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わが家はローグライク風ランダム生成ダンジョン! ~ 俺の部屋だけ固定セーフティールームで、ヒロイン達と同棲することになりました ~  作者: 初美陽一
第一章 ランダム生成ダンジョンに住まう青年ハーク、少女剣士ラム=ソルディアと出会う

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第2話 ハーク=A=スラスト、超高難度ランダム生成ダンジョンに住んでるんだってよ

 さて、魔物の脅威も今のところは過ぎ去り、少女剣士ラムが寝間着青年ハークに問いかけた。


「あ、あのあの、ハーク師匠は、どうしてこのダンジョンに? もしかして師匠も、冒険者なんですかっ?」


「その師匠っていうの、確定なのか? ……うーん、いや、別に冒険者じゃない。俺はここに住んでるんだ」


「そうなんですか! ……すいません、ちょっと気持ちの整理しますね! うーん、ううん……? ごめんなさい、住んでいる、って……どういう意味で……?」


「いや、そのままの意味で、住んで生活してるんだ。あとダンジョンに見えるのは否定しないけど、ここ俺の実(・)家(・)だから」


「なるほど~! ふ~、よ~しっ。実家、ご実家……すいません、ちょっと……よく分からないですね……ええと、詳しくお伺いしても……?」


 ラムは頑張って理解しようとしているようだ、が、残念ながら白旗を挙げる。

 一方ハークは、寝間着姿の割にはシャッキリと目が覚めた口調で答えた。


「うちの実家は故(ゆえ)あってラ(・)ン(・)ダ(・)ム(・)生(・)成(・)ダ(・)ン(・)ジ(・)ョ(・)ン(・)と化して、結果、元からここに住んでいた俺は、半強制的にロ(・)ー(・)グ(・)ラ(・)イ(・)ク(・)みたいな生活を余儀《よぎ》なくされたんだ。運次第だけど、着るものや消耗品、食べ物なんかも出てくるし、何とかなってるよ。まあ全階層の構造が0時にランダム変化するの、地味に面倒だけど」


「らんだ……ランダム生成、ダンジョン? あのあの、このダンジョン……《異次元の迷宮》って、噂では入るたびに構造が変わるって聞いたんですけど、それが……ランダム生成ダンジョン? っていうのだから、なんですか?」


「うちの家、《異次元の迷宮》とか呼ばれてるんだ、なんかすごい複雑。まあでも、大体そんなとこかな。一年くらい前に入り口が表に出現してから、冒険者とか来るようになったけど……誰も数時間と滞在できたことないんだよな」


「ちょ、超高難度ダンジョンとしても有名ですから。でも師匠の言い方だと、一年以上前から住んでるんですよね……あのあの、実際どのくらい……?」


「十(・)年(・)くらいかな」


「じゅうねん」


 ちょっと想像以上の期間だったのか、またもラムは呆然としてしまう。

 そんな少女剣士に、ハークは〝今度はこちらの番〟とばかりに問いかけた。


「それで、ええと、キミは……」


「……あっ! アタシのことはラムか、かわいい我が弟子とか呼んでください!」


「結構ぐいぐい来るよねキミ。じゃあ……ラム? ラムは、どうしてうちの家……部外者から見れば《異次元の迷宮》なんて呼ばれてる高難度だとかのダンジョンに来たんだ? 見たところ新米冒険者っていうか、経験も低そうだけど……迷い込んだとかでなければ、何か事情でもあるのか?」


「あっ……は、はい。あのあの、大した事情じゃなくて恥ずかしいですけど……」


 恐縮しつつ上目遣いで言うラムに、〝それでも構わない〟とハークが促すと、彼女は素直に事情を明かした。


「アタシの家系、元は貴族だったんですけど……当主の父が政争にビックリするくらい弱くて強《したた》かに没落しちゃって、貴族位を剥奪《はくだつ》されて領地も取り上げられちゃって、ふふっ。もうスラム落ちするか奴隷にでもなるか……もしくは冒険者として一攫千金に一縷《いちる》の望みを託すか、というところで冒険者の道を選んだんですっ。それで超高難度ダンジョンと噂のここを、いつかは攻略できたらと思って、下見に来て……なぜか気付けば迷い込み、魔物に追いかけ回され、あわや落命直前という塩梅でしたっ。えへへっ」


「思ってた以上に重い大した事情が出てきて、ちょっと情緒の整理が追いつかないよ俺。そう、そうなのか、大変な境遇だったんだな……今、笑っていられるのが奇跡なほどに……」


「い、いえいえ、ついさっきピンチだったアタシが言えることじゃないですけど、冒険者って気ままで楽しいですからっ。それに……十年以上も超高難度ダンジョンに住んでるっていうハーク師匠に比べれば、アタシの境遇なんて全然っ」


「いやまあ、慣れればそんなに大変でもないし、割と気ままで……ああ、なるほど。ラムも冒険者の生活は、そういう風に適応した、っていう話なんだな。お互い、他の人から見れば大変なのかもな」


 何だか妙なところで、ハークトラムの間に共感が発生してしまう。

 だがハークは続けて、渋い顔で少女剣士の〝弟子入り〟について言及した。


「でもなぁ……俺はここで生活していく上で、必要に迫られてスキルを身に付けた感じだからさ。剣士のラムに教えられることなんて、何も無いと思うぞ?」


「えっ……そ、そんなことないですっ! ハーク師匠の剣技、本当にすごかったですっ。もう目にも止まらないくらい速くて、強くてっ……」


「それ剣技っていうか、とにかく力任せに振って、出来るだけスピードが出るよう斬っただけなんだよ。この長剣だって、コンスタントに性能が発揮しやすいから使ってるだけだし。……うーん、そうだな、言葉で説明するより……俺がここで生活していく上で身に付けたスキルっていうの、実際に見せようか」


 言いながらハークが辺りを見回し、何か見つけたのか通路の床を指さした。


「えーと……おっ、ちょうどイイところに。ほら、あそこに落ちてるモノ、見えるか?」


「ふえ? えっと……あ、はいっ。……え、でも、あれって……」


《異次元の迷宮》と呼ばれる超高難度の、ランダム生成ダンジョン。


 その通路に、無造作に置かれていたアイテムとは――

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