13話:月桂樹唯璃と想斬魅凪
最奥実験室、フクロウの少女が今日も来ていた。水槽の中の少女は昨日とは違いぐったりとしていた。
「…効果付与【意思疎通】」
『今日はきつい?』
『大丈夫です』
少し食い気味に返ってきた脳波に私は一瞬驚いた。
『そう?ならいいんだけど』
『それはそうと唯璃さんはどうして毎日ここに来るんです?』
『嫌だった?』
『いえ、そういう訳ではないんです』
いつにも増して距離を感じる喋り方だった。何か気に触るような事したかな…。しかもさん付けなんてこの前までされなかったはず…。
『毎日来ないと、煓が死んじゃうんじゃないかって少し不安なんだ』
『…死ぬ訳ないじゃないですか、私は初期実験の成功例ですよ?』
『それでも、私は失敗した』
『……そうですか』
煓が軽く目を開けた。その色はいつもの深緑ではなく、瞳孔が真紅。多分水槽の中にいるからそう見えるのか、変化が進んでるかのどちらかなはず。まぁ多分後者なんだろうね。
『魅凪…って子と会いませんでしたか?』
『魅凪…?知らない子だよ』
『身長は130センチくらいで、年齢は10歳…検体番号も振られています』
『ということは最奥に来れるの?』
『来れます、来れるんですけど…気が付いてないみたいで…』
『へぇ、今度探してみるよ』
『ありがとうございます』
煓はそこから何も話さなくなった。私は瞬きして効果付与を切った。
魅凪、10歳の子供…だったっけ?言われたからには探さないとだね。そう思って私は久しぶりに最奥から出た。最奥の外は至って普通の見た目の施設だった。大量の機械が詰め込まれた部屋があったり、モニターが並んだ不思議な部屋もあった。
面白みのない普通の施設、だだっ広いだけの内容の詰まっていないただの研究機関。こんなところに入れられた他の実験体達は人生楽しめているんだろうか。
「あれ?あなたここの人?」
不意に幼い声が私にかかった。およそ10歳の130センチほどの身長。耳元を見るとちゃんと検体番号が貼られている。この子が魅凪で間違い無いだろう。
「うん、君が魅凪であってる?」
「?そうだけど…誰から聞いたのー?」
「君の友達だよ、私の代わりに探して欲しいって言われてね」
「ほへぇ、その私の友達は何処に居るの?」
「…危険地帯だよ」
「ほぇー、今度行ってみよ!」
魅凪はそのまま私の横を通り過ぎて行った。少し不思議な子だった……気がする。
すみません謎の短すぎる間話挟んで…(スランプ)




