初イベント
カフェから出ると、彼の言った通りチンピラ集団がやってきた。
『よくも弟をいじめてくれたなぁ…!』
いや、いじめられたのはこっち…
しかし、NPCにそんな事を言っても無駄だろう。
現れたチンピラ集団は5人…!
えーと、どうする…!?
流石に5人全部は…!
「5人やるから、大丈夫。」
ゼファーさんはそう言って、スキルらしきものを発動した。
「空雷。」
突如、空に雨雲が走り、そして、5つの雷が落雷したのだ!
「ぎゃひっ!」
NPCたちは焼けこげて、1人残らず倒れた。
「す、すごい…」
私は思わず呟いた。
「初期のキャラは弱いね。
まるで相手にならない。」
彼は剣を引き抜く事もなくチンピラ集団を片付けてしまったのだ。
「さすが、終焉の攻略者ゼファー!」
「ゼファー様ぁ!♡」
「きゃー、かっこいい!」
「やるなぁ、やっぱり!」
などと街のプレイヤーらしき人達から歓声が飛んだ。
「終焉の攻略者…?」
「あぁ、そう呼んでる人も、ね。」
「そ、そんなにすごい人だったんですか…?」
「うーん、まぁ…」
彼は濁すようにそう言った。
「あの、ありがとうございます…」
「いいよ、これが約束、でしょう?
そして、引き換えに、君に…」
「はい…」
何を言われるのだろうか…?
私は内心ドキドキしていた。
「正直さ、決めてなかったんだよね…」
「へ…?」
「君に何をして欲しいかって事だけど…」
「そ、そうなんですか?」
「うん。」
うん。って言われても…
「ねぇ、君、顔…」
「え、何か付いてます?」
「じゃなくて…
可愛いよね。」
「はっ?」
「…胸も大きいし。」
ゼファーさんはじっと私の胸元を見る。
「ど、どこを見てっ…!?」
「決めた…
僕と付き合って?」
「…えぇぇぇぇぇ!?」
「そんなに大袈裟に驚く事無いんじゃ…」
「そ、それは…」
「何でもって言ったよね?」
「で、でも…」
「いいんだよ、僕は?
身体で払ってくれても?
どうせ、君には大きなオッパイしか取り柄無いんだし。」
酷い言い草だ!
「そんな…
でも…」
「彼女になる?
SEXする?」
私は数秒考えた。
しかし、後者の選択はとてもじゃないが、無理だ。
「…彼女に…なり…ます…」
そう小さく言うと、ゼファーさんは最上級の美しさで微笑んだ。
「よろしく、マリス。」
そして、ゼファーさんは右手を差し出した。
おずおずと握り返したその手は何だか柔らかくて心地良かった。
「ゼファーさん、もう…手を…っ…!」
「ゼファー、って呼んでくれないか?」
「ゼ、ゼファー、手を…!」
そう言うとゼファーはパッと手を離した。
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