第9話 精鋭部隊
「死んでんのかこれ?」
「勘弁してくれよ、死んでたら俺達の首飛ぶぞ」
突然聞こえてきた声的に男達数人の話し声、体に痛みは無くどうやら何事も無く再生したようだった、だが意識はまだハッキリとしていなかった。
男達の会話を聞きながら意識回復を待つことおよそ二分、ゆっくりと瞼を開け視界を確認すると男が2人、レオナの顔を覗き込んでいた。
「うわ!目覚ましやがった!」
そう言い片方の金髪の男が銃を構える。
「馬鹿!目を見ろ、死人じゃねぇよ!」
もう片割れのこの世界では珍しい黒髪の男は急いで銃を蹴り上げ静止した。
2人のかなり大きめの声でのやり取りは意識戻りたてのレオナにとってはかなりうるさかった。
「すみません、一つ聞いていいですか?」
クラクラする頭を抑えながらゆっくりと起き上がった。
「なんだ?」
「幾つかあるんですけど取り敢えず精鋭部隊の皆さんでよろしいんですか?」
2人を部隊と言って良いのか分からなかったが雰囲気で強いという事は何となく分かった。
「まあここに来るまでに二人死んだ、精鋭なんて名ばかりさ」
悲しげも無く笑いながら言う金髪を見てレオナは少しゾッとした、どうしてそこまで割り切れるのか分からなかった。
「自己紹介をするか!俺はハリス、一応近接を得意としてる!」
金髪の男ハリスはそう言うと華麗なナイフさばきをレオナに見せた。
「ハリスは相変わらずだね、僕はガルス、レオナ君の事は士官学校の時代から聞いていたよ」
「士官学校の時代からですか?」
黒髪の男ガルスと握手を交わしながらレオナは士官学校の時を思い出したが特にこれと言って目立った覚えは無かった。
「射撃の精度がほぼ99%って知り合いの教官が毎日の様に言っててね、1度お目に掛かりたかったよ」
「そうだったんですか」
自分の知らないところでそんなに評価されているとは全く知らなかった、確かに射撃精度は良いがまだ13歳、周りの評価は低いとばかりレオナは思っていた。
「私はイリナ、救護兵だけどこの世界じゃ意味無いよね……」
突然部屋の端から声が聞こえ視線を移すとそこには白髪ショートの年齢はおよそ17程の少女が立っていた。
「皆さんが俺達を助けに来てくれた精鋭部隊という事でいいんですよね?」
思い出すだけでも嫌になるあの変態みたいな奴らの可能性も捨て難く最終確認をレオナは取る、するとハリスは不思議な表情をして言った。
「精鋭部隊って所はあってるけど上からはレオナしか助けるなと言われてるんだ」
「な、何故ですか?」
「デカイ図体の特別種って居ただろ?あれなんか見られるとまずい見たいで証拠隠滅的な?」
そう言うハリスの腕についている血を見ると赤かった、死人の血にしては余りにも赤かった。
「まさか殺したんですか?」
「ハリスも殺したくて殺した訳じゃないよ……」
悲しげな表情でいうイリナ、その一方でハリスは何故か少し笑っていた。
「怒るか?俺を殴るか?勿論殴ってもらって構わない、それで気が済むならな」
「殴りませんよ、シャルさんは置いといてその他2人には今日あったばかりですしね」
自分でも不思議な程に悲しくは無かった、確かにセレナを守りたいとは思っていた、だが心の何処かで意識を失う前にセレナ達は死ぬと覚悟していたのだろう、今はそうやってレオナは自分を納得させた。
「結構意外だねー、まあいいや、それじゃあ目標回収、脱出に移る!」
ハリスのその掛け声にレオナを除く2人は了解をし、管制室をでた。




