第七話
森の静けさが続く。
そこは風もなく虫の鳴く音ない世界
一体どこまで歩いたんだろうか
つい先ほどの出来事が嘘のような気がしてならない。
今も後ろを振り向けば赤い点のような明かりがみえる。
『そろそろ離してくれ!』
ソラは命令口調に今まで手を引っ張りここまで連れてきた人物をみる。
その人物、カレンはハッ!となり手を離す。
『ご、ごめんなさい。』
『どうしてなんだい!?』
カレンは押し黙り、しばらく静寂が訪れる。
そんなカレンにソラは続けて話す。
『どうしてあのままほっといてくれなかったんだ。ひょっとしたら母さんだって助け出すことだって出来たかもしれないのに!!』
『あのままほっといたらソラを失う気がして…』
カレンはそう言って目に涙を浮かべる。
『僕はどうなったっていいんだ!あのまま死のうが僕の勝手でしょ!』
言った瞬間、頬に痛みを覚える。思わず立っていられずその場で倒れ込む。一体何が起きたかと思い頭を巡らせる。それがカレンによるものだとわかるのに時間がかかった。
『どうして、どうしてそんなことをいうの?お母さんだってソラに生きててほしいから涙を堪えてソラに行ってっていったんでしょ?それにわたしソラがいなくなったら……』
そのまま泣き崩れるカレン。
『………………カレン』
『わたしソラのことが好きなの、ううん、愛してるの。ソラにずっと生きててほしい。幸せになってほしいの。』
そんなカレンの告白を聞いてか少しずつ冷静さを取り戻していく。
『ごめん、カレンだって辛いはずなのに、自分のことばかり。』
『ううん、いいの。たった1人しかいない家族がなくなったんだから当たり前よ。』
そうしてソラはカレン胸の中に抱きしめられるように泣き出す。
それから10分くらい経った頃だろうか、一生分流したんじゃないだろうか涙、それによってしわくちゃになった顔を裾で拭き、立ち上がりカレンをみる。
『あ、ありがとう。オレつよくなるから、もう誰も死なせないほどつよくなるから。』
『…………そう。ソラならきっとなれるよ。ソラはつよいし優しい心を持っているから。』
カレンは目をつむり想いにふける。
近い将来そんな未来がきて、そこでまた一緒にたわいもない話をしたり、農作物を作ったりして楽しく過ごしている未来が。
『それはそうと、あの告白染みたのは…』
『※○×☆△…』
『おぃ、なにいってるんだ!?』
『ちがーうぅ、あれはそう家族としてであって別に深い意味なんてないんだからねっ///』
『そっ、そうなのか!?オレもカレンのことは好きだぜ!』
『な、なにっ、言ってるのかな??』
カレンの顔を真っ赤にし下を向く。
『カレンは家族も同然、家族のことが好きで何かおかしいかな?』
『そ、そうだよね。』
わかってた、ソラがこういうやつだってこと、だけどこういう場だし期待したっていいよね?
『ソラらしいよ』
『うん?何か言ったか?』
『ううん、何にも。』
ボソボソと言ったから聞きとれなかったが本人が何にもないみたいだし気にしないことにする。
さぁてこれからどうしようかな。
そう考えてたら、どカッん!っと近くで爆発音が聞こえてきた。