえば億単位の金が動くビジネスなんですから
その辺のミュージシャンでは及びつかないレベルで
繊細に繊細に、練り込んで練り込んで、音源は作られてますよ
あたりまえじゃん
ちなみに大昔の音楽制作ソフトでも
コンピューター上でドラムを鳴らすときは
ワンクリックで各種バラツキを設定できますよ
とはいえ凝る人は手動でバラツキを作りますが
もっぺん言うね、「わざと」です
ドラムを叩いたことがないのにドラマーを批評するな、とは言いません
「日本人は教養がない、なぜなら英語が通じない」
という動画を投稿した人と同じレベルになるからです
ですが狭い視野と思い込みで批判することもまた
同じレベルなのかなと思ったりもします
筆者を叩きたいわけではありません
むしろこの生々しい人間臭さに心が動かされ
ついついこんな駄文を書いてしまったわけでして
これもまた神秘の超常現象ではないかと思うわけなのです
【注釈】
ちなみに大昔にweb上で書かれたエッセイですし
内容もフェイクを入れています
◇
そして、こっからが本当に書きたかったことなんよ
ジャズとかパンクロックとかは
このバラツキを素直に楽しむジャンルだと思うのです
その生々しさ、人間臭さに
情熱と躍動と耽美な感性を感じるのです
でもね
真面目な人が長年真摯に取り組んでしまうと
感情や理性を超えて極めて高度な演奏技術を習得してしまい
そうなると情熱や躍動や耽美な感性
つまり人間的な生々しさを失い
機械的で冷徹で神聖な領域に到達してしまう場合があります
絵がうまい人が
下手な人の絵を真似できない現象に陥ります
不治の病
さてどうしたものか
オーケストラの奏者は指揮者に答を求めました
ではロックは?
ジャズ(ていうかフュージョン)は?
……この解答を楽しむジャンルだと思うのですよ
さらに高度な演奏技術に進むも一興
変拍子や転調で新たな景色を見せるも良し
この辺わかるとプログレやフュージョンがめちゃくちゃ面白く楽しめます
実はビートルズ、この楽しみ方を
分かりやすく、そしてさり気なく表現していますわ、ホーホホホ!
◇◇◇
と、今回はここまでなんですけど
次回の話こそが一番書きたい事なんです
ですが
めっちゃ読みやすい話なんで、よかったらお読みくださいませ、ホーホホホ!




