『教団』
地下は薄暗いわけではなく、そこそこ明るい。しかし、地面は少し濡れている。
「やぁ。」
「ひっ!や、やめてっ!」
その地下の一室でテーブルの下に隠れて身を震わせていた白衣をまとった男は笑顔でのぞき込んできた目を包帯で隠した男に喉を杖のようなもので突き刺され息絶えた。
「ふぅ、この部屋に隠れてる人はこれで全員だね。」
そういった。テイラーの後ろには複数人の白衣をまとった死体があった。
どうやらこの地下はアリの巣のようになっているらしく部屋の数は二十数個もある。そして、その殆どが覚えのあるエンブレムが入っている服を着ていた。
そう、『教団』である。
「うわぁ。かわいそう。」
ザルフが肩の上で舌を少し出す。
「そうか?相手はクズだと思えば罪悪感なんてなくなるぞ。」
「まあそうだけど。今殺された人は幸運だろうね。一撃で殺してくれるから。」
後ろで倒れている男たちの体には何か削り取られたような円形の傷がある。そして、その顔は恐怖と苦痛で醜くゆがんでいる。
「新技の練習だよ。意表をつける手札として持っておくのはいいかもって思えてね。」
「えー、実戦で普通練習する?常識大丈夫?」
そんな風に軽口を叩いている間にも彼らの背中の後ろには死人が倒れていく。そんな彼らを憐みの目で一切見ることなくザルフとテイラーは下に進んでいく。
ヒュッ………。
風を切る音が聞こえ、後ろから黒ずくめの男がナイフを振るうが、届くことはなく鋭くなった陰に刺され息絶えた。『教会』の精鋭ではないがよく鍛えられた暗殺者。それが何十人もノールックで殺されていく。
「ありゃ、この部屋で最後か。」
「そうみたいだね。」
最下層には一際綺麗な白い扉が現れた。その他はむき出しの岩なのでえらい違いだ。
血の付いた杖を一振りしついていた血を落とす。
そして、そのまま杖を扉に突き刺し、抜いた。そして、それを繰り返す。穴だらけになった扉を最後に足でけると部屋のほうに倒れた。
「こんなことをする必要はなかったんじゃない?」
「できるだけスマートにね。じゃなきゃカッコ悪いだろ?」
微笑を携えながら部屋の中に入るとそこには白衣をまとった痩せた男が恐怖の表情でこちらを見ていた。
「あ、あ、あ アあああああああぁあぁあぁあぁぁああぁ!!!!」
奇声を上げながらものをこちらに投げてくる。足が震えており一歩一歩投げられてくる本や紙などを踏みながら座り込んでしまった男の前に立った。そして、口角を上げ、上から顔を覗き込んでみる。
「やぁ、今お気分どうかな。」
「あ、ああああ、あ、あ、あああああああぁぁぁあああぁあああぁぁぁぁ!!」
涙や鼻水で顔がくちゃくちゃになりながら紙を投げつけてくる。
「はぁ、少し混乱しているようだ。あの世でゆっくり頭を冷ますといい。」
そういって男は先端が尖っている杖兼傘で喉を刺され息絶えた。
そして、改めて二人は部屋を見回す。ものすごい紙の量とカプセルが一つあった。その中には何もなかったが少しの間テイラーはカプセルを見ていた。
「すごい紙の量だね。どうする?」
「燃やすに決まっている。」
そういってテイラーは指先から炎を出し書類の山に火をつけた。書類の山は瞬く間に燃え、床に散らばっている書類などにも火が広がっていった。
「それじゃあ、仕事が終わった。帰ろうか。早く寝たい。」
「僕も少し寝たいね。最近寝不足でね。」
「お前って睡眠必要あるのか?」
「ん~?いや、必要ないけど娯楽として好きだね。気持ちいい。特に起きる瞬間。」
「悔しいけどわかる。特にあの頭が覚醒する瞬間。気持ちいい。」
「わかるよ。」
明かりがなく暗い住宅街から明かりのある明るいメインロードに向かいながら二人は話をする。そして、人ごみに紛れて彼らは見えなくなった。
冬とかって布団から出たくないですよね?
あれって本当に何なんでしょうか。
あれのせいでよく遅刻しそうになってます。
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