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佐伯悠馬の恋愛事情  作者: 雪森蓮


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幕間 ~住んでいるのに、完全に迷子~

悠馬君、普段着くらい買いなよ・・・

休日。


悠馬は、ノアの服を着ていた。


パーカー。

明らかに大きい。

袖が手を隠している。


(……動きやすい)


※似合ってはいない。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


今日は、買い出しだ。


最近、自分の中で

『買い物スキルが上がった(当社比)』

という手応えがあった。


・チキンは分かる

・ ヨーグルトも分かる

・ 卵も分かる


(……行ける)


そこで、よせばいいのに

最近オフィスで話題のマーケットに向かった。


「楽しい」

「新鮮」

「見てるだけでもいい」


という評判。


(……視察だ)


ーーーーーーーーーーーーーーー


到着。


人。

人。

人。


音。

匂い。

色。


(……多い)


悠馬は一歩進み、止まった。


(……情報量が)


処理不能。


気づけば、

通路の真ん中で完全に立ち尽くしていた。


袖に隠れた手。

落ちた肩。

虚空を見る視線。


(……戻るか)


しかし、

”戻る方向が分からない。”


(……どこから来た)


ーーーーーーーーーーーーーーーー


「Hey, are you okay?」


声。


振り向く。


店の人。


「……Yes」


声は出た。


でも、それ以上が出ない。


次の瞬間。


紙コップの水。


「Sit, sit」


ベンチに誘導。


(……座る流れだ)


悠馬は、素直に座った。


この時点で、

「完全に保護対象」。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


「Do you have someone to call?」


(……呼ぶ人)


一瞬、本気で考える。


(……叔父上?)


却下。


「……I’m fine」


「Sure?」


三人がかり。


(……信じてもらえない)


「He looks young」


「Yes, very young」


(……知っています)


視線は、

「東洋人の少年」を見るそれ。


(……三十代前半です)



「ID?」


(……なぜ)


悠馬は、静かにパスポートを出した。


沈黙。


「……Thirty?」


「……Yes」


空気が、一段階変わる。


「……Sorry」


「……It’s okay」


全員、気まずい。


誰かが、小さく言った。


「But… his clothes…」


視線が、パーカーに集まる。


袖。

長い。


肩。

落ちている。


(……ノアのです)


説明は、しない。


ーーーーーーーーーーーーーーー


数分後、解放。


「Take care, okay?」


「……Thank you」


深く一礼し、その場を離れた。


五分後。


いつものスーパー。


人は少ない。棚は整然。


(……ここだ)


かごを取る。


チキン。

ヨーグルト。

卵。


(……完璧)


帰宅途中。


ノアに、メッセージを送る。


> 買い出しは

> 成功しました


即レス。


> マーケット?


> 行きました


> 大丈夫だった?


少し考えてから、正直に返す。


> 迷子扱いされました


> 保護されました


既読。三秒。


> wwwww


> 兄さんさ 住んでる国で

> 迷子になるの才能だと思う


(……才能)


ーーーーーーーーーーーー


だが、不幸はそれで終わらなかった。




少し離れた場所。

マーケットの端。


一人の人物が、その一部始終を

見ていた。


オフィスの部下だ。


(……あれ?)


目を細める。


(……佐伯さん?)


近づく。

確信。


・サイズの合わない服

・ ベンチ

・水

・ 困惑した顔


(……迷子?)


ーーーーーーーーーー


視線が、一瞬だけ合う。


悠馬。


部下。


一秒。


(……見られた)


(……業務外です)


ーーーーーーーーーー


翌日。


オフィス。


「佐伯さん、昨日……」


部下は、

一瞬言いかけて、やめた。


「……お疲れさまでした」


「……ありがとうございます」


悠馬は、いつも通りだった。




ただ一つ。


部下の中で、

認識が変わった。


「完璧な人」

 ↓

「放っておけない人」


そしてそれが、後の噂と誤解と

過剰な善意の新しい火種になることを、

悠馬だけが知らない。


ーーーーーーーーーーーーーー


その夜。


ソファに座り、袖を見て思う。


(……やはり定点で買うべきだった)



「悠馬は今日も、住んでいる街で

 少し長めに迷子だった。」



AIアシスト作品です。

対人耐性0、恋愛耐性0、人との距離感が終わっている悠馬君のコイバナ?になるんだろうか?な、話です。一応コメディです。たぶん。

前回の「佐伯悠馬は胃が痛い」を読んでいなくてもわかるように頑張ってみました。

一言でもいいので感想をくださるとうれしいです。


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