幕間 夜会の後に
今日の夜会は最高だった。
何といっても弟に会えた!それだけで最高の一日だろう。久々に出会ったテイラーはあれからさらに大人びており妖艶な色気のようなものも足されており思わず見惚れてしまった。もう少ししゃべりたかったが我が弟が俺の近くにいるといったのだまたすぐに会えるだろう。
「あれがリアンの弟か。お前があれだけ褒めて悲しんだ理由もわかる。まるで夜のような高貴な人物だ。」
「ああ、そうだろう!リアネート。テイラーはやはり素晴らしいいい匂いだった。」
椅子に座り込んでいた俺の肩に手を置きながら話しかけてきたのはライヒ帝国皇太子のリアネート・リムズ。ライヒである。彼と会ったのはかなり前のことで俺がテイラー探しに明け暮れて隣国の帝国を訪れた時からの中だ。
「ふむ、この花弁は魔力でできているのか、興味深いな。この花弁一枚だけでも彼の魔力操作技術が卓越していることがわかる。この花弁、何枚かもらっていいか?」
返事を待つまでもなく彼は数枚の花弁を懐に入れた。
「これは、改めて誘拐された者達に話を聞かなければな。」
その目線の先には花弁を拾い上げて見つめる少年少女の姿があった。
「シュリュッセル、やはりこの花弁テイラーのものなのか?」
「うん、やはりそうだね。というかここまで精巧に再現されてるのは初めて見たよ。どうやって作ってるのかな?」
「やっぱり植物についてはサイルスだよな。」
そうやって、後ろでちょこんと身をかがめていた体躯の小さい少女に歩み寄り質問を投げかける。
「サイルス、この花弁が何の花かわかるか?」
「ん、フリージアの花、だね。色々な、色があるから、とても鮮やかで、綺麗だよ。」
「フリージアの花?」
「シュリュッセル知ってるか?」
「知らない。花なんて構造以外に興味ないから。」
肩をすくめながら女子なら知ってるでしょとばかりに視線を送るシュリュッセル。
「ええ、確かに存じ上げますね。」
「は、はい。サイルスちゃんに教えられましたから。」
サイルスは色々と植物について詳しい。印象は薄いがかなり博識である。そう、今床に落ちた花弁を舐めたり嚙んだり引きちぎったりしているのにも意味があるのだ!多分。
しかし、彼らは今一番テイラーの消息・足取りについて知っている人物たちだ。
「すまない、少しテイラーのことで話がしたい。この後時間を空けてもらえるか?」
だからこそ、リアンは彼らに接触する。




