脱出
すみません、リアルがごたついていたので投稿が止まっていましたが今日から再開します。
あぁ~~~~~。やらかした。イキっちまった。こうなったらもう、ここにゃあいられんな。
・・・・・よし、逃げるか(キリッ)
そして、寮に戻り荷物をまとめて逃げる準備を現在している。
その時、眉がピクリと動き、ナニカを捉えた。その手の中には、手のひらサイズの人型の何かがいた。
「おい、誰だお前。」
「・・・まさかばれるとはね。僕は未来の神ザルフさ。久しぶり、テイラー君」
こちらを不敵な笑みで見上げながらそいつはとち狂ったことを言い始めた。
「自己紹介しろとは言ってない。」
「でもテイラー君は誰だお前って聞いてきたよね?」
「そうはいったがそうはいってない。」
「無茶苦茶だねー。ていうかさっさと放してもらっていい?僕は神なんだよ?」
「知らん奴に戯言を言われても信じる奴はいない。」
「じゃあ、僕が神である証拠を見せてあげるよ。」
そういって、ザルフはまがまがしい姿かたちに自分の体を変えた。
ぶちゅっ!
嫌な音が響いてテイラーの手の中にあった物が握りつぶされる。
「・・・・・あ。」
キモ過ぎて思わず握りつぶしてしまったがよくよく考えるとだめだったかもしれない。
「おいおい、神を握りつぶすなんてとんだ背信者だね。」
気づくと、頭の上に先ほどと同じ大きさのザルフがいた。
「仕方ないだろ。神の名を騙る気持ち悪いものが手の中にあったんだから。」
「なぜ僕のことを君はかたくなに神と認めないのかね。」
やれやれと呟きながら何かを思案している。髪を引っ張っているので少し痛い。
「そうだ!君に予言を授けよう。」
「予言?」
「信じてないなー?まあいいや。今から48秒後ここに人が来るよ。あってたら僕が神だって信じてね。」
「断る。さっさと失せろ、詐欺師。」
「まあ、だまされたと思って。」
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「まさかお前があんな行動をとるとはな。」
窓の外から入ってきたのは酒場の部屋にいた男だ。呆れたような雰囲気ではなくただ単純に疑問だったようだ。
「56秒。約8秒オーバー。お前の予測は外れたな、詐欺師。さっさと失せろ。」
「違うよ、君が数えるのが早いんだよ。時計を見てみな、ピッタリ48秒さ。」
男の視線の先では荷物をまとめているテイラーとその頭の上で寝転んでいるかわいらしい小人がいた。二人はいがみ合っているようだが頭の上にいる小人に男は見覚えがなかった。彼は、テイラーの親として共に潜入任務をすることもあるので彼の親しい者とは皆顔見知りなのだ。といっても彼と親しいものは男以外にいないのだが。
不思議そうな視線を向けていると手を上げて自己紹介をした。
「僕は未来の神ザルフ。怪しくないから大丈夫だよ。」
「(自称)な。こいつはただの詐欺師だ、言葉を真に受けない方がいい。」
「違うな。本当の神だ。」
しみじみと男は呟いた。
「お?やっぱりわかっちゃう?僕から溢れ出るこの神々しいオーラが分かっちゃうか~。きみ、見る目あるね。褒めて遣わそう!」
ふわふわと宙を浮き、どや顔で上から目線で言ってくる詐欺師を無言でテイラーは握りつぶした。
「っちょいっ!なんで無言で握りつぶしたのかな!?」
「むかついたからな。後悔はしていない。」
いっその事清々しそうな顔で言い切るテイラーに、また復活したザルフが詰め寄る。が、デコピンで弾き飛ばされて宙を浮遊している。
神だと言い切ったが本当に神なのだろうかと心の中で男は少し悩むが、すぐにその考えを振り切る。あの感覚は間違いなく神だ。昔あった神によく似ている。
「お前はどこに行くつもりだ?」
「ん?元の家だよ。」
何を当たり前のことを、とばかりにテイラーは答える。
「やめとけ。すぐにかぎつけられるぞ。」
「は?」
「向こうの連中はすぐにお前を探すはずだ。群青色の髪や瞳。それをベースにな。そうすると、お前が浮かび上がってくるわけだ。お前以外にもいるだろうがお前は目を隠している。それはなぜか?『王の魔方陣』を持っているからだと予測するはずだ。俺の予想では、そろそろ追手がくるぜ。」
「うん、彼の言うとおりだ後8秒で来るよ。」
耳をすますと、確かに誰かが走ってきている音が聞こえる。
「チッ、逃げるか。お前の家連れてってくれ。」
窓から飛び降りながら男に声をかける。ザルフは頭にしがみついている。
「まあいいさ。お前を引き入れたときはそうするつもりだったからな。」
彼らの姿は夜に溶けるように消えていった。
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